2016年9月25日 (日)

国債暴落は世界一のYEN調達力を誇る日銀が阻止する。(No.215)

日銀は9月21日の金融政策決定会合で金融政策の軸をお金で出回る「量」から「金利」に移すことを発表した。長期国債、つまり10年物国債の金利を0%程度で推移するように国債の買い入れを調節するというもの。これは国債価格支持政策と呼ばれるものであり、国債暴落を断固阻止するといった表明でもある。

一般的に言えば、長期国債の価格は市場が決めるものであり、日銀は長期国債の価格を決めることはできないと言われている。例えば、日銀が長期国債の価格を上げようとして、長期国債を刷ったお金で大量に買ったとしよう。そうすると大量のお金が市場に流れ、景気は良くなりインフレになり金利は上がりその結果長期国債の価格は下がってしまう。つまり長期国債の値段を上げようとした試みは失敗するというもの。しかし、これは通常の経済状況下での一般論である。

現在の日本経済は異常である。日銀が大規模に国債を買っているのにも拘わらず、景気はよくならないし、インフレにならない。国民は将来不安を持っており、国には1000兆円の借金があり、いずれこれは国民が返さなければならないのだから今のうちに節約してお金を貯めておこうとしている。人口減少で需要は伸びないから融資を受けて投資をする意味がない。いずれ国債は暴落し、その後ハイパーインフレになるというのが多くの国民が抱いている不安でありそれがデフレから抜け出せない理由でもある。

今回の日銀の発表で国債暴落は起こさせないことがはっきりしたから、日本人が持つ不安の一つが解消された。世界中の投資家が国債の売りを浴びせたとしても、日銀は難なく全部買い取ることができ国債価格は維持される。何しろ日銀は円をいくらでも刷れるのだから。

黒田日銀総裁の過去の発言を思い出して頂きたい。
2013年8月5日
消費増税の先送りで財政への信認が揺らぎ、国債価格が下落すれば財政政策でも金融政策でも対応は極めて困難になる。予定通りの消費増税に伴う景気の下振れリスクには財政政策で対応できる。
2013年8月30日
消費増税先送りすれば金利が急騰するというどえらいリスクがある。

つまり、消費増税を行わないと国債は暴落するぞと脅している。しかし、実際は消費増税延期でも国債の暴落はなかった。それどころか今回の発表で分かるように、国債暴落は日銀の国債買い入れで簡単に防げることを黒田総裁は自ら認めてしまった。彼はそれを知りながら国民を騙して消費増税をやらせようとしたか、あるいは本当に金融の知識が無くてあのような馬鹿丸出しの発言をしたかどうちらかだろう。

いずれにせよ、国債暴落の危険は去ったし、物余りの日本でハイパーインフレは起こりえないことは我々の質問主意書に答える形で政府も確認した。そうであれば、もはや基礎的財政収支の黒字化は必要なくなったし、デフレ脱却まで財政規律を守る必要もなくなった。今は財政規模をデフレ脱却に必要な額まで拡大すればよいだけだ。積極財政に反対する2つの理由「国債が暴落する」と「ハイパーインフレになる」の両方共否定されたのだから、もはや積極財政に反対する理由はなくなった。

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2016年9月23日 (金)

内閣府計量分析室に電話して聞きました。(No. 214)

質問:内閣府は7月26日に試算を出しているが、このモデルでは長期金利はどんどん上がっていくことになっている。しかし、日銀は長期金利を0%になるよう国債の買い入れを調整すると言っている。そうであれば、この試算は大幅な改訂を行わなければならないのではないか。

 

回答:試算は潜在成長率を考慮して長期金利を計算している。

 

質問:そうだけど、日銀が金利を0%に固定すると言っているのだからそうなるでしょう。それとも日銀の言うことは信用できなくて、内閣府のモデル通りに金利は推移すると考えているのか。

 

回答:そうではありません。我々はモデルに従い、潜在成長率から引き出される均衡実質金利を計算して出しているだけです。我々は長期の展望を考えています。

 

