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2012年2月21日 (火)

制御不能のインフレになれば、GDPは急拡大し、国の借金は消える(No.110)

衰退を続ける日本経済、1997年には521兆円あったGDPは、経済政策の失敗のお陰で2011年には470兆円にまで減り、これからも下落は続く。増税がそれに拍車をかけ、国がどんどん貧乏になっていく。豊かな日本を貧乏にして次の世代に渡すことに自責の念は無いのか。一挙にデフレを止め、GDPを急拡大する方法はある。それは大規模な経済対策をすることだ。例えば電力不足対応や震災復興、除染、医療、福祉、教育等、いくらでもやるべき政府の仕事はある。

それをやれば、制御不能のインフレになるというのが、我々の主張に対する反対意見だ。給料が減っているときにインフレになったら生活できないという意見が朝日新聞に投稿された。インフレに対する誤解が甚だしい。2000年にノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツが来日したとき、日本の経済学者が「需要が伸びないままでインフレになる」と信じていることに驚いていた。日本の経済学者はインフレの意味を理解していない。

所得が伸びないまま、日銀の国債引受等をきっかけに円の信認が失われ制御不能のインフレになったらどうなるか。日銀引き受けの翌日スーパーに行ってみたら、値段が全部100倍になっていたらどうするか。何も買えずに引き返すだけだ。結局、値段を元に戻したスーパーだけが生き残り、それ以外のスーパーは潰れてしまう。モノ余りの時代、円の信認が落ちようと落ちまいと、値上げという選択肢は無い。

インフレになるのは、需要が伸び、モノ不足、人手不足になったときだ。実際、大震災の後、被災地のがれき処理や建築ラッシュのため建築関係等で人手不足になり人件費が値上がりし、更に建築用資材も不足し値段が上がっている。一方で日本全体ではモノ余りでデフレが続くというアンバランスな形となっている。日本の中で、ごく一部の人だけにカネが流れ込み、東北の繁華街は大繁盛だが、他は疲弊している。インフレ目標とは、日本全体にカネを流し、そのカネを使ってもらって需要を引き出し、経済全体を活性化し、その結果全体の物価をゆるやかに上昇させようとするもの。日銀からおカネを引き出して、逆に国民が貧乏になることは絶対にない。

日銀が10兆円の国債を買ったときの影響については、その影響の予測は聞いたことがない。しかし、もしそこで日銀から出て行った10兆円のカネを、政府が使った場合の影響については、内閣府による計算がある。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/ef2rrrr-summary.pdf
例えば、公共投資に10兆円使った場合は、物価を0.14%押し上げる。所得税減税に使ったら押し上げ効果は0.06%だ。つまり国民1人当たり8万円を配って、やっと0.06%の物価上昇だから単純計算で1%のインフレ率を目指すなら1人当たり130万円配らなければならない。130万円ももらえるなら、1%のインフレは我慢できるのではないか。今、日本はモノ余りの状態で、おカネが配られれば、余っているモノが国民に分配される。それだけのこと。なぜ国民はそれを受け入れないのだろう。ましてや政府は増税を行い、モノ余りに拍車をかけようとしている。おカネはモノを分配する手段。おカネを日銀から引き出したからといって、これは借金ではなく、将来返さなければならないというわけではない。将来モノ不足になったら、増税で調整することもできる。

以下に可処分所得の上昇率とインフレ率の比較をしたグラフを示す。経済が成長していた頃は可処分所得のほうが物価より増加率が大きかった。

                         出所:内閣府、総務省

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つまり、給料のほうが物価より大きく増えるから、だんだんモノを多く買えるようになり、豊かになってきた。しかし、デフレになってから、その差が無くなった。一刻も早くデフレから脱却し、豊かな日本に戻したほうがよい。

上記で説明したおうに、かなり巨額のカネを国民に配ったところで、なかなか物価は上がらない。しかし心配症な人はいる。制御不能なインフレになったらどうするのか。ある日スーパーに行ったらすべての値段が100倍になっていたが、それでもそのスーパーは以前のように営業を続けることができたとしよう。それは取引が100倍になったことを意味し、日本全体で見ればGDPは100倍になったのだ。国の借金は変わらないから、国の借金のGDP比は100分の1になったことになり、そんな素晴らしいことはない。誰もが以前を同じように買い物ができるのであれば、収入も100倍になったのであり、実質的に所得は同じままだ。しかも制御不能のインフレということであれば、国はいくらでも増税ができるからいくらでも財政を改善できるし、年金財政の将来不安も消える。モノ余りの時代に制御不能のインフレが起きたら(起きるわけないのだが)それは夢の世界ではないか。

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コメント

インフレになれば生活に困るという論を張る方は、労働も商品であることを忘れているか、わざと忘れさせようとしているのでしょう。
景気対策を求めると同時に労働運動を強化(労働分配率の上昇)も働きかけなければ、日本経済の復活は難しいのではないかと思います。
生産性は一人当たりGDPと同じことですが、国内格差を大きくしたままでいれば国内の効率は悪いままでしょう。
上を抑えて下を引き上げ、中産階級を復活させることが日本経済復活の肝ではないかと愚行します。

投稿: S | 2012年2月22日 (水) 11時57分

以前、復活の会にも来られた藤井聡教授の、本日、参議院での発表が話題となっているみたいです。ご覧になることをオススメします。(携帯からなので、リンクが貼れなくて、すみません。)
デフレが無く、正しい経済政策が行われていたならば、今頃、日本人の平均所得は1千万円近くはいっていたことでしょう。

投稿: MI | 2012年2月22日 (水) 22時53分

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