大正時代の女房一揆から学ぶ「平均給与減少でデフレ悪化の悪循環」を絶つ方法(No.133)
アベノミクスは期待するが、本当に給料は上がるのだろうか。政府は消費税増税で国民からお金を取り上げ、消費を冷やし、それを企業に渡し投資を促進しようとしている。しかし、消費が減ったら企業は設備投資などやらない。順序が逆だ。まず消費を増やす政策を行い、それで企業に設備投資を促さなければならない。
デフレが長引いている原因の一つは物価の下落以上に給料が下がっていることだろう。これでは消費が落ち込み景気は回復しない。
賃上げを要求すると解雇され会社側は別な人を雇うだろうと思っているから労働組合もストライキを打てない。小泉さんのように「痛みに耐えろ」という政治家もいて、ますます需要が落ち込み経済が縮小していく。これにくらべ、大正バブルの後に起こったデフレでは物価が下がっても給料は上がった。大正バブルに関しては以前も書いたことがあった。
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2012/10/post-08cf.html
大正3年から大正7年までの第一次世界大戦では、日本は戦場にはならなかった。逆にヨーロッパ諸国は一般商品の生産ができず、日本に軍需品や日用品の注文が殺到した。それまでヨーロッパから輸入していた東南アジアやアフリカからも日本に注文がきた。また船賃も急上昇し、日本の海運業も巨額の利益を得た。その結果、大金を稼いだにわか成金が次々と生まれた。
その成金連中が手に入れた外貨を円に替え、国内の商品を買いまくった。もちろん、そのような巨額の外貨を円に替えられるような銀行はなく、日銀が円を刷りまくって両替を行ったわけだ。成金連中がそれを使い始め、たちまち国内は物が足りなくなってインフレになった。インフレ率は大正7年からは30%を超えたが政府は「インフレは成功の報酬だ」「インフレを止めれば景気が悪くなる」として止めようとせず、設備投資を促した。また日銀も利下げをしてそれに協力した。もちろん、このお陰で重化学工業の発展もあり、日本にとってプラスの面はあった。
しかし、成金達は更にカネを稼ごうと米を買いだめしていき、庶民には米が入手困難になってきた。この原因としては三井物産や鈴木商店などの大米穀商人たちが、米の値上がりを見越して買いだめをしていった。シベリア出兵という話が伝わっており、もし出兵が決まれば米の値上がりが期待できた。買いだめのおかげで、米価は急騰し、庶民の生活を圧迫した。当時、米代は家計の実に74%もあったという。児童の中にも欠食するものが増えてきた。政府もこのような悪徳商人の取り締まりをしなかったのは、三井などの大商社や大地主が政党の地盤となっていたからである。
大正7年、富山県魚津町の婦人たち3,4人が、井戸端会議をしていたとき、行動を起こそうという話になった。近所の家々を回り仲間を集めた。これが発端となり「女房一揆」が起こった。子どもに食べさせる米もないというとき、女性達は命がけで闘った。やがて男性まで巻き込み暴動にまで発展した。当時の新聞をみれば、その激しさがわかる。
神戸大学付属図書館の資料よりいくつか引用する。
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/directory/sinbun/vlist/kome12.html
大阪全市を恐怖に陥れたとのこと。
100名の兵士が群衆に一斉射撃をしたという衝撃的な記事もある。ただし空砲とある。
戦場のごとき大混乱だそうだ。それにしては扱いが小さい。言論統制の下で、これだけしか書けなかったのだろう。
米騒動で市民23万人も集まったそう。これも警察発表だから実際はもっと多かったのだろう。
こちらは死者12名とある。
米一揆だけでなく、労働組合も強かった。結果として、物価の上昇率より賃金の上昇率のほうが大きかった。ただし、第一次世界大戦中は物価のほうが賃金以上に上がっていて、国民の活動が激しくなってきてから、それが逆転していることが分かる。1921年には物価は下がっているのに賃金は上がっている。もしも国民の活動がなかったら、富は少数の財閥に集中し、日本の発展を阻害していたかもしれない。
現代もそういった危機にあるのではないか。政府は消費税増税で国民からお金を取り上げ、消費を冷やし、それを企業に渡し投資を促進しようとしている。これはすでに様々なエコノミストから指摘されていることだ。きちんと国民が主張しなければ、日本は格差社会になってしまう。6月15日の朝日新聞にもノーベル賞を受賞した経済学者のスティグリッツが「格差是正への配慮再分配を工夫せよ」と主張している。
多くの国民にお金を渡せば、需要は拡大し、企業に利益をもたらし、設備投資が進み国際競争力が向上する。それがデフレ脱却の王道だ。国民にお金を渡す方法は減税でも給付金でもよいし、財政を拡大する方法でもよい。教育、医療、介護、エネルギー開発、必要な公共投資等やるべき仕事はいくらでもあるだろう。
赤字が拡大しても国債は日銀が買い支えれば暴落しない。日本以外のどこの国でも容認している程度のインフレは、日本も受け入れれば良い。アベノミクスで景気はよくなりつつあると思っている人もいるかもしれない。確かに、補正予算での景気対策と、消費税増税前のかけこみ需要で若干景気が上向いているように見える面もある。しかし、これも一時的なもので来年度は再び景気が後退するというシンクタンクの予測を以前に紹介した。
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/no130-7cf3.html
私は、声を大にして言いたい。黙っていては日本はよくならない。大正時代、国民を救った命がけの主婦達の活動を見習おう!消費税増税粉砕!政府は大規模減税、財政出動をせよ!全国民よ立ち上がれ!夜明けは近い!
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コメント
お晩です。higashiyamato1979です。大正期はデフレなのに賃金が上昇した・・・これは意外かつ重要な事実です。マスゴミ的な言い回しで恐縮ですがこの事実にこそ現代日本が抱えるデフレと格差社会解消の鍵が眠っていると感じました。
それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!
投稿: | 2013年7月 6日 (土) 18時28分
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投稿: b | 2013年7月 9日 (火) 00時56分
大正時代の女房一揆から学ぶ「平均給与減少でデフレ悪化の悪循環」を絶つ方法(No.133): 日本経済復活の会
投稿: 水着 大きいサイズ ビキニ | 2013年7月13日 (土) 06時38分