物価の安定ができないと宣言した白川日銀総裁を解任せよ(No.116)
日本銀行の白川総裁は4月21日、米ワシントンで講演し、「中央銀行の膨大な通貨供給の帰結は、歴史の教えにしたがえば制御不能なインフレになる」と述べた。日銀の役割は物価の安定であり、自分はインフレを制御できないと認めた白川氏には、日銀総裁の資質に欠くのは明らかだ。これはジェット機の操縦ができない人にジェット機の機長をやらせるようなもので、危険極まりない。
白川氏の発言は、昭和恐慌時の高橋是清が日銀の国債引受で経済を立て直したが、それが結果的に戦後のハイパーインフレを引き起こしたと言いたいのだろう。しかし、高橋財政は日本を昭和恐慌から立て直した。世界大恐慌から日本は世界最速で経済を立て直し、世界的に高く評価されている。物価も以下のグラフに示すように、ちゃんと制御できている。
高橋財政の間は、インフレ率が高まると日銀が引き受けた国債を売り出してインフレを制御したし、ちゃんとインフレを制御できていた。1936年の226事件で高橋是清は暗殺され、それに続いた馬場鍈一財政では通貨の乱発で軍備強化に走り第二次世界大戦へと突入していった。ハイパーインフレになったのは、敗戦で国土が焼け野原になり、生産力が激減し、物不足になったからであり、こういった事が現在の日本で起きると白川氏が考えているとしたら、時代錯誤も甚だしい。
世界大恐慌の後、世界各国が大規模な景気対策を行ったが、ハイパーインフレに陥った国は無い。ハイパーインフレになるには、次の3つの条件が必要だ。
① 極度の物不足
② 外貨不足で輸入できない
③ 国が通貨を過度に増発する
白川氏が、現在の日本でこの3条件が整うと思っているのであれば、全く見当外れである。インフレの制御の方法はたくさんある。
①売りオペ、
②政策金利を上げる
③預金準備率を上げる
④緊縮財政
どんな激しいインフレでも、これらの手段を駆使すれば、簡単に止まるということは歴史が証明している。ただちに日銀法を改正し、日銀総裁の資質を欠いている白川氏を解任せよ。
4月25日にはバーナンキFRB議長は、サブプライム危機からアメリカは脱却することに成功したことを高らかに宣言した。日本のような馬鹿な真似をせず、きちんと中央銀行からの資金で立て直したという。2003年に彼は来日し、5月31日に講演をしている。その詳しい内容は以下のサイトを参照して頂きたい。
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/06/post_ad64.html
バーナンキは、あの時言ったことをアメリカで実行し大成功だったし、日本もあの時自分が言った通りにしていたら、日本経済が救われたのにと主張している。その政策とは、日銀に国債を買わせ、その資金で減税やその他の財政支出に使う。それによりGDPは増大し、税収も増え、国の借金のGDP比は減っていく。まさに我々日本経済復活の会が主張する政策と全く同じだ。バーナンキは今でも我々の考えと全く同じだ。
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