2017年8月14日 (月)

北朝鮮の核ミサイル脅威から世界を救う方法(No.260)

北朝鮮がグアム島周辺に向けた弾道ミサイルの発射を検討していると発表した。この発表が北朝鮮にどのようなメリットをもたらすのだろうか。この脅しでアメリカが軍事的圧力を弱めるとでも思っているのだろうか。北朝鮮にとってこの発表は害あって益なしだ。

オーストラリアのターンブル首相は8月11日、地元ラジオ局のインタビューに応じ、核・ミサイル開発を巡り緊張が高まる北朝鮮情勢について、「もし米国が北朝鮮に攻撃された場合、軍事同盟を発動して米国を支援する」と述べ、有事の際には米軍とともに行動する方針を明らかにした。アメリカの同盟国と言えばイギリスもある。例えばアメリカ・イギリス・オーストラリアの3国同盟で次のような発表をしたらどうなるか思考実験をしてみよう。

北朝鮮が核ミサイル開発を放棄しなければ、1週間以内に3国同盟は北朝鮮をミサイル攻撃する。

この発表前に在韓米軍は一時的に国外に撤退しておくとよい。これに対し、北朝鮮はどう対抗するだろうか。3国同盟を相手に宣戦布告するだろうか。この戦争に勝てるわけが無いのは誰の目にも明かだし、負けるに決まっている戦争を金正恩は始めるわけがない。ソウルを火の海にするぞと脅すかもしれないが、ソウルは3国同盟に入っていないし在韓米軍の撤退後だから関係無い。北朝鮮は大敗して悲惨な結果になるのは明かだ。もちろん金正恩は生き残れない。彼が正常な感覚の持ち主であれば、彼は開戦より降伏を選ぶだろう。開戦は彼にとっては事実上自爆攻撃だし、死を意味する。彼が死を覚悟しているのであれば、核ミサイル開発などするわけがない。核ミサイル開発はアメリカの攻撃から自分を守りたいから行っているのだから。彼を支える軍や指導部も全員が死を覚悟しているとは思えない。3国同盟相手に戦争をやるくらいなら、彼を殺して生き延びたいと考える人は多数いるはずだから、彼の無謀な命令に従わない可能性は高い。

彼の周辺の人々がすべて自爆攻撃を支持し、意味も無くソウルを核攻撃してくる可能性は極めて低いがゼロではない。その場合でもミサイルは撃墜できる。極めて可能性は低いが最悪の場合、百万人単位の犠牲者が出る可能性は否定できないが、もし現状を放置しておけば金正恩は自信を深め、更に核ミサイルの開発を進め更に大きな被害を世界にもたらす可能性が大きい。北朝鮮軍が核攻撃で脅しながら韓国や日本に侵入しても誰も抵抗できないのだろうか。つまり現状を放置すれば、北朝鮮の脅威は年々雪だるま式に拡大する。決断は早ければ早いほど被害は少なくて済む。

どうしても怖くて北朝鮮へのミサイル攻撃に踏み切れないというのであれば、次善の策は3国同盟で北朝鮮ウォンを大量に刷ってドローンを使って空からばらまいて経済的混乱を引き起こすことだ。これなら核で反撃することもないだろう。本物と全く区別の付かない北朝鮮ウォンを大量に刷ってドローンを使い北朝鮮全土にばらまくとよい。そうでなくても物不足の北朝鮮の物不足に拍車をかける。カネを受け取った民衆は買い溜めに走り、軍や指導部、支配階級達の経済的地位を下げる。すでにガソリンが欠乏しているそうで、ガソリンが無ければ戦車も動かないだろう。カネに加え、チラシもばらまく。核戦争になっても、通常兵器での戦争になっても、北朝鮮は3国同盟に勝てないので、悲惨な敗戦になることを、そして武器を捨てれば諸外国のような繁栄が待っていることを国民に知らせるとよい。そして3国同盟による断首作戦に協力した者には、巨額の報償金を与えると約束すれば良い。

いずれにせよ、決断の時は迫っている。

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デフレ脱却が実現すれば、生活がよくなるのはなぜか(No.259)

1960年代や1970年代の高度成長時代は、新しい機械を入れて生産性が上がれば、そのままGDPの上昇に繋がった。生産量が増え、売上げが増え、GDPが増加した。それには持続的な需要の増加があったからで、企業が利益が上がった分、賃上げを毎年行っていた。賃上げなしには十分な従業員の確保ができなかったし、将来の需要増加が見込めたので賃上げを行い続けることはリスクではなかった。