質問:いいですか。日銀は無制限の買い切りオペを指し値でやると言っているのですよ。だったら、0%に固定できるに決まっているではないですか。異次元の金融緩和を始めたのはずっと前のことです。毎年、80兆円も国債保有額が増加するように買いオペをやっているわけで、それが長期金利に影響しないわけがないでしょう。

 

回答:はい。影響はあるとは思いますが、影響を検討して来年発表することになると思います。

 

質問:いいですか。7月に発表した試算が無意味になったのですよ。金利を0%に固定する場合と金利がどんどん上がっていく場合で、結果は全然変わってきます。金利が0%に抑えられていれば、成長率も上がってくるし、物価も押し上げ、国債費は減ってきます。マスコミとかでもいつも取り上げられる2020年度の基礎的財政収支のマイナス幅ですが、このモデルで出された結果がいつも引用されているわけです。もはやこの結果が無意味なものになった現在、直ちに計算し直して発表すべきです。

 

回答:結果をまとめるのに時間がかかりますので直ぐは無理です。

 

質問:だったら、少なくともこの結果は無意味なものになりましたと発表すべきでしょう。

 

回答:私の独断ではできません。

 

質問:7月の試算だけでなく、2010年に発表した乗数にも影響します。あの乗数は例えば公共投資を5兆円増やせば、金利が上昇して、それがGDP押し上げ効果を減少させるといった内容でした。今回は長期金利固定なわけですから、金利上昇によるブレーキはなくなるわけで、乗数は引き上げられます。

 

回答:そうだと思います。

 

質問:だったらすぐに再計算して出したらどうですか。2010年までは毎年発表していました。

 

回答:2010年度以降、乗数は余り変わっていないので出していません。

 

質問:そんなわけないでしょう。今回の金利0%固定にするだけで乗数には大きな影響があります。しかも国の債務もどんどん増えているわけですから、債務のGDP比に対する乗数も大きく変わっているはずです。

 

回答:はい。そのうち出します。SNAの基準改定などでゴタゴタしていますが、一段落したら出すことになると思います。

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2016年9月18日 (日)

AI研究で遅れれば悲惨なことになる(No.213)

最近のテレビは豊洲移転問題ばかりだが、分かりにくい。ベンゼンの汚染が問題なのだそうだが、築地より豊洲のほうがベンゼン濃度は低いそうだ。だったら早く移転したほうがよいのではないかと素朴に思ってしまう。パラリンピックは金メダル数は中国が105,英国が64,ウクライナが41に対し日本はゼロ(18日現在)だ。次回は日本開催なのだから、やはりパラリンピック用に専用のトレーニングセンターが必要だろう。

日本にとってそれらよりもっと重要な事がある。それはAIで国際競争に勝つことだ。もし、日本がAIの分野で国際競争に完全に負けてしまったらどうなるだろう。将来的には、AIはすべての分野で人間を上回る。ということは人間がいない工場が商品を生産し販売し、国民はお金を払ってその商品を買う。つまりお金は従業員のいない会社の経営者の所に入っていってしまう。もし完全に日本がAIで国際競争に負けてしまったら、外国企業が次々と日本に入ってきて生産を行う。日本人労働者は雇わない。莫大な利益を上げてその収益は本国へ持って行かれることとなる。

AIが人間の能力を超えたとき、人は失職するのか。それを防ぐ方法はある。カネさえあれば職はいくらでも作れる。例えば現在将棋の世界ではプロ棋士は現役が161名、引退棋士が43名いる。プロになりたい人は沢山いるから、カネさえ払えるならいくらでもプロ棋士を増やせる。その他のプロを呼ばれる職業でも同様だ。女子のプロ野球や大相撲だってつくれる。それ以外でも現在は趣味とか娯楽だと思われているものでもプロを育てていけばよいわけで、カネさえあればいくらで職はつくれる。

ではカネはどうやって確保するかだが、例えば現在日銀はETFという形で株を大量に買っている、2017年マツには日経平均4分の1で筆頭株主になる見込みだ。現在でもすでに225社中55社は日銀が筆頭株主となっている。株主になっても経営には口を出さないことが重要だが、将来的には莫大な配当収入が得られることとなる。従業員のいない巨大企業の大半の株式を所有すれば、国は莫大な収入を得ることができ、それを様々な形で国民に配ることができる。どれだけのカネを国民に配れるかは、どれだけの日本企業(AIに限らない)が国際競争に勝ち残れるかにかかっている。だから勝たなければダメなのだ。

