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2011年3月11日 (金)

支離滅裂な発言を繰り返す白川日銀総裁を更に追求せよ(No.54)

3月2日の財務金融委員会での山本幸三衆議院議員による白川日銀総裁の追求は圧巻であり、支離滅裂な白川総裁を、ここまで追い詰めたのは素晴らしい。以下のサイトに正確な議事録が出てきたので、更にコメントしたい。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm

笑ってしまうのは、国債を買い続けると何が起きるかについての白川氏のコメントだ。彼の発言の箇所を抜き出してみよう。

 しかし、我々が今目的としていますことは、物価安定のもとでの経済の持続的な安定ということであって、インフレあるいはハイパーインフレを起こすということが目的ではありません。したがって、中央銀行が仮にとにかくインフレ率を上げるんだという政策に入り、しかしいったんインフレ率が少し上がった段階でまたそのインフレ率をコントロールするというふうに市場参加者がみなしますと、なかなかインフレ率は上がっていきにくいと。

つまり、彼は、突然ハイパーインフレになるか、あるいは全くインフレ率は上がらないかのどちらかだと言っている。だから国債の大量購入はしないと言うのだ。この表現だと、インフレが制御できないと言っている。つまり、白川氏には日銀の使命である物価の安定という職務を遂行する能力がないと言っている。

物価を安定させる能力が無いというのであれば、彼は日銀総裁の職務を遂行する能力が無いということを認めることであり、直ちに辞職すべきである。

しかし、その後でインフレになればしっかり(物価を安定させるという)職務を遂行するとも言っている。支離滅裂だ。彼の発言は経済学の全否定でもある。日銀が国債を購入したときの影響がハイパーインフレか、もしくは効果が全くないかのどちらかだと、要するに経済学は全く予測能力を持たないと言っている。経済学を全否定する人に日銀総裁を任せて良いわけがない。

国債の大量購入でハイパーインフレになった例があるかとの質問でギリシャの金利が急騰した例を出している。これも見当違いの甚だしい。次にギリシャのインフレ率を示すがハイパーインフレどころか、年率0~5%の穏やかなインフレ率だ。

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白川氏は、日銀が国債を大量に買ったとき、ハイパーインフレになる可能性があるというのであれば、その理由を説明すべきだ。
①突然、米の値段が100倍になるのだろうか。可処分所得が変わらず、100倍にもなった米を誰が買うのか。すぐに輸入米が入ってくるのを知らないのか。
②それとも、突然給料が100倍になるのか。どこの会社がそんな給料が払えるのか。安い給料でも働くという人はいくらでもいるのに。日本は儲からない赤字企業が大部分なのに、突然そんな給料を払い始めるわけがない。
③それとも、一挙に消費が伸びて、物不足になるとでもいうのか。日銀が国債を買ったくらいで庶民にお金がすぐに渡るわけでもないし、ある程度渡ったとしてもその金で物不足になるほど、国民が物を買いまくるだろうか。そんなに日本の生産能力は低いと思っているのか。テレビ、洗濯機、車、本、新聞、米、野菜等を考えても、どの店でも売り切れで1ヶ月待たないと買えない状態になるだろうか。そうでもないとハイパーインフレにはならないのだが。

「インフレ率が少し上がった段階でまたそのインフレ率をコントロールするというふうに市場参加者がみなしますと、なかなかインフレ率は上がらない。」という発言もひどい。彼の頭にはハイパーインフレとデフレしか無いのだろうか。それなら日銀総裁はお辞めなさいと言いたい。

しかし「インフレ率が少し上がった段階」を考えているのだから、インフレ率は少しは上がると認めているのだ。その段階で「またそのインフレ率をコントロールするというふうに市場参加者がみなしますと」という仮定をしている。例えばインフレ率が0.5%になった段階で、金融引き締めに移るとまたデフレに逆戻りするのは当たり前だ。しかし、インフレ目標を例えば2~3%と定め、インフレ率がその範囲に入るまでは金融引き締めをやらないと宣言すれば、逆戻りはあり得ない。

このように考えると、日銀が国債を買わない理由は全くない。買いすぎると、買った国債の処分に困るといった意味の発言があるが、そんな事を知らないで日銀総裁をやっているのだろうか。将来、インフレが進んで引き締めが必要になったときに、売ればよいだけだ。償還期限があるのだから、通常の状態に戻れば日銀保有残高は自然に減っていく。

白川氏の発言を要約すると、次のようになる。
①日銀が、国債を大量に買えば少しインフレになる。つまりデフレ脱却の第一歩になる。
②しかし、そこで金融引き締めをやれば、またデフレになる。
③少しインフレになった時点で、金融引き締めをする以外の選択肢を考えたことはない。
④日銀の国債大量購入でハイパーインフレになるかもしれない。
⑤インフレになれば(インフレを抑えるという)日銀の職務をしっかり遂行する。バーナンキはインフレはしっかり対処できると自信満々ということだが、自分も同様に職務を遂行する覚悟はある。

白川氏は人口減少がデフレの一因であり、それを止めないとデフレは止まらないと言っている。彼は国勢調査のデータを見てないのだろうか。
1995年 12557万人
2000年 12693万人
2005年 12777万人
2010年 12806万人
となっており、人口は増え続けている。外国から人が入ってきて人口が増加している。「人口減少」とは、何を寝ぼけているのだろうか。
○生産年齢人口が減ったから生産力が落ちてデフレになった??
→ それはあり得ない。生産力が落ちて物不足になればインフレになる。
○生産年齢人口の割合が減ったから消費が減ってデフレになった??
→ 政府・日銀が何もしなければ、そのような問題も起こりうる。日銀だけでハイパーインフレを起こすことができると白川氏は豪語しているのだから、2~3%のインフレ率くらい朝飯前だろう。

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コメント

白川氏の答弁は前々から矛盾があると感じていました。
金融のみの観点で実体経済の生産供給力を考慮していない。
インフレには戦争等の生産供給力の破壊か、
若しくは海外資源の大幅な値上げが不可欠だ。
これら無くして簡単にハイパーインフレを発生させることが出来るのだろうか ?
直接白川氏に聞いてみたいものだ !
若しくは、これらが発生してインフレになったとしても日銀を責められるのだろうか ?
根拠無き恐怖心のみで正しい政策を行わないのなら我々一般人と変わりない。
専門家でも何でもない。
単なるゼーキンドロボーだ。

投稿: inadak | 2011年3月12日 (土) 18時15分

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