« 2012年1月 | トップページ | 2012年3月 »

2012年2月

2012年2月23日 (木)

政府は消費税増税で景気が悪くなればよいと思っている!内閣府に電話して確認。(No.111)

内閣府の発表した「経済財政の中長期試算」の内容は欺瞞的だ。電話して、内容を問いただしたが、検討して後で答えると言って電話が切られ、電話が掛かってもない。昨日、再び電話して解答を催促したが効果無し。本日再度電話で聞いた。びっくりする答えが返ってきた。

要するに、この内閣府の試算は、「消費税増税をしても、景気は悪くならないし、GDPは超特急で伸びる。税収は増え、国債費は減る」という内容。よくもまあ、こんなウソを発表できるものだと思う。なぜ、国債費(国の借金の利払い等)が減るのかと聞いてみた。答えは「消費税増税をすれば、景気が悪くなり、金利が下がり国債費が減る」ということだった。やはり、野田内閣は増税で景気を更に悪化させたいのだ。どんなに国民を犠牲にしも財政を改善したいということ。

あの試算を見れば、一見GDPは下がらず、景気が悪くならないように見える。しかし、それには裏がある。消費税増税を言う一方で、社会保障費を増やし、実質GDPだけは下がらないようにしている。消費税増税幅を発表しながら、社会保障費をどれだけ上積ずみするかは隠す。これだけ社会保障費が増えている時に、更に社会保障費を上積みする必要があるのだろうか。その上積み資金の捻出のための消費税増税であれば、我々ははっきりNOと言うべきだろう。

しかし、消費税増税はそんな目的だと我々は聞かされていない。増税が無いと社会保障制度が維持できないと聞かされてきた。しかし、今回の試算では増税分は社会保障制度の維持に使うのでなく、社会保障費の上積み分に使うのであるから、社会保障制度維持には使われない。本当に社会保障費に維持に使われるとしたら、上積み分が無くなり、景気は大幅に悪化する。どれだけ景気が悪化するかは内閣府の別の発表がある。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/ef2rrrr-summary.pdf
それによれば、実質GDPは1.5兆円下がり、消費は3.1%減少、消費税が物価に上乗せされるので、物価は3.9%上昇、可処分所得は1.4%減少する。更に恐いのは、デフレで長期下落傾向にある日本経済にこれが追い打ちをかけることだ。1997年には521兆円あった日本のGDPだが、14年後の2011年には470兆円まで落ち込み、下落は止まっていない。所得も減る一方の時に大増税により、日本経済は悲惨なことになる。これ以上貧乏になれば、年金制度維持や1000兆円の国の借金など夢のまた夢となる。

橋本内閣の消費税増税では、景気が悪くなり結局税収は減った。アジア通貨危機のせいだという意見もあるが、通貨危機が去った後、世界は30年に一度と言われるほどの好況になったが、それでも税収は回復しなかった。内閣府に電話してこのことに関する見解を聞いたが、その答えは、景気が悪くなり減税をしたからだそうだ。景気が悪くなっても更に増税をすべきだったと言いたいのだろう。国民の苦しみが分からないようだ。橋本内閣の増税で景気が悪化して税収が落ちれば、さらに増税をすればよいのだと考えている。こんな内閣、許しておけない。

お金が無ければ刷りなさい。何を躊躇しているのか。日銀もお金を刷って国債を買うと言っている。今度はその金を政府が使う時だ。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2012年2月21日 (火)

制御不能のインフレになれば、GDPは急拡大し、国の借金は消える(No.110)

衰退を続ける日本経済、1997年には521兆円あったGDPは、経済政策の失敗のお陰で2011年には470兆円にまで減り、これからも下落は続く。増税がそれに拍車をかけ、国がどんどん貧乏になっていく。豊かな日本を貧乏にして次の世代に渡すことに自責の念は無いのか。一挙にデフレを止め、GDPを急拡大する方法はある。それは大規模な経済対策をすることだ。例えば電力不足対応や震災復興、除染、医療、福祉、教育等、いくらでもやるべき政府の仕事はある。