20年近くデフレから脱却できないでいる現代は事情が違う。新しい機械、ロボット、AIを導入して生産性を上げるだけではGDPは伸びない。消費・需要は増えない事を国民は知っている。だから経営者は生産量を増やし売上げを増やすというより、むしろ人を減らして利益を増やすことを考える。かつて過大な設備投資をし、失敗した経験が大規模な投資を躊躇させる。賃金を上げ、人を大幅に増やしても利益は伸びないことを知っている。日本経済は拡大しないことを知っているからだ。

つまり高度成長期には、人は経済は発展するしこれから我々の暮らしは豊かになると信じていたからその通りになった。デフレ期には人は日本経済は拡大しないしこれから我々の暮らしは悪くなると考えていたからその通りになった。つまり人が考えている通りになり失われた20年の間日本は貧乏になり続けた。もし何らかの方法で現代の人にこれから日本は発展するし、生活も楽になると思い込ませることができれば、それが実際に実現する。これは集団催眠である。そのような集団催眠を掛ける方法があるのかと言えばある。それが積極財政・財政拡大政策である。

現在の日本はデフレマインドが支配している。これを変えるのに、異次元金融緩和では十分ではなかった。減税や歳出拡大を国民がびっくりするほどの規模で行えば人の考えは変わる。減税は可処分所得を増やし消費を刺激し、歳出拡大は経済を活性化する。政府は財政規律など守る気はないと国民が思い始めるとインフレ率が上がり始める。減税や財政拡大の規模を調整すれば、目標とするインフレ率、GDP成長率の達成は可能だ。

こう言うと経済音痴の人から反論(脅迫じみた)が来る。「ハイパーインフレになるぞ」
「国債が暴落するぞ」「円が暴落するぞ」「財政が破綻するぞ」など、連中は脅しの文章を豊富に用意している。国は通貨発行権を持っており、いくら借金が多額でも財政破綻はしない。しかし通貨を発行するとハイパーインフレになると脅すがハイパーインフレを防ぐ手段はいくらでもある。「増税・金利引き上げ・預金準備率引き上げ・売りオペ・安い輸入品を入れる」などである。そもそもハイパーインフレは敗戦の極端な物不足が原因していることがほとんどであり、今の日本では起こり得ないことは政府も質問主意書の答弁書で認めた。
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-aa89.html

それでも心配性の人は国がこれ以上借金をしたらやがて返せなくなるのではないかと思っている。「返せなくなる」という意味は国が発行する国債を買う人がいなくなり政府が資金不足で破綻するのではないかという心配だ。しかし、銀行などが国が発行する国債を買えば、直ぐに日銀がその国債をもっと高い値段で買ってくれるのだから銀行にとってこんな利益が確実な取引は無い。国が値上がりが確実だと保証している国債が売れなくなるわけがない。

結論は、大規模な減税・財政拡大政策を直ちに始めるべきであり、それが日本を再び成長する国に変身させる。7月31日に出されたIMFの年次報告書は日本に対し「短期的な財政刺激策が経済成長と物価の押し上げにつながる」と述べている。

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安倍総理は何を間違えたか。(No.258)

安倍内閣の支持率が下がっている。稲田防衛大臣が辞任を表明したこともその一因のひとつになっている。安倍氏は女性の活躍する社会を目指し、稲田氏に期待したのだろうが、人選を誤ったということだろう。ただ、日報の公表問題だけに限れば、本当にこれがそれほどの大問題なのかは疑問だ。そもそも自衛隊のPKO派遣は世界平和に貢献するという目的であり、隊員の一人が日報に「戦闘」という言葉が間違って入れたとしても、国中で大騒ぎをするほどの問題ではない。国連が世界の警察官としてPKO部隊を派遣するということは世界平和に貢献するのは間違いない。戦闘地域に入れなかったらPKOの意味はない。憲法違反だというなら、自衛隊の存在自体が憲法違反なのであり、国際社会の一員としての義務を果たすのであれば、憲法を改正するしかない。日報に「戦闘」という言葉が入っていたというだけで、これだけの大騒ぎをするのは日本だけだろう。

