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2014年8月26日 (火)

国民は生活が苦しくなった、これからさらに苦しくなると感じている:内閣府調査(No.159)

先週「国民生活に関する世論調査」の結果が内閣府より公表された。結論から言えば生活は悪化していると感じ、将来更に悪くなるだろうと思っている人が増えている。「お宅の生活は、これから先どうなっていくと思いますか」という質問の回答だが、第一次石油ショックの前、1960年代終わりから1970年代の初めにかけて「よくなっていく」が30~40%、「悪くなっていく」が10%前後だった。それがバブル崩壊後には、逆転し、リーマンショックの頃最悪となった。その後アベノミクスにより若干改善していたが、今回増税のお陰で再び悪化してしまった。

具体的には
         2013年  2014年
よくなっていく  8.5%    8.9%
悪くなっていく 24.7%   26.8%
となっている。当然のことだが、生活がよくなっていくと感じる人が増えない限り、消費は増えないし、景気回復もあり得ない。

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景気がよくなったと実感として感じられるのは、将来生活が良くなると思う人の数が悪くなると思う人の数を上回るときだ。その時が来るまで、政府はひたすら景気対策を行って景気回復のためのあらゆる努力をする必要がある。このグラフをみれば、その時期が来るのはずっと先のことであり、今は増税などもっての外としか言いようが無い。

日常生活での悩みや不安を尋ねたところ、3人に2人にあたる66・7%が「感じる」と回答した。具体的には「老後の生活設計」(57・9%)が最も多かった。昨年6月の前回調査と比較すると、「老後の生活設計」が2・6ポイント増加した。政府は、消費増税を「税と社会保障の一体改革」と名付けていた。そうであれば、この改革によって国民は老後の生活設計に関する悩みが解決されなければならないはずだが、逆に悩みを増す結果となった。その意味で改革は失敗だったと言える。

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内閣府調査で「昨年と比べ、生活が向上しているかどうかの問いには、5人に1人に相当する20・9%が「低下」と答え、前回調査から4・1ポイント増加している。

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リーマンショックの時期には生活が低下していると答えた人の割合は35%近くにまで上昇していたが、その後割合は下落しつつあった。しかし、今回の増税で再び上昇に転じている。

以上まとめると、現在多くの人が生活が低下したと感じており、さらに様々な不安を抱えている。将来生活が低下すると思う人も多く、老後が心配な人も多い。このような中で消費を増やそうと努力しても無駄だ。政府のやるべきことは、国民に安心を届けること。収入も増え、これからも増え続けるだろうと思える状況を作り出さねばならぬ。さらに老後の安心も必要だ。政府は反論するかもしれない。そうしたいがお金がない。いや、お金は日銀がいっぱい刷っている。刷ったお金は金融機関に日銀当座預金として150兆円もたまっている。これを有効利用するために、政府は国債を増発しこの資金を回収し、それを財政で使って国民に渡せば良いだけだ。国債はいくらでも日銀が買ってくれる。刷ったお金は、いくら使っても無くならない。幾らでも補充できるからだ。そうすることにより、デフレから脱却でき、諸外国並の経済成長率が可能となる。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

我々の理解としては、今のところ「国債の発行=通貨の発行」と考えて良いのですよね。

投稿: S | 2014年8月27日 (水) 11時20分

 今日は。更新のペースがまた速くなりつつあるようですね。安倍政権がデフレ期の消費増税というあからさまな「公約」違反をなかなか認めようとしません。本エントリーにもあるように「失政」であることは明らかなのですが・・・、やはり元凶は無能なくせに無駄に影響力だけはデカい財務省ですね。政治家も同様な今、希望は日本経済復活の会だけです。本エントリー後半の「政府のやるべきことは、国民に安心を届けること。」「刷ったお金は、いくら使っても無くならない。幾らでも補充できるからだ。」この2つの部分には感銘を受けました。我が国における「経済」に関する言論は「歴史認識」におけるそれよりも自虐的です。このことを我々はもっとよく認識すべきです。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: higashiyamato1979 | 2014年8月27日 (水) 15時55分

なかなかこのブログの更新ができなかったのは、OKWaveで論争をやっていたからです。もし時間がありましたら、その論争をチェックしてみて下さい。膨大な量ですので読むだけで大変かもしれませんが。
http://okwave.jp/qa/q8667509.html
http://okwave.jp/qa/q8720619.html
http://okwave.jp/qa/q8577223.html
かなり計量モデルに関して突っ込んだ議論になっております。この質問コーナーで質問しているのは私です。主に答えている人は、どういう人か明かですね。本当は宍戸先生に追求してもらえば最良なのですが、相手がマナーを守らないので、ちょっと宍戸先生に対応してもらうにはタフすぎるのです。

投稿: 小野盛司 | 2014年8月27日 (水) 17時11分

>安倍政権がデフレ期の消費増税というあからさまな「公約」違反をなかなか認めようとしません。

安倍総理や財務省は
「今回は インフレ期(物価・株価・名目賃金上昇)の消費増税だから、前回のデフレ期の消費増税とは違う・・・かも」
「今回は 金融緩和→円安で外需拡大+道路等のインフラ整備の公共投資増で内需拡大をしているから、アジア通貨危機で外需減少していた前回の消費増税とは違う・・・かも」
と願っているのかもしれませんね。

でも、「インフレ期の消費増税」なら いいのか?
       ↓
今回は「インフレ期の消費増税」というより「実質可処分所得(実質賃金)が下がっている時期の、更に実質可処分所得を減らす消費増税」ではないでしょうか?
実質可処分所得が”円安インフレ”と”消費増税”のダブルパンチで減っているのですから、家計が苦しくなったと言う人が多いのは当然ですよね。


実質賃金が下がれば 増税しなくても実質可処分所得は下がり、実質可処分所得が減り続ければ 政権支持率は下がります。
地方選挙で負けが込んでも来年10月の消費増税10%を強行 → 再来年7月の参議院選挙で負け、再来年12月までに行われる総選挙でも負ける。
こうなる確率が高くなっていると思います。

それを防いで 4年を超える長期政権を実現するためには『実質賃金アップ』が必要で、
安倍総理や今回の内閣改造で留任された経済関連閣僚の方々は『実質賃金アップ』を本気で目指していると思います。
(実際、今までも 経済界へ賃上げを要求したり、全国津々浦々まで景気回復を実感してもらえるよう頑張ると言ってます)

それが『真心』であることを信じて、
日本経済復活の会が
『実質賃金(実質可処分所得)を増やし、結果的に 政府債務+家計債務の実質的重み[対 実質可処分所得比率]を減らす』という目標を提案したら、
安倍総理は乗るのではないでしょうか? 『上げ潮・成長戦略』を具体的に言い換えただけですからね。

そして、総理が 心から この『目標』に納得されたら、消費増税の延期を選択するのではないでしょうか?


内閣府と対決姿勢をとって、無視されて、消費増税→沈没を繰り返せば、泣くのは国民全体です。
なんとか内閣府と協調し(それが無理なら 内閣府を迂回して)、総理に分かっていただくまでもっていきたいな~、と私は思います。

投稿: | 2014年9月 6日 (土) 08時02分

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