政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのではないかという疑問に関する質問主意書とその答弁書(No.225)
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平成28年11月9日提出
質問第126号
政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのではないかという疑問に関する質問主意書
提出者 福田昭夫
2%のインフレ目標、実質2%名目3%のGDP成長率目標のいずれも達成に失敗したアベノミクスだが、それは政府が国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのが原因ではないかという疑問が生じている。経済再生も財政健全化も国民の将来不安の解消が無ければ実現は不可能である。特に国の借金1000兆円が国民の将来不安を引き起こし、国民は節約に走り、それが経済再生を不可能にしているのではないか、そして結果として財政健全化ができなくしているのではないかという疑問が生じていることに関し質問する。
1 国の借金は家計の借金と同じと考えるか。
2 財務省のホームページには日本の財政を家計に例えた場合について説明がある。それによると月収30万円の家計でローン残高は5143万円なのだそうである。このような家計では、新たな借金をしようとしてもとても貸し手が現れないような印象を受ける。しかし、現実はそれでも政府は0%あるいはそれ以下で新たな借金ができる。ということは国の借金と家計の借金とは全く意味が違うと言えないか。
3 日銀はお金を刷って国債(国の借金)を買い取っている。これを家計に例えるとこの家庭ではお金を刷って使っても良いと認められていることになると思うが同意するか。
4 月収30万円の家計でローン残高が5143万円であれば、確実に自己破綻する。つまり借金踏み倒しである。国の借金もそれが起きると考えているのか。
5 一方で「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」と財務省のホームページに書いてある。これを家計に例えると、日本の家計でどんなに借金が多くなっても破産することはないということになる。このことから国の財政を家計に例えるのは無理があると言えるのではないか。
6 終戦直後には、国の借金は膨大であった。それを税金で返したのでなくインフレのお陰で実質的に激減した。実際、大多数の国々ではインフレのお陰で国の借金を実質的に減らしている。このことを家計に例えるとどのような借金の返済の方法に対応するのか。
7 国の借金を実質的に減らす方法は2つあるというのが伊藤元重氏が今年6月27日に読売新聞に載せた説である。第一の方法は例えば毎年借金を10兆円ずつ減らす方法で1000兆円の借金を半分にするのに50年かかるだけでなく、大恐慌を引き起こす。第二の方法は経済を発展させ毎年3%の成長をすればGDPは20年で約2.4倍になり、借金のGDP比は2.4分の1となる。伊藤氏は第一の方法は非現実的だが、第二の方法は現実的だと主張している。国の財政を家計に例えている限り、借金返済の方法は非現実的な第一の方法しかあり得ず、多くの国で採用されている第二の方法が見えなくしてしまうと思わないか。
8 国の財政を家計に正しく例えるならば次のようになる。借金は多いが、この家庭では離れでお札を印刷することが許されていて、大量に印刷し年間借金の10分の1程度を返済している。かなり返済が進んでいるが、貸し手である銀行はそのような返済を続けることを必ずしも望んでおらず、このペースでの返済はあと1~2年で困難になると考えられている。その理由としては銀行がこの家庭に貸出をし、それに対する利息が貴重な収入源となっており、それが無くなると銀行の経営が成り立たなくなる恐れがあるからである。またこの家庭から銀行に返済したお金の多くは、この家庭に預ける仕組みになっている。この家庭は銀行がこの家庭にそんなに多額のお金を預けて欲しくないと考えており、なんとこの家庭は銀行に対し、この家庭に預けたお金の一部にマイナス0.1%の金利を支払えと命令し銀行は強制的に受け入れさせられたのである。国の財政を家計に例えるなら、このように説明しなければ誤解を受けると思うが同意するか。
9 このような疑問に関する政府の正式な回答を財務省のホームページに書くべきではないか。
10 政府が国の借金を家計に歪曲した形で例えることで、国民に将来不安を生じさせ、節約に走らせる。それが消費を冷え込ませ経済再生を遅らせ、結果としてそれが財政健全化の妨げになっていると考えるが同意するか。
11 日銀の政策変更で今後国債の暴落は起こりえなくなったのではないかという疑問に関する質問主意書(質問第18号、以下質問1という)と政府が日銀の金融政策の有効性を疑っている事に関する質問主意書(質問第76号、以下質問2という)の質問の主旨は、国債の暴落という国民の将来不安を解消し経済再生と財政健全化を追求しようとするものであった。しかし両質問に対する答弁書はこの主旨を否定し経済再生と財政健全化を阻害しようとした。政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのではないか。
12 質問1の7で、日銀の保有する国債を無利子・無期限の国債にコンバートすればどうかと提案した。無利子・無期限の国債でなくても政府貨幣(例えば500円玉とか1兆円玉等)にコンバートする案も考えられる。多くの識者からこのような提案がなされるのは、1000兆円という国の借金に対する不安で消費が抑えられ日本経済の再生が不可能になっている窮状を救い、日本人に自信を取り戻させ、経済を活性化させ、財政の健全化を目指すものである。しかし、答弁書ではこの提案を否定した。これは政府が国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っている現れではないか。