総理が、あるいは大臣が不用意に言ったつまらない一言で日本中が大騒ぎをする。後で訂正してもそれが収まらない。こんなことばかりやっていて、重要な事を忘れてしまう。こんな国は世界中探しても日本しかない。アベノミクスを掲げて第二次安倍内閣が発足した頃はこんなことはなかった。アベノミクスに国民が期待していたからだ。その期待が薄れた今、マスコミは些細な政治家の失言で大騒ぎをするようになった。安倍総理はアベノミクスの精神に立ち戻り、財政と金融の2本建てでデフレ脱却を目指すべきではないか。

極めて小さな扱いだったが、読売新聞が参議委員議員99名が積極財政を首相に要請したと報じた。最近新聞を賑わしているニュースより100倍も、いや1000倍も国民の暮らしに影響があるニュースだ。この要請は「真アベノミクスを求める要望書」を提出することにより行われた。
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/no-53b4.html
同様な動きは衆議院でも起きている。
それは「日本の未来を考える勉強会」であり、呼びかけ人 安藤裕衆議院議員(自民党)である。2回生議員100名中28人が連名で提言書を提出した。その内容は
〇基礎的財政収支黒字化の目標を取り下げよ
〇公共事業や教育分野の歳出を思い切って増やせ
〇消費税は増税せず、むしろ5%への減税も検討せよ
である。

積極財政で財政を拡大すると国の借金が増えると心配する人がいるかもしれないが、しかし、日本経済のマクロモデルで調べた結論は積極財政により国の借金は実質的に減るということだ。例えば内閣府は平成20年1月17日に「進路と戦略」を発表した。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/h20sisan.pdf
成長シナリオケースA  (14.3兆円)は積極財政政策に相当し、ケースB  (11.4兆円)は緊縮財政政策に相当する。ここで得られた結論は緊縮財政政策に比べ積極財政政策は、名目GDPが増大し、GDPデフレーターが上昇し(つまりデフレ脱却が可能)、失業率は減少し、国の借金のGDP比は減少するということだった。

つまり積極財政はすべての面で緊縮財政より優れており、国の借金も実質的に減少するというもの。国を豊かにし、国民を豊かにし、国の借金の重圧から解放されるのだから、一刻も早く実施すべきである。マスコミも国民生活にも国民の安全にも全く無関係な報道ばかりするのでなく、このような極めて重要な事実を国民に広く知らせる努力をして頂きたい。そして安倍総理は思いきって財政拡大を行い没落を続ける日本経済を救い、支持率を回復させるべきだ。

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2017年7月29日 (土)

真アベノミクスを求める要望書(No. 257)

西田昌司のブログより引用します。
http://ameblo.jp/j-shoujinishida/entry-12296338100.html
自民党参議院議員でつくる「故郷を支援する参議院議員の会」(会長・吉田博美)は7月27日に安倍首相に次のような要望書を提出した。同会は、同党参議院議員の約8割にあたら99人が所属している。

                 平成29年7月27日
        真アベノミクスを求める要望書
                    故郷を支援する参議院議員の会
アベノミックスは金融と財政と民間が協調して経済を再生させるプログラムであり、その方向性には問題はない。
 しかし、期待通りの成果が上がっていないのが現実である。その一番の原因はPBに縛られ事実上財政出動をしてこなかったことである。政府が積極的に財政出動をせずに民間に積極的投資を期待するのには無理があった。
 少子化対策や、地方喪失対策など国民の切実な要望に真剣に応えるのが政府の使命である。これを、財政規律を理由に拒否することはあってはならない。経世済民こそが政治家の使命なのである。
 今こそ、政府挙げて国民の切実な要望に耳を傾けるべきである。災害対策のための国土強靱化は勿論のこと、新幹線のネットワークの充実や高速道路網の整備をはじめとするインフラ整備の長期計画を立案し必要な予算措置をすべきである。
 少子化の弁員の一つが家計における教育費の増大化である。給付型の奨学金の充実を始め、国立大学の授業料を定額に戻すべきである。地方を支える優秀な人材を地方で育てることは、東京一極集中に歯止めをかけるためにも重要である。
 地方交付税を増額し、地方予算を政府が財源保証することも地方再生のためには重要である。その他、各省庁に経世済民のためにすべき10年計画を作成させ、必要なものから順次予算化させることが重要である。
 大切なことは、政府が経世済民のための長期計画を作成し、順次予算化することである。これにより財政出動額が長期的に増えるためGDP増加に直接効果がある。また、長期計画を国民に知らせることで、それに協調する民間投資が増える。経世済民のための長期計画を示すことで国民が将来不安を払拭する。それが、少子化に歯止めをかけ消費を増やし、結果的にデフレから脱却し、経済を成長させることになるのである。
 尚、そのための財源はデフレ期には国債でまかない、デフレ脱却後は、消費税のみならず法人税や所得税も含めた税制の抜本改革を速やかに行い、社会保険料も含めた国民負担率を西欧並みの50%程度に引き上げる必要がある。
 ビジネルサイドからの目線ではなく、国民サイドからの目線による経済政策、それが真アベノミクスである。直ちに、真アベノミクスに基づく経済対策を行うことを求める。

