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2016年11月 4日 (金)

政府が日銀の金融政策の有効性を疑っている事に関する質問主意書とその答弁書(No.221)

平成28年10月20日
質問第76号

政府が日銀の金融政策の有効性を疑っている事に関する質問主意書

                  提出者   福田昭夫

日銀は、長期金利を0%程度とする金利目標を発表したのだから、もはや国債暴落は起こり得ないのではないかという質問主意書(質問第十八号)に対する答弁書(答弁第十八号、以下答弁書という)の答弁は、長期金利は日銀ではなく市場が決めるということであった。これについて質問する。

一 答弁書の一及び十についてでは、国債の価格は、金融政策のみならず、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まるものと述べている。これは日銀の金融政策は無効であり、日銀の目標にも拘わらず、金利が暴騰し国債が暴落する可能性を述べたものか。

二 例えば外資が長期国債の売りを仕掛けたとしたら、日銀は対抗して買うことができず、金利は三0%とか五0%とかにはね上がるということか。日銀が買うことができる限界は何兆円までと考えているのか。

三 答弁書の二についてで、我が国の財政については、極めて厳しいとある。これは政府が国債を売っても、誰も買い手がつかず、財政が破綻するという意味か。しかし、財務省のホームページには「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。」との記載がある。実際には長期国債までも0%以下の金利となっており、事実上タダでいくらでも資金が調達できる状態である。それでも財政が厳しいとは、何を意味するか。

四 答弁書の三についてで、かつて構造改革と称して様々な改革を行ってきたが、潜在成長率は上がってきていないのはなぜか。今後も同じ失敗を繰り返すつもりか。

五 答弁書の四、八及び九についてで、「経済財政モデル(二0一0年度版)」(平成二十二年八月内閣府公表)において公表している乗数表では、御指摘の「国債の発行を増やせば増やすほど、国の借金の対GDP比は減っていく」とのケースは示していないとなっている。しかし、この六頁の②には公共投資を五兆円継続的に削減した場合の乗数があり、増やす場合は符号を変えれば良い。この場合、公債残高のGDP比は一.六五%PTだけ減少するとなっている。金利固定ならもっと減る。更にこの当時より債務残高は更に増加していることから、現在はもっと減少幅は大きくなる。
 「長期金利は、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まるものである」と答弁してあるが、日銀が、長期金利を0%程度とする金利目標を発表したが、それは全く金利に影響を与えない、つまり日銀の金融政策は無効だという主張か。それでは二0一四年に始まった大規模金融緩和で長期金利さえもマイナスになったのはどう説明するのか。

六 答弁書の七についてで、無利子・無期限の国債は価値が無いと述べている。政府発行の国債が価値が無いと発言してもよいのか。政府発行の貨幣も日銀発行の紙幣も無利子・無期限だから価値が無いと言えば価値が無いし、誰もが価値があると思えば価値がある。国債も同様である。無利子・無期限の国債も政府が価値を認め、必要ならいつでも額面で買い戻すと宣言すれば価値がある。日銀が市場に売る場合でも、何年後に一定の利子をつけて買い戻すと言って入札を行えば買い手は出るのだから通常の国債と、価値の面では何ら変わらないのではないか。

七 答弁書の十一についてで、日銀の財務の健全性に関しては日銀に丸投げをし、また日銀のイールドカーブコントロールや十年物国債の利回り0%維持方針を否定しており、日銀は無能であると宣言しているが、日銀総裁・副総裁は、日銀法二十三条に基づき、国会の同意を得て内閣が任命しているわけで、内閣が全く責任を負わないというのはおかしくないか。

八 本主意書冒頭で「日銀は、長期金利を0%程度とする金利目標を発表したのだから、もはや国債暴落は起こり得ないのではないかという質問主意書(質問第十八号)に対する答弁書(答弁第十八号)の答弁は、長期金利は日銀ではなく市場が決めるということであった」と述べた。これに関して、答弁書の答弁は内閣の日銀に対する不信の表れであり、すなわち、黒田日銀総裁の任期が満了する平成三十年四月以降、内閣には黒田総裁を再任する意思がないことの表れであると受け止めて良いか。

九 答弁書の十三についてで行われた答弁は問題のすり替えである。アベノミクスで名目GDPが二十七兆円増加したという主張は国民を欺くものである。例えば平成二十八年五月十八日に内閣府から発表された平成二十八年一~三月期四半期別GDP速報を見ると、平成二十七年度の名目GDP成長率は二・二%だが、そのうち外需が一.七%、内需が0.五%となっていて、外需の大部分は原油価格の値下がりからくる。よってこの年の名目成長率の多くは原油価格の値下がりからくるのであり、アベノミクスの成果ではない。また平成二十七年十二月二十二日に内閣府から発表された「平成二十八年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度の八頁には「物価関係指数の変化率」が示めされており、消費税率引き上げの影響を機械的に除いたものも示してある。消費税率引き上げにより税率分だけ物価が上がり、その分だけGDPが膨らむ。これは国民にとっては、迷惑な膨らみであり、アベノミクスの成果として自慢すべきものではないと考えるが、同意するか。アベノミクスで名目GDPが増えたと自慢したいなら、消費増税による迷惑なGDP増加分と原油価格の下落によって生じたGDPの増加分を除いた数字を示さなければ国民を騙したことになると思うが同意するか。当然のことながら、将来消費税率の引き下げがあったり、原油価格の上昇があったりすれば、見かけ上増えているように見える部分は消えるのである。