その意味で国が今、最優先で行わなければならないことは、大規模なAI研究だろう。人工知能(AI)の進歩に不可欠なのはビッグデータだ。言語の理解、画像識別、自動翻訳、自動運転車など、すべてビッグデータが基礎となり、データが多ければ多いほど、AIは賢くなる。その面では人口の多い英語圏や中国は有利になり、日本は不利になる。中国は国を挙げて人工知能産業の育成にカジを切り始めている。2018年までに1兆元(約1兆6千億円)産業にすると言っている。自動運転のためには3D地図の作成が不可欠だが、この分野では米グーグルやドイツ、オランダの企業が先行している。医療の分野でもIBMのワトソンが東大病院に入院中の患者を救った。更に精度を上げるには、膨大な医療データが必要であり、国と医学界と国民の協力が欠かせない。

AI技術の開発には巨額の投資が必要となるが、日本企業は長期の不況でそのような余裕資金はない。ここは政府による思い切った振興策が欠かせない。赤字国債を発行して産業を育成したとしても、それは将来世代へ貴重な宝物を引き渡すことになる。赤字国債を出し惜しんで、巨額のベースマネーを残しても、それは次世代の頭痛の種になるだけだ。次世代への思いやりがあるなら、国による思い切った投資が必要だし、特にAI研究への投資は最優先にそして大規模に行われるべきである。

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2016年9月11日 (日)

もし政府・日銀が人工知能だったら(No.212)

8月30日の日経の大機小機に「日銀総裁が人工知能だったら」という記事が載った。これぞ我が意を得たりと思った。人工知能の発達は素晴らしい。チェスや将棋のみならず囲碁でも人間を上回った。一方ではかつて驚異的な経済発展をしてきた日本経済は、馬鹿な政治家の間違った政策により、一気に世界一の発展しない国に成り下がってしまった。筆者の提案は政府・日銀を人工知能に置きかえてしまうことである。その方が人間よりはるかに正しい政策を打ち出すから。

世界一豊かな国になりつつあった日本経済を、不況のどん底に落としたのが1990年頃から始まったバブル潰しだ。馬鹿な政治家は、当時高騰を続けていた地価を半分に引き下げれば、国民は2倍の土地を買えるだろうと考えた。しかし、領土の面積は一定なのだから、日本人一人当たりが所有できる面積の平均は37万k㎡を人口で割った面積であって、地価には関係ない。政府は総量規制を行い融資に枠をかけ更に1990年には公定歩合を6%に上げ土地を買いにくくした。カネがなければマイホームは買えないから土地は下がった。マイホームの値段は下がったが、新築住宅着工件数は下がっていったから本来の目的とは逆の結果となった。

バブル潰しのお陰で深刻なデフレ不況に陥り現在に至るまでデフレ脱却はできていない。その間何度も景気対策は打たれているが、いずれも規模が小さすぎデフレ脱却は実現していない。現在の名目GDPは1997年のレベルより下回る。

社会保障財源は消費税などとして消費税増税を強行したが、これも馬鹿な話だ。デフレ脱却をしたいなら当然増税でなく減税だ。消費税は安定財源などと馬鹿なことを言っているが、景気が悪化すれば税率を上げないということをしていれば消費税は安定財源とは言えない。景気によって大きく変動するではないか。

もし政府・日銀が人工知能であったら、地価を半分に下げようなどという暴挙は行うわけがない。バブル崩壊は不良債権を発生させ経済に深刻なダメージを与えるのだから、人工知能なら崩壊しないよう、ソフトランディングを試みるだろう。直ちに金利を下げ、強力な経済対策を行っただろう。経済対策はできるだけ速やかに行うだろうし、十分でないと判断されれば、十分景気が回復するまで追加の対策を次々うちだしただろう。「経済対策は有効でないのかもしれない」などと迷うことはあり得ない。人工知能は過去の膨大な経済データを記憶しており、どの規模の経済対策がどれだけ効くかを完璧に定量的に理解しているからだ。