13 コンバートは通貨の信認を失わせると質問1の答弁書(以下答弁書1という)と質問2の答弁書(以下答弁書2という)では答えている。「通貨の信認が失われる」という事実を家計に例えようとしても無理である。そもそも家計の場合インフレに相当するものが無く、例えるのが不可能である。国の借金と家計の借金が似ても似つかぬものであるのに、無理に比較しようという試みは単に国民の持つ将来不安を増大させるだけであり、結果として経済再生と財政健全化を遅らせるだけではないか。
14 答弁書2の4についてで、成長戦略において、様々な分野で改革を断行してきたとある。確かに改革は必要であり生産性を高める努力はすべきである。ただし、国民の将来不安の解消を行わないままだと逆に不安の増大につながる可能性がある。貿易の自由化や生産性向上は、一部の労働者を切って捨てるということになりかねない。財政が厳しいという理由で「痛みに耐えよ」と言って弱者切り捨てを行えば、国民の将来不安は増大するだけだと思うが同意するか。
15 答弁書2の11及び13についてで、雇用は確実に改善しているとある。しかし改善したのは非正規だけである。いつでも解雇できる非正規の人しか採用しないのは、企業が将来不安を持っているからだと考えるが同意するか。
16 世界中で長期間デフレを続け名目GDPが上がらない国は日本だけである。その理由は政府が国の借金が多いと言って将来不安を煽っている事が原因で国民は消費を抑え、企業は国内投資を抑えているからだと考えるが同意するか。
17 国の借金が日本以上の速度で増加している国は世界中に数多く存在する。しかし、それらの国々の名目GDPの増加速度は借金の増加速度に匹敵するものであり、その結果借金のGDP比は日本よりはるかに低いものとなっている。このことが意味するのは、日本の問題は国の借金が増えることではなく、名目GDPが増えないことである。そしてそれは財政が厳しいなどと言って国民に将来不安を煽り、緊縮財政を行ったことが原因していると考えるが同意するか。
18 答弁2の一、五及び八についてで「国債の価格や長期金利は、金融政策のみならず、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まるものであるとした上で、日本銀行は、二パーセントの『物価安定の目標』の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利の操作を内容とする『長短金利操作付き量的・質的金融緩和』(平成28年9月21日日本銀行政策委員会・金融政策決定会合決定)を継続するとしている旨を述べたものである」とある。これは、インフレ率が2%になるまでは「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」による長短金利の操作が有効、すなわち、長短国債の価格操作が有効であるものの、インフレ率が2%を超えれば途端に無効となり、「国債の価格や長期金利は、金融政策のみならず、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まる」ため、いずれ国債が暴落することになる、つまり、いずれこのような操作は必ず破綻を迎えることになるという趣旨か。もしくは、このような操作によってインフレ率が安定的に2%を超えてゆくことになれば、公的債務GDP比が低下し、政府財政が健全化するので問題にならないという趣旨か。
右質問する。
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平成28年11月18日受領
答弁第126号
内閣衆質192第126号
平成28年11月18日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 麻生太郎
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員福田昭夫君提出政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのではないかという疑問に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員福田昭夫君提出政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのではないかという疑問に関する質問に対する答弁書
1,2,4から6まで、9、10及び13について
御指摘の「月収30万円の家計でローン残高が5143万円」という例えは、平成26年度当初予算において我が国の税収及び税外収入の合計額が54.6兆円程度である一方、当時の国の長期債務残高が780兆円程度であることを分かりやすく示したものである。
国の財政と家計に関して、それぞれの債務はいずれも期日までに返済する必要があるという共通点を踏まえ、我が国の財政状況について国民の理解を深めることを目的として、財務省のホームページにおいて我が国の財政を家計に例えた資料を掲載しているところであり、「国民の持つ将来不安を増大させる」とのご指摘は当たらない。
また、このような趣旨に鑑み、政府として、御指摘の「インフレのお陰で国の借金を実質的に減らしている」ことを家計に例えて示すことは考えていない。
我が国の財政状況は、極めて厳しい状況にあるが、政府としては、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(平成27年6月30日閣議決定)に盛り込まれた「経済・財政再生計画」(以下「経済・財政再生計画」という。)に沿って引き続き財政健全化の取組を着実に進め、国債に対する信認を確保していくとともに、今後とも、財政について、国民に理解を深めていただくよう取り組んでまいりたい。
