OECDとIMFが予測の誤りを反省、内閣府も反省せよ(No.151)
過去の過ちを反省しなければ、進歩はない。内閣府が発表してきた経済予測ははずればかりだ。OECDとIMFも過ちは犯した。しかし、彼らは反省した。次は内閣府が反省する時だ。朝日新聞の記事を引用する。
朝日新聞 2014年2月28日
OECDの反省と消費税
経済気象台
経済危機で自分たちは何を間違えたのか―――。
2月11日に経済協力開発機構(OECD)が公表したリポートが話題になっている。
「金融危機とその後のOECD経済予測 事後的評価」と題するリポートでは2007~12年、OECDの経済予測が楽観的だったことを反省し、原因として世界経済の相互依存関係の深化や危機の深刻さを軽視したことを挙げている。
国際通貨基金(IMF)も同様に、経済予測の誤りを反省し、経済危機から回復する途上で緊縮財政をとることへの悪影響を説く。今月、政府債務と経済成長率の関係を再検討する論文を発表した。
緊縮財政の是非については、昨年、米の経済学者ラインハートとロゴフ両氏の論文にミスが見つかったことをきっかけに議論が本格化した。両氏の論文は「政府債務がGDPの90%に達すると経済成長に影響する」というが、IMF論文では、債務が特定の値になると成長率が急激に低下するという関係はみられないとする。ノーベル賞受賞者ジョセフ・スティグリッツが批判したように、かつてのIMFは緊縮財政を危機への処方箋としていた。まさに隔世の感がある。
消費増税まで1カ月。行く手には暗雲が立ちこめている。GDPの内訳で好調なのは消費・非製造業だが、20日発表のロイター短観での3カ月後の見通しは、小売り・非製造業で急激に悪化している。
97年の消費税増税後の経済危機について財務省と内閣府は、増税による経済に対する負の影響は小さかったと結論付けている。そのためか政府の見通しも強気である。将来、反省が必要な時が来ないことを祈るのみである。
IMF論文
http://www.imf.org/external/pubs/cat/longres.aspx?sk=41352
ロイター短観
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/rashinban/pdf/et13_343.pdf
スティグリッツのIMHF批判『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』、徳間書店、2002年
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コメント
今晩は。higashiyamato1979です。体調不良に付、以下の一言で失礼します。
時代は変わった!
投稿: higashiyamato1979 | 2014年3月 1日 (土) 20時44分