人工知能は「国の借金」とか「財政規律」とか「プライマリーバランス」とかに縛られることなく、どうやって経済を発展させ国民を幸福にするかということに集中する。一方で人間が行う経済政策はこれらに縛られて身動きができない。水泳レースに例えれば、日本は手足を縛られ、諸外国は手足自由である状態で競うようなものだ。日本は負けるに決まっている。手足を縛っていた縄をほどいて人工知能が最速の泳法を考え出したら、再び世界に勝てるのは間違いない。財政規律はデフレ経済の日本にとって最悪の規制であり、今求められるのは財政規律という規制を緩和することだ。

「国の借金」とか「財政規律」とか「プライマリーバランス」とかに関する問題は景気がよくなれば、解決するのだから、人工知能はひたすらに景気回復を目指すだろうし、それでよいのだ。

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2016年9月 4日 (日)

ハイパーインフレを心配する時代は終わった(No.211)

「国の借金が1000兆円を超えたから、もうハイパーインフレしかない」とか、「ヘリコプターマネーならハイパーインフレだ」とか「財政規律を守らなければハイパーインフレだ」とか、多くの日本人はハイパーインフレ恐怖症だ。しかし、ハイパーインフレを恐れで緊縮財政を続けたためにデフレから抜け出せなくなって国が急速に貧乏になっているというのが現実であり、このことは笑い話として世界的に永く語り継がれることになるだろう。

現在の日本のように物余りで政治的に安定した国ではハイパーインフレなどあり得ない。第一次世界大戦に敗れたドイツは、支払い不可能な1320億金マルクもの賠償金を求められた。それだけでなく、フランスとベルギーは軍を派遣し、ドイツでも有数の工業地帯であるルール地帯を占領してしまった。ただでさえ戦争で生産能力が落ちているドイツで、ルール工業地帯まで没収されたわけで、失業者は町にあふれ、物不足でインフレとなった。ここまでくるとフランス軍はやり放題で、帝国銀行が所有していた128億マルクの金を略奪し、ミュルハイム国立銀行支店に保管されていた未完成の紙幣をフランス軍が奪い、これを完成紙幣にして流通させた。中央銀行であるライヒスバンク自体が賠償問題の解決の一貫と考えられていたから連合国により国際管理されていた。その審査機関である評議員会の14名のうち、半数の7名は外国人(英国、フランス、イタリア、ベルギー、米国、オランダ、スイスから各1名)が任命され、発券業務の監督機関としての発券委員も外国人評議員が任命された。そしてこのライヒスバンクが政府から独立し、お金を刷りまくってハイパーインフレになった。

ライヒスバンクはドイツ政府が発行した国債を大量に買った。それだけでなく、私企業の手形の割引も行った。例えば、自分の会社で1億マルクの手形を勝手に作ってライヒスバンクに持って行けば、現金にしてもらえるのだ。こんなことをしていれば、ハイパーインフレになるのは当たり前だろう。

現在の日本でも日銀がお金を刷って国債を買っているのだが、刷ったお金が国民の可処分所得を直接増やしているわけではない。そのお金を借りて使って下さいと言っているだけで、ドイツの例とは全然違う。物余りの時代、100円ショップやデパートの商品が全部売り切れて、闇市でしか物が手に入らないような時代が近く来ようとしてはいないことくらい誰にも分かるだろう。つまりハイパーインフレは現在の日本には来ないということだ。

8月30日の日経の「大機小機」に「日銀総裁が人工知能だったら」という論説が載った。人工知能ならもっと論理的な行動をするだろうし、デフレ脱却を目指しながら消費増税をしないことには「どえらいリスク」があるなどと発言しないだろうとある。筆者が長年主張してきたことは、もっと過激で日銀も政府の財政政策も人口知能に任せた方がよいということだ。人工知能なら単純で景気が悪化すれば、景気が完全によくなるまで景気刺激策を続け、景気が過熱すれば景気抑制策をする。ところが人間が財政・金融政策を行うと「財政規律」だの、「国の借金」だのに強く影響され身動きが取れなくなって、間違い続け、経済をどんどん悪化させてしまう。人工知能なら、経済の発展と人間の幸福を最大限追求するから、国民の満足度もアップし国の借金の問題もあっという間に解決してしまう。細かい予算の配分は政治家(人間)が行えばよいが、少なくとも予算の総額と金融政策は人工知能が決めた方が良い。そろそろ、そのような人工知能の開発を始めたらどうか。貧乏になった日本を次世代に引き渡さないために。