それをやれば、制御不能のインフレになるというのが、我々の主張に対する反対意見だ。給料が減っているときにインフレになったら生活できないという意見が朝日新聞に投稿された。インフレに対する誤解が甚だしい。2000年にノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツが来日したとき、日本の経済学者が「需要が伸びないままでインフレになる」と信じていることに驚いていた。日本の経済学者はインフレの意味を理解していない。

所得が伸びないまま、日銀の国債引受等をきっかけに円の信認が失われ制御不能のインフレになったらどうなるか。日銀引き受けの翌日スーパーに行ってみたら、値段が全部100倍になっていたらどうするか。何も買えずに引き返すだけだ。結局、値段を元に戻したスーパーだけが生き残り、それ以外のスーパーは潰れてしまう。モノ余りの時代、円の信認が落ちようと落ちまいと、値上げという選択肢は無い。

インフレになるのは、需要が伸び、モノ不足、人手不足になったときだ。実際、大震災の後、被災地のがれき処理や建築ラッシュのため建築関係等で人手不足になり人件費が値上がりし、更に建築用資材も不足し値段が上がっている。一方で日本全体ではモノ余りでデフレが続くというアンバランスな形となっている。日本の中で、ごく一部の人だけにカネが流れ込み、東北の繁華街は大繁盛だが、他は疲弊している。インフレ目標とは、日本全体にカネを流し、そのカネを使ってもらって需要を引き出し、経済全体を活性化し、その結果全体の物価をゆるやかに上昇させようとするもの。日銀からおカネを引き出して、逆に国民が貧乏になることは絶対にない。

日銀が10兆円の国債を買ったときの影響については、その影響の予測は聞いたことがない。しかし、もしそこで日銀から出て行った10兆円のカネを、政府が使った場合の影響については、内閣府による計算がある。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/ef2rrrr-summary.pdf
例えば、公共投資に10兆円使った場合は、物価を0.14%押し上げる。所得税減税に使ったら押し上げ効果は0.06%だ。つまり国民1人当たり8万円を配って、やっと0.06%の物価上昇だから単純計算で1%のインフレ率を目指すなら1人当たり130万円配らなければならない。130万円ももらえるなら、1%のインフレは我慢できるのではないか。今、日本はモノ余りの状態で、おカネが配られれば、余っているモノが国民に分配される。それだけのこと。なぜ国民はそれを受け入れないのだろう。ましてや政府は増税を行い、モノ余りに拍車をかけようとしている。おカネはモノを分配する手段。おカネを日銀から引き出したからといって、これは借金ではなく、将来返さなければならないというわけではない。将来モノ不足になったら、増税で調整することもできる。

以下に可処分所得の上昇率とインフレ率の比較をしたグラフを示す。経済が成長していた頃は可処分所得のほうが物価より増加率が大きかった。

                         出所:内閣府、総務省

1101

つまり、給料のほうが物価より大きく増えるから、だんだんモノを多く買えるようになり、豊かになってきた。しかし、デフレになってから、その差が無くなった。一刻も早くデフレから脱却し、豊かな日本に戻したほうがよい。

上記で説明したおうに、かなり巨額のカネを国民に配ったところで、なかなか物価は上がらない。しかし心配症な人はいる。制御不能なインフレになったらどうするのか。ある日スーパーに行ったらすべての値段が100倍になっていたが、それでもそのスーパーは以前のように営業を続けることができたとしよう。それは取引が100倍になったことを意味し、日本全体で見ればGDPは100倍になったのだ。国の借金は変わらないから、国の借金のGDP比は100分の1になったことになり、そんな素晴らしいことはない。誰もが以前を同じように買い物ができるのであれば、収入も100倍になったのであり、実質的に所得は同じままだ。しかも制御不能のインフレということであれば、国はいくらでも増税ができるからいくらでも財政を改善できるし、年金財政の将来不安も消える。モノ余りの時代に制御不能のインフレが起きたら(起きるわけないのだが)それは夢の世界ではないか。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2012年1月 | トップページ | 2012年3月 »