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2011年1月21日 (金)

経済政策の失敗のお陰で、日本はGDPで中国に抜かれ第3位に(No.38)

 2010年のGDPが日本は中国に抜かれて世界第三位に下がった。中国の2010年のGDPは5.8895兆ドル(約483兆円)、日本は5.4778兆ドル(約449兆円)ということで抜かれたのだという。しかし、内閣府の発表では日本のGDPは2009年度274兆円、2010年度279.2兆円であって新聞に書かれている449兆円とはほど遠い。しかし、いずれにせよ、中国に抜かれたのだろう。テレビでは、「中国におめでとうと言いたい」という主旨の発言が相次いだ。

 しかしながら、今はお祝いを言っているときではない。1997年に513兆円もあったGDPを、479兆円にまで減らしてしまったのは、政府の失政によるものであり、政府は深く国民に詫びるときだ。もし過去において正しい経済政策が行われていたらどうなっていただろうか。例えば毎年50兆円規模の景気対策を5年間行っていたらどうなっていたかというシミュレーションを、日経新聞社のモデルを使って行った。
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-bd0c.html

2000年~2004年の5年間、毎年50兆円の景気対策を行っていたら2004年には679兆円になっていたはずだという予測になっている。その後、名目で5%成長し続けていたら2010年にGDPは910兆円ということになる。5%成長など無理と思うかも知れないが、3%のインフレ率に2%の実質成長率を加えれば5%になり、全然無理な数字ではないし、そうなっていれば、まだまだ中国ははるか下ということになっただろう。成長しているときは、税収は増える。GDPが910兆円なら税収は100兆円を大きく超えていただろう。

 大規模財政出動というと、財源が無いというのが政府の口癖だが、しかし金融機関に金が余っていることは誰もが知っている。次の図は長期金利の国際比較だ。OECD Economic OutlookNo.87 から引用する。

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日本の金利だけが極端に低いことがわかる。これは、日本だけが極端に景気が悪いことを意味している。これだけ金利を下げも、お金を借りて商売できないほど悪い経済状態であるということだ。国内に投資先が見つからず、ゆうちょ銀行も海外投資を急増させており、10兆円に迫る勢いである。また国内投資家の外国債券買越額は21.9兆円にものぼっている。企業の内部留保も206兆円もあり、行き所の見つからない巨額の資金が、今にも海外に逃げ出しそうだ。そうであれば、唯一できることは政府が国債を発行することでその資金を借りて、財政で使うことだ。財政が破綻しそうだと言えば、心配で誰もお金をつかわないからデフレは悪化するが、お金はいくらでもあるから、皆さん安心して下さいと言えば、お金を使い出し、景気がよくなってくる。

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