3及び8について
ご指摘の「日銀はお金を刷って国債(国の借金)を買い取っている」及び「この家庭では離れでお札を印刷することが許されていて」の意味するところが必ずしも明かではないが、財政法(昭和22年法律34号)第5条本文においては、「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借り入れについては、日本銀行からこれを借り入れてはならない」とされており、これに抵触する日本銀行による公債の引受け等については禁じられている。したがって、ご指摘のような例えを使用することは不適切である。
7について
御指摘の「国の財政を家計に例えている限り、借金返済の方法は非現実的な第一の方法しかあり得ず」の意味するところが必ずしも明かではないが、我が国の財政は、極めて厳しい状況にあり、政府としては、経済・財政再生計画に基づき、平成32年度の財政健全化目標の達成に向けて、経済と財政双方の再生を目指す経済・財政一体改革に取り組むこととしている。
11について
先の答弁書(平成28年10月7日内閣衆質192第18号。以下「18号答弁書」という。)1及び10について及び先の答弁書(平成28年10月28日内閣衆質192第76号。以下「76号答弁書」という。)1、5及び8についてでお答えしたとおり、国債の価格や長期金利は、金融政策のみならず、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まるのであると考えている。黒田東彦日本銀行総裁も、長期金利について、平成28年9月21日の記者会見において、「短期金利と同じように完全にコントロールできるかという議論であれば、それは短期金利と全く同じようにできるとは言っていません」と発言している。その上で、平成25年1月22日に政府及び日本銀行が共同で公表した「内閣府、財務省、日本銀行「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)」にもあるように、「持続的な財政構造を確立するための取組を着実に推進する」ことを含め、デフレからの早期脱却と物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向け、政府及び同行の政策連携を強化し、一体となって取り組んでいくこととしており、「政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っている」とのご指摘は当たらない。
12について
76号答弁書6についてでお答えしたとおり、18号答弁書7についてでは、一般に、利子が付されておらず、かつ、元本の償還が約束されていない債券には経済的価値が認められないことを踏まえ、先の質問主意書(平成28年9月27日提出18号)7においてご指摘の「コンバート」を行えば、財政運営及び通貨に対する信認を著しく損なうおそれがある旨を述べたものであり、「政府が国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っている現れではないか」との御指摘は当たらない。
14について
成長戦略において、国民生活を豊かにし、企業の生産性を向上させるため、必要な改革をちゅうちょなく断行してきた。
例えば、農業協同組合法等の一部を改正する等の法律(平成27年法律第63号)により、農業協同組合制度を抜本的に改革し、企業が農業に参入しやすくした。環太平洋パートナーシップ協定では、原署名国になった。観光では、査証緩和措置に加え、継続的な訪日プロモーション、免税店や免税対象品目の拡大等観光客誘致のための取組等を実施しており、平成27年、訪日外国人観光客は、過去最高となった。加えて、電力の小売市場を全面自由化した。さらに、法人実行税率を20%台に引き下げた。
こうした構造改革は、意欲ある者の創意工夫を促し、個人一人一人がその潜在力を開花する「生産性革命」につながり、日本経済の成長に貢献するものである。
さらに、経済成長の果実を生かして、安心できる社会基盤を築き、成長と分配の好循環を強固なものとするものとしており、御指摘の「弱者切り捨て」を行うものではない。
15について
企業がどのような雇用形態の者をどの程度採用するかは、個別の事情によって様々であることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。なお、正規雇用労働者数は、平成27年に8年ぶりに対前年比で増加に転じていることから、「改善したのは非正規だけである。いつでも解雇できる非正規の人しか採用しない」とのご指摘は当たらない。
16及び17について
我が国においては、安倍内閣の経済財政政策によって、名目GDPは増加している。
また、我が国の財政状況については、国・地方の債務残高がGDPの2倍程度に膨らんでいることは事実であり、「国の借金が多いと言って将来不安を煽っている」及び「将来不安を煽り、緊縮財政を行った」との御指摘は当たらない。一般論としては、経済再生を実現しGDPを拡大することと債務残高を抑制することが債務残高対GDP比の安定的な引き下げにつながることになる。したがって、経済再生と財政健全化の両立に向けて、引き続き、基礎的財政収支の黒字化を目指し、その改善に取り組んでまいりたい。
18について