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2016年8月29日 (月)

日本人が楽観的になるだけで、デフレ脱却・経済成長・財政健全化は実現する(No.210)

奇跡の経済成長を実現した日本だが、根拠のない悲観論が一気に経済を悪化させてしまった。2014年度の消費増税のお陰で消費が落ち込み、賃金の伸びはイマイチだ。社会保障負担は増えるが、社会保障制度に信頼できず、将来に備え今は節約しなければならないと国民は考える。2019年度には消費増税が待っているから尚更である。節約志向が続けば、企業は売上げが伸びないから設備投資など増やさないし、賃金を積極的に上げることもない。それが需要を冷やし、ますます景気が悪化するという悪循環である。

ヘリコプターマネー(ヘリマネ)なら、需要を増やし国の借金も増やさないということで、日本にとっての希望の光と思え、脚光を浴びたが、悲観論者が次々と反論する。

【法政大学の小峰隆夫教授】
そんなうまい話があるなら、世界中の国が既に実行しているはず。
【反論】
世界中の国の経済は穏やかなインフレであり経済は拡大している。そのような国でヘリマネをやれば、単にインフレ率が上乗せされるだけで、実質GDP成長率は上がらない。日本のように20年間需要不足・デフレで経済が停滞している国では経済立て直しの特効薬になる。

【翁邦雄京大教授】
ヘリマネならデフレから脱却できる。そのとき金利は上昇、国民はタンス預金を銀行預金に、銀行はそれを日銀に預ける。日銀は利払いが大変になる。
【反論】
日銀は損失を出しても潰れない。日銀の損失が気になるなら、国債を発行して得た資金で日銀を「救済」すればよい。ヘリマネでなくても、景気が回復してくれば必ず金利が上昇する。このとき日銀の損失をどうするかという問題は必ず出口戦略で検討しなければならない。問題を深刻化させないためには、一刻も早く景気を回復させる必要がある。

【年金運用5兆円の赤字だから年金が心配?】
年金積立金の運用で2016年4~6月期の運用収益は5。2342兆円の赤字だったので、我々の年金は果たして大丈夫かという報道があった。実は2001年からの累積収益は40.1898兆円の黒字なので、むしろ逆に年金は多くもらえるのかと期待する報道があってもよさそうなものだ。年金の一部は海外の株式や債券で運用されている。それ以外にも日本の外貨準備は126兆円、海外純資産は339兆円ある。例えば10%円高になれば、これらの資産価値は数十兆円目減りし、10%円安になれば10%増える。もちろんドルに換算すれば為替の変動があっても変化しない。

このように、日本には誤った悲観論が蔓延している。財政を拡大すれば、再び経済は成長を始め悲観論は吹っ飛んでしまうだろう。それを阻んでいるのが時代遅れのハイパーインフレのトラウマだ。1931年に始まった国債の増発と1945年の終戦直後から始まったインフレを結びつけようとする。当時は国民の6割もの農民が、やっと米を供給できていたが、今は農民の数は国民の僅か3%以下で、余るほど米をつくっている。米の爆撃で焼け野原になり極度の物不足になった当時と、物余りの現在では状況が違いすぎる。

物余りの時代にハイパーインフレなど来るわけがない。だったら、思い切った積極財政でデフレから脱却し、経済を成長軌道に乗せれば良い。それにより、国民は将来を楽観視するようになり、消費は拡大する。経営者も楽観的になり、設備投資が始まる。デフレから脱却し、経済成長で税収も伸び財政も健全化する。要するに日本人が楽観的になるだけですべてが解決するのだ。

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