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2012年1月24日 (火)

基礎的財政収支、これで9回目の政府のウソ(No.107)

政府の経済財政に関する中長期試算がまとまったと発表された。内閣府に電話して聞いたところでは、まだマスコミ向けの発表であり、まだまとめている最中で、今月中にはホームページで詳細を発表するのだそうだ。

結果はもう分かっている。消費税を10%にしても2020年度基礎的財政収支を黒字化できない。黒字化のためには、なんと17%にまで増税が必要なのだそうだ。私がざっと数えただけで、2006年から数えてこれが9回目のウソだ。よくもまあ、ここまで日本国民は騙され続るもんだと感心する。それでも政府発表を信じている。オオカミ少年は3回目で、もう誰にも信じてもらえなくなった。是非、頭を冷やして過去の政府発表を思い出して頂きたい。

第1回~第4回までは2011年度基礎的財政収支(PB)黒字化の条件に関するウソだ。
変わっていく政府の発表(大本営発表)を一覧にしたので、是非笑って欲しい。第7回目からは、ウソが自民党政権から民主党政権に引き継がれている。官僚の作文は政権交代しても変わらない。

第1回目のウソ 2006年7月 小泉政権末期に2011年度PBの黒字化を宣言
第2回目のウソ 2007年1月 第1回の宣言はウソでした。 14.3兆円削減なら0.2%黒字 になります。
第3回目のウソ 2008年1月 第2回も宣言もウソでした。 14.3兆円の削減を行っても0.1%赤字になります。
第4回目のウソ 2008年7月 第3回の宣言もウソでした。  14.3兆円の削減を行っても0.7%赤字になります。
第5回目のウソ 2009年1月 第4回の宣言もウソでした。 2011年度黒字化はできません。消費税を12%にして2020年に黒字化を実現します。
第6回目のウソ 2009年6月 第5回の宣言もウソでした。 2020年に黒字化す
るには消費税を13%にしなければなりません。
第7回目のウソ 2010年6月 2020年に黒字化する。 
第8回目のウソ 2011年1月 第7回の宣言もウソでした。2020年に黒字化する
にはGDP比で4.6ポイント(約22兆円)程度収支の改善が必要となります。
第9回目のウソ 2012年1月 第8回の宣言もウソでした。 2020年にPBを黒
字化するには消費税は17%にしなければなりません。 

今回発表された第9回目のウソを、あなたはまだ信じますか。間違いなく言えることは、現在の緊縮財政が続く限り、「昨年発表した宣言はウソでした」と毎年言い続けるということだ。また、今回の発表で明らかになったことは、消費税増税分は、社会保障費に使うのでなく、赤字補填に使うということだ。そうでなければ「2020年にPBを黒字化するには消費税は17%にしなければなりません。」などと言うわけがない。ポロリと本音が出てしまった。

社会保障財源などと国民を騙しやすい名目で増税をしようとしているが、じつは赤字を減らし国の借金を返したいということだ。しかし、消費税増税で絶対に国の借金の1000兆円は返せないということは、政府の試算でも示されているし、我々を含む様々なシンクタンクの計量モデルによる試算でも示されている。

デフレの時増税すれば、デフレは悪化し、国民は貧乏になるから、物が買えなくなる。企業にとっては物が売れなくなる。失業者が増え、企業は競争力を失う。国民を貧乏にしておいて、1000兆円もの借金を返せというのは無理だ。お金は日銀に眠っている。それを有効活用し、国民を豊かにすれば、財政健全化が可能になる。

これら9回のウソは、すべて増税・歳出削減の口実にされていることに注目していただきたい。借金よりはるかに多い日銀資金は使われないで眠っている。なぜ使わないのか、何の説明もない。

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コメント

国債本位制で紙幣を発行している現在では、財政赤字がそっくり経済成長に転化するのですよね?
財政のプライマリーバランスは全く無意味ではないのか?
国民経済全体の債権・債務は政府・企業・家計の三者で必ず相殺されますから、財政が「プライマリーバランスをとれる」と考えること自体がおかしなことなのではないか?
そのように思えてきました。

投稿: S | 2012年1月24日 (火) 16時59分

 こんばんは。higashiyamato1979でございます。遅ればせながら明けましておめでとうございます。さて、本エントリーを呼んで改めて財務省の悪辣さには反吐が出ます。消費税増税、断固阻止!
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい!労働はロボットに!人間は貴族に! 

投稿: higashiyamato1979 | 2012年1月24日 (火) 18時44分

インフレ率が高く景気が過熱しているような国では、財政赤字はインフレを加速するだけで、余り意味がありません。日本のようにデフレギャップが大きい国では、財政赤字がそっくり経済成長に転化するという表現も正当性を帯びてきます。実際、計量モデルで計算しても、そうなりますから。

投稿: 小野盛司 | 2012年1月24日 (火) 21時10分

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