日本のGDPは461兆円にまで下がった(No.98)
誰も言わないし、マスコミも報道しないのだが、つい最近まで500兆円を超えていると思っていた日本のGDPは、遂に461兆円まで下がってしまった。
出所:内閣府
もともと、自民党時代の悪政のお陰で長年経済は停滞を続けた上、リーマンショックでGDPは大きく下がっていた。それでも麻生政権では強力な景気対策でGDPは上昇の気配はあった。しかし民主党政権ではその景気対策を止め、事業仕分けで次々と歳出削減を行ったため、GDPは再び急降下を始めてしまった。その結果2008年には520兆円近くにまでに達していたGDPは、何と461兆円にまで落ち込んでしまった。国の借金が増えていることに、日本中がため息をついているが、1000兆円の借金があっても、GDPが520兆円なら借金のGDP比は192%であるのに対し、GDPが461兆円ならGDP比は217%となる。何と25ポイントつまり11%もの違いがあるのだ。1000兆円の11%と言えば110兆円になる。デフレでGDPを11%減らしたということは、借金を110兆円増やしたことに相当するということ。110兆円の景気対策をやっていたら、今頃はGDPは600兆円を超していて、借金のGDP比は大きく下がっていた。
民主党の『新成長戦略』では、毎年3%成長を実現して、2020年までにGDPを650兆円にするというものだった。500兆円の3%は15兆円であり、約束通りなら、2年でこのグラフの上限を突破するはずだった。ところが実際はこの下限を割るほどの急激がGDPの落ち込みだ。これから震災の復興需要が期待できるものの、増税案が次々と出されており、消費マインド、経営者マインドを一気に冷やすのは悪材料だ。
それだけではない。ギリシャ等の欧州ソブリンリスクの高まりが金融危機に発展する可能性もある。アメリカも景気回復が遅れているのに、財政出動が議会の反対でできない。更に中国もインフレ率が高まり、景気刺激ができない。デフレに悩む日本こそが、大規模な景気対策を行えば、世界が大不況に陥るのを救える可能性もあるし、しかも日本の経済は急成長し、デフレ脱却、需要拡大、経済は活性化し、しかも国の借金のGDPも減らすことができるのだからこんなに素晴らしいことはない。しかし、民主党の緊縮財政政策は日本をどん底に突き落とす。次のグラフは2011年の予想実質経済成長率だ。こんなときに増税で更に成長率を下げようと言っている人の気が知れない。
経済政策が成功し景気がよくなれば、株も上がる。株価の変動で、各政権の経済政策の評価ができる。朝日新聞よりその比較を引用する。
過去14内閣で株を上げたのは4政権のみだ。そのうち安倍、小泉政権は世界経済が30年間で最も良い状態にあると言われた時期であり、貿易は約2倍に拡大しており、大変な追い風が吹いていた。それを考慮すると、このような僅かな上昇はむしろ失敗というべきだ。そういった中で、小渕政権だけは、株価を大きく押し上げていて、大成功と言える。もちろん、それはしっかり景気対策を行った成果であり、高く評価すべきである。小渕政策を続けていたら、日本経済は急拡大をし、国の借金の問題は自然消滅していただろう。小渕政権の経済政策を踏襲する政権の誕生が待たれる。
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コメント
今晩は。higashiyamato1979でございます。成長することをないがしろにする今の日本には暗澹とさせられます。しかし、裏を返せばこの最悪期を乗り切ることができれば後は簡単に日本は正常化するということでもあります。「たかじんnoマネー」に三橋氏が御出演されました。増田氏の仰る様に「(東京と大阪の)双発エンジン全開の日本経済の再加速まであと一息」です。
それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!
投稿: higashiyamato1979 | 2011年9月20日 (火) 20時13分
増税より前に政府保有株の売却をーー財務官僚が嫌う「郵政株売却」に踏み込んだ野田首相の答弁を支持する
官僚の作文を棒読みの安住財務相とは一線
2011年09月20日(火) 町田 徹
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/20094
↑
またまたこんな馬鹿記事がトホホ
町田 徹=要注意人物
郵政株売却は国際金融資本家にとって、
小泉時代からの、NO1のターゲット(獲物)ですからね!
野田首相、売国路線まっしぐら!
投稿: | 2011年9月20日 (火) 20時33分
円高、デフレは、
増税でも、国家資産の売却でもなく、
円発行で財政出動し、景気雇用改善が出来る、
最高、最大のチャンス!
政府貨幣発行権
↓↓↓
http://www.youtube.com/user/hosizorajp?feature=mhum#p/c/8041E95EC625633E/4/aPMGS2V3dHw
投稿: | 2011年9月20日 (火) 21時16分
再度(以前2011年2月 4日 (金) 19時37分のコメントと同様)
日本は、かつてのブラジル、ロシア、のように自国の通貨安
インフレとはまったく正反対の、自国の通貨高(円高)でデフレであるので、
円の大量貨幣発行で財政出動が出来る最高のチャンスの時である。
かつてのブラジル、ロシアの通貨発行の状態をみかんに例えれば、
みかんが大豊作で価格が暴落している時に、
みかんをどんどん出荷して大暴落を引き起こしたようなものである。
(止むを得ずの対応ではあったであろうが)
日本の円高の現況をみかんに例えれば、
みかんが不作で品薄で価格が高騰しているようなものである。
みかんをどんどん市場に出荷出来る(円を大量貨幣発行で財政出動出来る)
最大のチャンスの時なのである。
経常黒字の時にこそ出来る事であり、
空洞化等で経常赤字になってしまい、
日本が万一衰退してしまってからでは手遅れである。
(日本乗っ取りの為、これを国際金融資本家は狙っているのかもしれない?)
円高でデフレの今は、
円の大量貨幣発行で財政出動が出来る最高のチャンスの時なのである。
(理想は政府貨幣)
反対している財務省、日銀はなんなのであろう、
超エリート集団の財務省官僚及び日銀全員がインテリ馬鹿とは到底思えない。
財務省官僚及び日銀の中枢に、解っている、確信犯の売国奴(国際金融資本家の手先)がいるように思えてならない。
そのような者がいないとすれば、本当のインテリ馬鹿集団という事なのであろうか?
是非、政治家のリーダーシップを発揮してもらいたいところですが・・・
投稿: | 2011年9月20日 (火) 21時44分
>増税より前に政府保有株の売却をーー財務官僚が嫌う「郵政株売却」・・・
なんと愚かな、円発行で財源は十分可能にも拘らず、
虎の子の国有資産を自ら売却とはとんでもない!
IMFの催促の債務国とは訳が違うだろ!
↓↓↓
http://www.youtube.com/user/hosizorajp?gl=JP#p/f/12/aj68kLTXAnw
投稿: | 2011年9月21日 (水) 17時41分