また財務省による「大本営発表=緊縮財政のすすめ」(No.156)
2014年4月28日、マスコミがしつこく報じたことだが、これが如何に欺瞞的かをここで暴露する。まずはNHKで何と報じたかを引用する。
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「2060年度 債務残高は8000兆円余に」
財政制度等審議会は、政府が今の財政健全化目標を達成できたとしても、その後、一段の収支改善策を実行しなければ、国と地方を合わせた債務残高は、2060年度には今の6倍を超える8000兆円余りに膨らむという試算を初めて示しました。
財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会は、28日の会合で、およそ50年後の2060年を見据えた財政の長期試算を初めて示しました。
それによりますと、実質で2%程度、名目で3%程度と高めの経済成長が続き、政策に充てる経費を税収などで賄えるかを示す「基礎的財政収支」を2020年度に黒字化する今の財政健全化目標を達成できたとしても、高齢化で医療や介護といった社会保障費が増え続けることなどから、現行の制度のままでは2060年度の国と地方を合わせた債務残高は今の6倍を超える8157兆円に膨らむとしています。
この場合、GDP=国内総生産に対する債務残高の比率は、現在の1.6倍の397%にまで達することになり、財政危機の発生を防ぐためにも、債務残高の比率を速やかに下げていくことが不可欠だとしています。
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この発表の詳細を知るために、財務省主計局に電話して聞いてみたが、デタラメだと分かった!!まず、発表された論文だが、次のサイトの資料7-1と資料7-2にありました。
NHKは「この場合、GDP=国内総生産に対する債務残高の比率は、現在の1.6倍の397%にまで達することになり、財政危機の発生を防ぐためにも、債務残高の比率を速やかに下げていくことが不可欠だとしています。」と伝えている。この膨大な論文の中でこの結果はどこに書いてあるのかを財務省の担当者に聞いたところ、この論文には書いてないとの返事でした!!なんと、これは記者の質問に答えた数字であり、この論文には関係ないというのです。つまり財務省とNHKなどの記者が協力して国民を騙し、緊縮財政の必要性を訴えた報道のようです。
更に納得できないのは、この財政審の分析はEU諸国の財務状況を改善するための数式に当てはめていることで、通貨発行権を持たないEU諸国と持つ日本ではやれることは全く違います。このことを財務省の担当者に言いましたら「そうですね」との返事!!
例えばギリシャ中央銀行がギリシャ国債を無制限に購入できるでしょうか。できるならギリシャの金融危機はなかったはずです。日銀が無制限に国債を購入できるということ、財政はギリシャと違って破綻することはあり得ないことを理解していないのでしょうか。つまりギリシャは通貨発行権を持たないから夕張の赤字財政のようなものだけど、日本は通貨発行権を持つのだから、EUと同じ分析は通用しない。
国が国民からGDPの397%の借金(今で言えば2000兆円)をすることができるのか!!誰が貸しますか!これだけの借金を日銀が買ったら、さすがに大変なインフレになるけど、財政審の仮定は2060年までインフレ率は1%だって!!誰が信じますか。こんなバカな分析で緊縮財政を強要されてたまりません。
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