遂に自民党内で10%への消費増税延期の議論が始まった(No.164)
自民党の山本幸三衆議院議員は10月2日、岸田派の会合で、消費税率を予定通り来年10月に10%に引き上げるかどうかについて「今の経済指標からみれば、予定通りやるのは無理だ。1年半くらい延ばしたほうがいい」と述べた。
これまで自民党員は政府執行部に対し、消費増税反対の声を上げられない状況下に置かれていた。それは安倍首相のアベノミクスの成功が内閣支持率を押し上げていたからである。しかし事情が大きく変わりつつある。消費増税の後、次々と景気後退を示す経済指標が発表されているからである。多くのエコノミストや政府関係者は予想外だというが、一貫して消費増税により景気は悪化すると主張してきた我々にとっては予想通りの落ち込みだ。
事の重大さに気付いた自民党は、来年10月に10%に引き上げるかどうか検討が始まった。今までは自民党議員は再度の消費増税に反対できない状況にあった。黙って執行部に従っていれば、次の選挙で公認がもらえ、当選が約束されているから誰も執行部に反旗を翻さない。公認がもらえなければ選挙では落選が確実だし、落選すれば「ただの人」になり下がってしまう。しかし状況が変わってきた。今では地元に帰れば選挙民から消費増税に猛反対される。特に1年生議員には厳しい。このままアベノミクスが失敗に終わったら再び政権交代になる。消費増税で社会保障が充実すると考える人は誰もいないだろう。内閣府の調査でも将来への不安を抱く人が増えている。
政府は5%から8%への消費増税率の引き上げの際、景気の落ち込みを防ぐために5.5兆円の景気対策を行った。消費増税で入る予定の約5兆円を前倒しで景気対策としてばらまいたのだが、それが効かず急激な景気落ち込みとなってしまった。消費増税で入った税収は全額社会保障に使うと、政府は国民を騙していたが、景気対策で前倒しで使ったのだからもう残っていない。消費増税による景気の落ち込みを甚大だ。2013年度は実質GDP成長率は2.3%だったが、2014年度は大きく落ち込みそうだ。42人のエコノミストの予測の平均値は0.3%だ。これは5兆円の景気対策が少なすぎたということで、本当に景気の腰折れを防ぐには10~20兆円の景気対策が必要だったということだ。たった5兆円の増税のために10~20兆円の景気対策をやらなければならないとは、馬鹿馬鹿しい。それより消費増税をやらないほうがよほどましだ。
10%へ来年予定されている消費税再増税を延期させるために、山本幸三衆議院議員は自民党所属議員を集め『デフレ・円高解消を確実にする会』を開く。
この会は山本幸三議員の「アベノミクスを失敗させてはならぬ」という熱い思いが込められている。今後自民党内から一気に「再増税を延期せよ」という気運が盛り上がる気配がする。菅官房長官ら総理官邸側も、「党内議論が活発化する」として、勉強会の開催を容認していることも、この会には追い風になる。
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コメント
今日は。higashiyamato1979であります。当然ですね。しかし、こんな当たり前の流れになるのにこれほどの労力と時間を注ぎ込まねばならないとは・・・。改めて噓吐き財務省とマスゴミには怒りを覚えます!
それではいつもより気合を入れて決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!
投稿: higashiyamato1979 | 2014年10月14日 (火) 09時20分
歯並び悪い低学歴は笑うな不気味
大企業に入れない奴隷階級は介護でもしてろ
在日ですか?
投稿: 低学歴ほど外国で暮らしたことがない | 2015年5月27日 (水) 12時00分