十 答弁書の十五についてで、「我が国の財政状況については、国・地方の債務残高がGDPの二倍程度に膨らみ、なおも更なる累増が見込まれる」という表現は適切でないとすでに以前の質問主意書で指摘した。二倍が三倍、四倍に増えていくことを意味しているように思えるからである。それに対して答弁書の五についてで、「先の答弁書(平成二八年五月一三日内閣衆質一九0第二五五号)八についてでは、累増が見込まれるのは国・地方の債務残高であることを述べたものである。」と答弁している。そうであれば、誤解が生じないような表現になぜ変えないか。全く異なる質問に全く同じ文で答えるのは不誠実と思わないか。しかも表現が適切で無いと指摘を受けた文を再度使うべきではないと考えるが同意するか。

十一 日銀は「量」で失敗し「金利」に金融政策の目標を転換したが、その長期金利の制御は不可能だと政府は主張し、また政府の経済財政諮問会議では歳出削減を検討しデフレを加速しようとしている。このことで、第一の矢も第二の矢も失敗に終わり、アベノミクスは失敗を宣言したらどうか。

十二 石原伸晃経済財政・再生相は十月五日「消費税は十%では賄いきれない。次は十二%、十四%、十五%という形で上げることを国民に問いかけていかなければならない」と発言したが、この考えに同意するのか。

十三 外国人投資家による株の売越額は六兆円を超え、一~九月としてはこれまでの最高だった。これはアベノミクスに失望したからだと言われているが、このことをどのように考えるか。

十四 日銀は十月三十一日~十一月一日に開く金融政策決定会合で物価見通しを下方修正しようとしている。これにより黒田日銀総裁の任期中に物価上昇率二%の目標は難しくなった。これもアベノミクスの失敗を意味しているのではないか。

十五 九月の総括的な検証の直後、日銀内から黒田日銀はレームダック(死に体)だという声がもれたが、これに同意するか。

十六 FRBのフィッシャー副議長は十月十七日のニューヨークでの講演で、先進国が低金利・低成長から脱するには「政府支出の拡大と減税による財政政策が重要だ」と指摘したが、これに同意するか。
右質問する。

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答弁書第76号
 内閣衆質192第76号
   平成28年10月28日
                 内閣総理大臣 安倍晋三
 衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員福田昭夫君提出政府が日銀の金融政策の有効性を疑っている事に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員福田昭夫君提出政府が日銀の金融政策の有効性を疑っている事に関する質問に対する答弁書

1,5及び8について
 先の答弁書(平成28年10月7日内閣衆質192第18号。以下「前回答弁書」という。)1及び10について及び4,8及び9についてでは、国債の価格や長期金利は、金融政策のみならず、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まるものであるとした上で、日本銀行は、2パーセントの「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利の操作を内容とする「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」(平成28年9月21日日本銀行政策委員会・金融政策決定会合決定)を継続するとしている旨を述べたものである。したがって、お尋ねのような「日銀の政策は無効であり、日銀の目標にも拘わらず、金利が暴騰し国債が暴落する可能性」や「日銀の金融政策は無効だという主張」を述べたものではなく、また、内閣の「日銀に対する不信の現れや」「黒田総裁を再任する意思がない事の表れ」とは認識していない。

2について
「外資が長期国債の売りを仕掛けたとしたら」とのお尋ねについては、仮定の御質問であることからお答えすることは差し控えたい。「日銀が買う事が出来る限界は何兆円までと考えているのか」とのお尋ねについて、日本銀行による金融政策の具体的な手法については、同行の金融政策運営に関するものであり、同行の自主性を尊重する観点から、お答えすることは差し控えるが、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」に沿って、同行が適切に対応されるものと認識している。

3について
 前回答弁書2についてにおいて「我が国の財政については、極めて厳しい」とお答えした趣旨は、国・地方の債務残高がGDPの2倍程度に膨らみ、なおも更なる累増が見込まれるなどの状況にある旨を述べたものである。

4について
 お尋ねの「様々な改革」の意味するところが必ずしも明かではないが、これまで成長戦略において、様々な分野で改革を断行してきた。
 例えば、農業協同組合法等の一部を改正する法律(平成27年法律第63号)により、農業協同組合制度を抜本的に改革し、企業が農業に参入しやすくした。環太平洋パートナーシップ協定では、原署名国になった。観光では、査証緩和措置に加え、継続的な訪日プロモーション、免税店や名税対象品目の拡大等観光客誘致のための取り組みを実施しており、昨年、訪日外国人観光客は、過去最高となった。加えて電力の小売市場を全面自由化した。更に法人実行税率を二十%台に引き下げた。
 今後の潜在成長率を向上させるための焦点は、働き方改革と第4次産業革命を通じた「Society5.0」の実現である。国民生活を豊かにしながら、企業の生産性を向上させるため、必要な改革をちゅうちょなく断行してまいりたい。

