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2011年2月23日 (水)

減税派vs増税派の対決で衆議院選をやれ(No.48)

街のあちこちに、衆議院選向けと思わしきポスターが目立つようになった。次回の衆議院選は是非減税か増税かで争って頂きたい。日本は十数年間もの間、デフレが続いているのに、増税をしようとしている政治家がいることは、とうてい信じられないし受け入れがたい。デフレの際に国の借金を減らそうとして世界大恐慌を招いたフーバー大統領や昭和恐慌を招いた井上準之助の失敗を繰り返したいのかと言いたい。

3日前(2月20日)の毎日新聞には内閣府の増税シミュレーションがトップ記事として扱われていた。昨年5月、消費税を15%にまで引き上げても国の借金のGDP比は増えてしまうとの結論を聞いて鳩山首相、菅財務相は言葉を失ったという。実は、筆者はその7年前の2003年7月3日に鳩山由紀夫氏に会い、シミュレーションの結果を詳しく説明した。その中に消費税増税をしても国の借金は増えるばかりだという内閣府と全く同じ結論を伝えていた。同じ頃、経団連でも同様のシミュレーションを行っており、同じ結論を得ている。つまり消費税増税は確実に経済を悪化させるし、平成恐慌といった大惨事を招く可能性はあるが、財政を改善することはあり得ないことは、ずっと前から知られていた。

それでも消費税増税を主張する者が多数いる。日本経済を破滅させたいのかと言いたい。筆者の持論は増税か減税かで国民投票をすればよいということ。そして増税と答えた人だけに、お望みの増税をし、減税と答えた人には減税をすればよい。デフレに苦しむ日本経済に増税ということは、栄養失調で苦しむ人にダイエットをさせるようなものだと思う。太っている人にはダイエットはよいが、栄養失調の人にやらせたら悲惨だ。次の表をよく見て、減税と増税のどちらがよいか、冷静に考えてもらいたいものだ。増税によって次世代への負担は増え、財政は悪化するのだということをよく覚えておくべきだ。これだけ国の借金があるのに、消費税増税で更に借金を増やそうという考えには全く理解できない。

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衆議院の任期はあと2年半あるのに、今解散するわけがないという人がいる。しかし、解散せずに任期いっぱい頑張れるだろうか。予算関連法案が成立する見込みがほぼ無くなった。片肺飛行でも、かろうじて少しの間は飛行は続けられるかもしれないが、これは危険極まりなく、緊急着陸するしかない。

今の政府が民意を反映しているだろうか。直近の民意は昨年の参議院選であり、民主党は大敗した。内閣支持率20%前後ということなら、国民は現在の政治にはっきりとNOと言ったとみなしてよい。現在の衆議院の議席配分は民主党305、自民党117、公明党21だが、これはマニフェストが実現すると思って投票した結果であって、そうでないのであればこの数字は大きく変わるはずだ。実は財源は無かった、すいませんというのであれば、正しい情報を国民に与え直ちに総選挙をすべきだ。

予算関連法案を成立させるのか、内閣総辞職か、解散総選挙かをめぐってチキンレースの様相を帯びてきた。マスコミの論調次第で勝者が決まる。現在のところ、朝日新聞のみが与党側につき、それ以外は事態を静観しているように見える。財政破綻なしでどこまで頑張れるのか分からない。株価下落とか国債の格付け低下がチキンレースの終わりとなるかもしれない。ぎりぎりまでチキンレースを続け、そこで衆議院選となった場合、選挙をし、新しい内閣の枠組みをつくり、その内閣の下で、新しい予算を作るなどとやっていたら、財源切れになるだろう。妥協案としては、解散総選挙を約束することを条件に、今のままで予算と予算関連法案を通す。更に、次の内閣でも「ねじれ」は解消しないだろうと予測し、次の内閣では、政治が停滞することのないように、次の内閣からは両院協議会での決定は過半数でよいと今のうちに決めておくことだ。そうすれば、次の内閣は、今より安定したものとなるだろう。政治の停滞が経済の停滞を招かないように、与野党が協力すべきだ。

いずれにせよ、次の選挙での勝者は増税派ではなく、減税派だ。減税派は結集して国民にアピールするとよい。増税派と増税派の対決でなく、減税派と増税派の対決であれば、選挙民も不毛の選択をしなくてすむ。

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コメント

>そして増税と答えた人だけに、お望みの増税をし

まさに、その通りですね。
名古屋市長の河村氏が、議員報酬の引き下げを選挙公約として、
自らの報酬を800万円にしたように、
まずは、菅総理&与謝野氏自らが税金を多く納めたら良いですね。

また、消費税増税を煽っている人間(マスコミ、経団連等)からも、
まず増税をしたら良いですね。
増税を煽りながら、自らは法人税減税の恩恵にあやかろうというのは、
ムシが良過ぎる話だと思います。

あとは、財政再建や社会保障の充実のためには消費税増税も止むを得ないと
思っている人も多くいるようなので、
「消費税を増税しても、景気悪化で税収は増えません。
よって、社会保障は充実しません。財政再建も出来ません。」
ということを根拠を示した上で、人々に教えていくことが大切かと思います。
まずはネット上から、もっと拡散していけたら良いですね。

投稿: MI | 2011年2月23日 (水) 20時39分

 日銀等に財源はいくらでもあるのに、財源がないから増税賛成という人、評論家、政治家、財務省(公務員)、マスコミ、企業には、消費税だけでなく、所得税、固定資産税、法人税も払っていただきたい。(そんなに税金を払いたいなら)

反対派は勿論、マイナスの消費税(物を買ったら税金がもらえる)

投稿: | 2011年2月25日 (金) 12時14分

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