76号答弁書1、5及び8についてでは、日本銀行は、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のために、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利の操作を内容とする「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」(平成28年9月21日日本銀行政策委員会・金融政策決定会合決定)を継続する旨を述べたものであり、お尋ねのような、インフレ率が2%を超えれば途端に金融政策が無効となり、国債が暴落することになることやインフレ率が安定的に2%を超えていくことにより財政が健全化する旨を述べたものではない。なお、政府としては、今後とも、財政健全化の取り組みを着実に進め、国債に対する信認の確保に努めてまいりたい。
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コメント
最近のテレビは物価が上がっても賃金が下がれば年金が減るという法案の話を何回もしている。政府も物価が上がり賃金が下がることを予測して、その時のための対策を練っているのだろう。これこそがデフレマインドであり、政府が自ら国民にデフレマインドを助長している。こんなことをしていると、ますます国民は将来不安を持ち、今のうち倹約しておかねばと思うようになる。物価が上がっても賃金が下がった場合の対策にこんなに力を入れている国は日本だけだろう。
財政に頼らず金融だけで経済を回復させようとしている政府だが、その理論的な支柱であった浜田宏一氏は、その考えが間違いだったということを11月15日に日経新聞で明かにした。それはジャクソンホール会合の基調講演でノーベル経済学賞を受賞したクリストファー・シムズ氏(プリンストン大教授)が「金融政策が効果を発揮するには財政政策の裏付けが必要」と主張したことで浜田氏は自分の誤りに気付いたという。やっと我々の主張が理解されたということであり、今こそ政府は政策の大転換を行う時だろう。
1,2,4から6まで、9,10及び13について
家計と国の財政はこれだけ違うということを具体的に質問主意書で指摘した。そのように指摘されるのが余程いやだったのだろう。いや、反論できなかったのだろう。なんと1,2,4,5,6,9,10、13の8つの異なる質問に対して、たった1つの答弁しかしなかった。
要するに「期日までに返さなければいけないところだけは共通でしょ」と言いたいようだ。
3及び8について
この答弁は明かに間違えている。質問主意書では「この家庭では離れで(つまり日銀が)お札を印刷することが許されていて、そのお金で借金を返している。」と例えた。答弁書では日銀による国債引受は財政法で禁止されていると主張したが、日銀が市場から国債を買うことはもちろん許されているわけであり、この答弁は間違いである。
7について
この件に関しては伊藤元重氏の議論をもう一度読んで下さいと言うだけでしょう。
11について
答弁書では長期金利は市場で決まるんだという主張をまだ続けている。一方で日銀は11月7日、ホームページ上で公表していた金融政策と長期金利の関係に対する見解を修正した。
これまでは長期金利について日銀の金融市場調節で誘導することは「容易ではない」としていたが、マイナス金利と大規模な国債買い入れの組み合わせが「長短金利全体に影響を与えるうえで有効」と証明されたとし、9月に長期金利(10年国債金利)を誘導対象に含めた「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入したと説明している。
ちなみにFRBは、国際利回りが上昇することを抑制するために、1942年から1951年まで米国債を買い支えた。これによって米国の長期金利は概ね2.5%以下に抑制された。つまり国債暴落の阻止ができないわけがない。
12について
無利子無期限の国債が無価値だと言うのなら、500円玉のような政府貨幣はどうかと質問した。それも無価値だという答弁なのか。ええ!?
14について
成長戦略で改革をやっているんだと主張している。この程度の改革で失われた20年からの脱却ができると思っているのだろうか。トランプ氏は「改革案」を出しただけで、市場に好意的に受け止められ、米国の株は史上最高値を更新し続けている。日本だって同様に思い切った財政拡大策を出せば良い。そうすれば、日経平均も史上最高値の38915円を超えることができるに違いない。
15について
正規雇用労働者数は、平成27年度に8年ぶりに増加しているが、7年間下がり続けたのであり、平成19年には3449万人だったのに対し、平成27年はまだ3304万人であるから、以前の水準には遠く及ばない。また比率で見ると平成27年度は正規の割合は前年比でも減少している。
16及び17について
政府は緊縮財政でGDPを拡大していくと主張している。そんなことができるなら失われた20年はなかった。緊縮財政ならGDPは増えない。逆に積極財政ならGDPも増えるし、国の借金のGDP比も減っていき財政は健全化する。
18について
国債の信認を高めていきたいとのことですが、国債の信認が高まれば高まるほど、金利は下がる。現在のマイナス金利が更に下がると、金融機関に更に深刻な悪影響を及ぼし、それが企業への融資の妨げになる。トランプ氏の政策のように積極財政であれば、国債の信認が落ちて金利が上昇しGDPを押し上げる。
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今晩は。higashiyamato1979です。日本政府の見解が低レベルなのは毎度のことですが今回のそれは特に酷いですね。最早真面目にこたえる気すらないように感じます。しかし、こうした地道な取り組みが事態を好転させる近道だと信じます。
それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!
投稿: higashiyamato1979 | 2016年11月27日 (日) 16時49分