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2017年7月20日 (木)

今年も内閣府計量分析室はオオカミ少年だった(No.256)

7月18日に内閣府から「中長期の経済財政に関する試算」が発表された。よくもまあここまで数字をでっち上げられるものだと呆れてしまう。電話で担当者に話しを聞いても鉛筆ナメナメで作られたものだということが確認できた。

直ぐ気付くのは2016年度の名目成長率が前回の1.5%から1.1%に下方修正されたことだ。さすがオオカミ少年で、これから景気は良くなりますよと言っておいて、後から「そうなりませんでしたが、来年度は景気は良くなります」と言う。これを毎年繰り返している。ここで下方修正するなら次の2017年度も下方修正するのが筋だろうと問い詰めても、2017年度の数字は「見通し担当」が出した数字であり当方は一切関係ありませんと言って逃げる。巧妙な責任転嫁の方法であり、バラバラの部署で作った数字を無理矢理一つの表にして責任のなすり合いをしている。全くふざけているとしか言いようがない。

内閣府は名目成長率は3%だと決めつけて試算を行っている。2001年度は500兆円だったから、3%成長がずっと続いていたら2016年度は779兆円になっていたはずで、オオカミ少年は懲りもせず毎年下方修正した結果、2016年度の名目GDPは537兆円にしかなっていない。こんな子供だましはもう止めて欲しい。

それにしても過去20年間の名目成長率は平均でほぼ0%なのに、ここで予測されているのは名目3%を超える信じがたい数字がずらりと並ぶ。何が原因で日本経済は一気に高成長になるのかと聞くと、改革によって生産性が上がり成長すると答えた。でも小泉内閣の時も構造改革を盛んにやっていたが、名目成長率はほぼゼロだったではないかという問いに対して内閣府は答えられなかった。

今回の予測は半年前の予測に比べ緊縮型だ。歳出を数兆円削減する予測となっている。それなら成長率は下がるはずだがそうなっていない。緊縮財政でも名目成長率は下がらないモデルなのかと聞くとそうではないという。そこにはトリックがあった。苦肉の策として金利を下げたのだ。それによって国の利払い費が下がり国債費が減り歳出を削減することができた。

世界は今景気回復局面にあり、金利は上昇し始めている。しかし、日本は取り残されていてひたすら異次元の金融緩和で金利を下げ続けるということだ。例えば2019年度には名目GDPは3.6%成長、物価上昇率2.3%なのだが、長期金利は僅か0.7%だ。過去の金融政策を見ると、2007年2月に日銀は金融市場調節の操作目標の誘導水準を0.25%前後から0.5%前後に引き上げた。成長率もインフレ率もほぼゼロの時代に金利を上げた。そんなせっかちな日銀が名目GDPが3.6%成長、物価上昇率2.3%にまで景気が回復しても本当にそんな低金利でずっと我慢し続けるのだろうか。鉛筆ナメナメならなんとでも言えるのだが。

低金利でずっとやっていく事の危険性は色々ある。世界の景気は今上向いているが、そのうちまた不況がやってくる。そのときまでに日本がデフレ脱却に失敗していたら、世界景気の後退という逆風でまたデフレが深刻化する。

