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2011年1月28日 (金)

日本国債格下げは、景気を悪化させたのが原因(No.40)

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は27日、日本の長期国債の格付けをAAからAA―に引き下げたと発表した。これに対し菅首相は「そういうことにうといので・・・」とコメントを控えた。これは、日本の信用が関わっていることであり、この意味が良く分からないということであれば、菅氏は首相の資質に欠くと言わざるをえない。

以下に日本国債の格付けの推移を示している。国債の発行残高は増え続けている。もし、国債残高が増えれば格付けが下がるという単純な仕組みであれば、一本調子で格付けは下がり続けただろうが、実際は下がったり上がったりしているから、そうではないことが分かる。

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国債発行額を増やし、積極財政を行っていた小渕内閣時代には国債の格付けは最高のAAAで、国債発行額を減らそうと緊縮財政に走った小泉内閣は景気を悪化させ、株価も発足当時13968円だったが、2003年には7000円台にまで大暴落させてしまった。その結果、小泉内閣では格付けが3ランクも落ちてしまった。結果として国債発行額を減らすことにも失敗した。

その後230兆円も発行残高が増えた2007年4月に国債は再び格上げされた。つまり、国債を多く発行すると、国債の信用が失われるというのは嘘で、経済状態が良ければ、国債の信用が高まり、経済状態が悪くなれば国債の信用が落ちるという、単純な仕組みであることがわかる。小泉内閣で、3ランクの格下げで止まったのは、その後30年に一度といわれる世界的な大好況で外需が伸び景気悪化を止めることができたからであるが、この期間に日本の1人当たりのGDPの国際ランクが大きく下がったことを見ても、日本は世界の好景気から取り残されていたことが分かる。

今回、再び国債が格下げになったのは、民主党政権が経済政策の失敗により、日本の経済状態を悪化させたことによる。ここで増税により、更にデフレを悪化させれば、もちろん、格付けはさらに下がる。

下図は、みずほ総合研究所の中島厚志氏が作成したマネーの伸びの国際比較だ。各国がどれだけお金を刷って経済拡大に努力しているかを示している。右に行くほどリーマンショック前にたくさんお金を刷っていたことを示し、上に行くほどリーマンショック後にたくさんお金を刷ったことを示す。この図からも日本は、経済拡大のための努力が足りないことが分かる。世界中でデフレであるのは日本だけであるということは、日本が最もお金を刷らなければならない時期であるのに、それをやっていない。

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中国は人民銀行がお金を刷りまくっていて、今やバランスシートは300兆円で日銀の2~3倍。しかも銀行もお金を刷りまくり前年より銀行貸し出しは100兆円も増えている。そして、S&Pは中国の国債の格付けを1ランク上げて日本の同等のAA-にした。お金を刷れば経済が強くなり、国債の格付けも上がる。日本も中国に学ぶべきだ。

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