不信任案こそが政治空白を止める手段であって欲しい(No.77)
本日、内閣不信任案が出されるそうだ。日本経済復活の会は倒閣運動をしているわけではないのだが、現在の政治情勢を見ると、長い間事実上政治空白が続いており、震災復興も日本経済の復興も全く進みそうもない。今こそ国として意志決定がすみやかにできる状況にして戻して欲しいと願うものである。
現在の状態を放置してよいのか。ねじれ現象のため、特例公債発行法案が通らない。そのため、予算が執行できない。もちろん、第二次補正予算を成立させることも不可能。震災復興のためのシステム構築もできない。ということなら、現政権は、権力を持たない実を伴わない政権ということになる。野党が協力すればよいだけだと主張する人がいるかもしれない。しかし直近の民意という言葉を野党時代から民主党は盛んに主張してきた。直近の民意と言えば昨年の7月の参議院議員選挙であり、現与党は過半数を失った。そうなると現政権は民意を反映していないということになる。民意を反映していない政府には協力しなくてよくて、ひたすら政権交代を求めてよいのだというのが民主党の考えだったはずだ。
そういった、考えが間違いであり、例え民意を反映していない政府であっても野党は国民生活の事を第一に考えなければならないと、民主党が考えを改めるのであれば、大変喜ばしいことだ。直ぐに野党と協議に入ると良い。近く行われるであろう総選挙の後には、どちらが勝とうと、「政権交代のためには手段を選ばない」という態度を改め、国民生活を第一に考え、野党も与党に協力して政策協議を行うという紳士協定を結べばよい。そうすれば、つまらない揚げ足取りだけの国会論戦は無くなるだろうし、日本経済復活、震災復興に大きく前進が可能となる。
日本に必要なのは、5カ年計画とか、10カ年計画とかの長期ビジョンだ。八ッ場ダムのように政権が代わる度に建設が中止・再開が繰り返されてはたまらない。年金問題、原発や自然エネルギーをどうするかという問題等、米軍基地の問題など、国家の基本となる長期ビジョンを与野党で協議して決めるべきだ。
菅内閣が震災対応が遅いと責めるのは簡単なことだが、この内閣に法案を決定する権限を事実上与えていないのだから、何も出来ないのは当たり前だ。半無政府状態と言うべきだし、現状が政治空白の状態にあるというべきかもしれない。そうであれば、一刻も早く政界再編なり、総選挙なりしてきちんと法案成立の権限を有する政府の実現を目指すべきであり、それにより事実上の政治空白を無くする努力をすることが求められる。
国会議員の最も議論して欲しい事は、財源問題である。「増税によらない復興財源を求める会」という議員連盟に与野党から200名近く集まったわけだから、「復興資金は日銀から引き出す」べきではないかという事を徹底的に議論すべき時が来ている。これが、日本経済の復活のための最重要事項であるにも拘わらず、今までほとんど議論されていなかった。少なくともテレビで、これを行った場合の影響について深く掘り下げた議論は皆無であった。最も重要な事項を封印しているから日本経済はいつまで経っても復活しない。マスコミよ、国会議員よ、これをタブー視せず、真正面から議論せよと言いたい。今からでも遅くない。日本経済を復活させるチャンスはある。
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コメント
国会議員800人のうち200人まだ足りないですね。こんなこといったらなんですけど、今とにかく積極財政(お金をじゃぶじゃぶ使いたい人)を起用し、小沢・鳩山を取り込んだらいかがでしょうか?かつての政治家の利権にかかる公共工事。これをやりたい人を使って国債引き受け者を増やしませんか?もう格好いいことは言ってられませんよ。
このまま無策では増税ですよ。かつての自民党体質でじゃぶじゃぶとお金を使うことが必要です。下世話な話題ですが、もしいい意見があればブログしてください。
投稿: | 2011年6月 2日 (木) 20時03分
増税によらない・・・・
ここまでは当たり前だろうに。
国債でお金を集めてきてさえ不景気続き。
これで増税でお金を集めてどうにかしようというチャレンジ精神が理解できん。
普通に国債発行か、それとも日銀引受か、話し合うとすればここからのはず。
どれだけ周回遅れの人がいるのやら。
個人的には、早く話がまとまりそうなほうで良いと思っています。
一度日銀にガツンとくらわしておく、というも魅力的ですが、とっととお金を集めないといけない状況です。
投稿: | 2011年6月 2日 (木) 21時42分