金利が下がると言うことは資金需要が減るということだ。つまり景気が悪化し投資意欲が減退し、融資を受けても設備投資をしようとする意欲が出ない。だったら成長率が落ちるはずだが、そうなっていない。何の根拠もなく、金利を無理矢理下げて国債費を減らし歳出が減ったように見せかける。内閣府はこんな悪巧みをする暇があったら、2010年を最後に発表しなくなった乗数を公表すべきだ。そうしないとどういうモデルを使っているのか隠蔽されたままだ。筆者は再三に渡り乗数を公表せよと要求しているが、内閣府は「準備中」だと言ってひたすら隠す。隠す理由は明かで、乗数を示すと歳出を拡大すればGDPが増えて国の借金のGDP比が減ることが暴露されるのだ。そうなれば歳出を拡大せよという声が高まり収拾が付かなくなると考えているのだろう。しかし歳出拡大でデフレ脱却、景気回復、インフレ目標達成、債務のGDP比の減少という国民が望む事がことごとく実現できるのに何が問題だというのだろう。内閣府はオオカミ少年をそろそろ止めて国民のための経済政策を考えたらどうか。

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2017年7月19日 (水)

ベーシックインカム vs ミニマムサプライ(No.255)

「労働はロボットに、人間は貴族に」という社会へ徐々に移行すべきだというのが筆者の提案である。
http://asread.info/archives/3856
経済システムを適切に構築すれば、財・サービスの提供はロボット(AI)に任せ、人間は貴族のような生活ができるという説である。もちろん、いきなりそのような社会が実現するわけがない。そのような理想社会に移行する中間段階ではどのような社会になるか一つの案を提示してみよう。ベーシックインカムに対しこの制度は最低限の供給を保証するという意味でミニマムサプライと名付けることにする。

第一段階では国は通貨発行権を駆使し、大企業の株を買いまくる。しかし、国が経営に口出すようならろくな事は無いからそれは厳禁である。国は株の配当など、大株主である故の巨額の収入を得るから大規模な減税もできるし、財政は極めて豊かになる。その豊富な財政資金を利用しロボットがつくった極めて低価格の食料品や日用品(品数は限定する)を買い取り、それを国営スーパーで無料で配布する。このスーパーにはいらなくなった古着とか古本とか古い家具とか何でももってきてもらい、無料で配る。リサイクルにもなるし、これを利用すると誰でも最低限の生活は事実上無収入でも維持できることとなる。マイホームも同様で最低レベルの住居であれば、国が買い取った空き家にタダで住めるようにする。これにより路上生活者はいなくなる。無料で受診できる国営の診療所も開く。もっと本格的な治療を受けたいなら有料の病院へ行く。

もう少し質の高い商品、美味しい食品等は通常の店で売っている。だからワンランク上の生活を望む人は、ワンランク上の仕事をしてより多くの収入を得るように努力する。もちろん国営スーパーを経営すればそれだけで一部の民間企業を圧迫することとなる。しかし多くの物を人手を省きながら消費者に届けることができるという意味で優れた制度である。一部の職はこれにより失われるのだが、失業者が出ないよう十分な財政的支援等様々な工夫をする。
①労働時間を短縮し、その分多くの職を生み出す。
②公務員を増やし、必要な職・多くの人があこがれる職を増やす。

ベーシックインカムでは貧乏人も金持ちも同額の収入を保証するために貧乏人にとっては額が少なすぎるし金持ちにとっては大した意味の無い追加収入となる。一方ミニマムサプライであれば、貧乏人にとっては贅沢さえ言わなければ生きていけるのだから、大きな安心感が得られる。何か大きなチャレンジをしてみたいという若者も、失敗しても最低限の生活は保証されるとなれば、チャレンジを恐れなくなる。小さな商店を細々経営していた人の一部等は廃業に追い込まれるかもしれないが、国が公務員を増やし、多くの人があこがれる職に就職できるようにするのであれば、それで救われる。

ベーシックインカムが莫大な財源を必要とするのに対し、ミニマムサプライは小規模の国営スーパーから始めて徐々に拡大することができ、最初はそれほど大きな財源は不要である。現代ではたくさんの無駄がある。まだ十分食べられるのに捨ててしまう食品、使えるのに傷物として処分する製品、引っ越しでいらなくなった物等も国が集めて国営スーパーで無料で配布する。リサイクルという意味もあるし、国民に対し最低限の生活を保証するという意味もある。ミニマムサプライとはそのようなシステムである。

ミニマムサプライは本当に支援が必要な人々を集中的に支援する制度であり、しかも徐々に国営スーパーを増やしていくことによりスムーズに「労働はロボットに、人間は貴族に」という理想の社会へ移行できる。 

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