6について
 前回答弁書7についてでは、一般に、利子が付されておらず、かつ、元本の償還が約束されていない債権には経済的価値がみとめられないことを踏まえ、先の質問主意書(平成28年9月27日提出質問第18号)においてご指摘の「コンバート」を行えば、財政運営及び通貨に対する信認を著しく損なうおそれがある旨を述べたものであるが、御指摘の国債の価値については、仮定のご質問であることから、お答えすることは差し控えたい。

7について
 前回答弁書11についてでは、日本銀行法(平成9年法律第89号)第5条第1項において、「日本銀行は、その業務及び財産の公共性にかんがみ、適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならない」としており、同条第2行において、「この法律の運用に当たっては、日本銀行の業務運営における自主性は、十分配慮されなければならない」とされていること等について述べたものである。
 また、金融政策について、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」は、平成25年1月22日に政府及び日本銀行が共同で公表した「内閣府、財務省、日本銀行「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)」」(以下「共同声明」という。)を踏まえて、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するために必要な施策として決定されたものと認識している。
 デフレ脱却と持続的な経済成長の実現は、政府及び同行共通の重要な政策課題であり、引き続き、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向けて、同行とも緊密に連携しつつ、金融政策、財政政策及び構造改革を総動員し、一体となって取り組んでいく。
 
9について
 消費税率引き上げや原油価格の変動が名目GDPに与える影響については、消費税率引き上げや原油価格下落等による物価変動だけでなく、それらに伴う需要の変化や政策対応による変化等が複合的に影響し合って発生すると考えられることから、一概にお答えすることは困難である。

10について
 先の答弁書(平成28年5月13日内閣衆質190第255号)8についてでは、国・地方の債務残高がGDPの2倍程度に膨らみ、なおも更なる累増が見込まれることを述べたものであり、「表現が適当でない」とは考えていない。

11及び13について
 政府としては、共同声明にもあるように、デフレからの早期脱却と物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向け、政府及び日本銀行の政策連携を強化し、一体となって取り組んできたとことであり、こうした安倍内閣の経済財政政策により、デフレではないという状況となり、雇用・所得環境も確実に改善していると考えている。
 また、ご指摘の外国人投資家の認識について政府としてお答えすることは差し控えたい。

12について
 お尋ねの発言については、石原国務大臣が政治家としての見解を述べたものであると承知してお答えする立場にない。

14について
 ご指摘の「10月31日~11月1日に開く金融政策決定会合」で議論される内容を前提としたお尋ねについてお答えすることは差し控えたい。
 「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」は、総括的な検証を行った上で、金融緩和強化のための新しい枠組みとして導入されたものであり、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するために必要な施策として決定されたものと認識している。
 政府としては、共同声明にもあるように、デフレからの早期脱却と物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向け、政府及び日本銀行の政策連携を強化し、一体となって取り組んでまいりたい。

15について
 ご指摘の「日銀内から黒田日銀はレームダック(死に体)だという声がもれた」との事実を承知していないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。いずれにせよ、日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長期金利の操作を内容とする「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続するとしており、平成28年10月12日の衆議院予算委員会において、黒田東彦日本銀行総裁は、経済、物価及び金融情勢を踏まえ、必要な場合には追加緩和を行う旨の答弁をしているものと承知している。

 16について
 安倍内閣としては、経済再生と財政健全化の両立を目指しており、成長戦略の実行等を通じて、民需主導の持続的な経済成長を実現していくとともに、財政健全化の取組を進めることとしている。

答弁書に対する以下は私のコメントです。

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「1,5,及び8について」と「2について」
金融緩和の目標が長期金利が0%程度とするとなったのに、なぜか政府は長期金利は市場で決まるという。11月1日に出された 日銀レポートにですら、財政の信認が失われたら金利が上がるのだと言う。金利上昇が止められないなら日銀は無能ということを自ら認めることではないか。内閣府に電話して聞いても、金利はこれからどんどん上がるのだという。一方で市場関係者は「泣く子と日銀には勝てぬ」と言っているのですが。不思議な光景ですね。

3について
内閣府は国・地方の債務のGDP比はこれから下がると言っているのだから、極めて厳しいとは言えないはず。「財政は厳しい」を連発すれば、日本中が節約に走るし、それにより景気は悪化し財政は更に悪くなるという悪循環に陥るのだが。

4について
成長戦略で自慢したいのですね。
「構造改革」によって生産性が上がるかもしれないけど、それによって職を失う人も出てくる。その場合に政府は十分な対策を行っていると言えるだろうか。財政が厳しいなどと言って弱者切り捨てをやっているだけではないか。

6について
無利子無期限の国債が価値がないというなら、政府貨幣、例えば500円玉はどうか。1兆円の政府貨幣を必要枚数つくって日銀保有の国債とコンバートするのはどうだろう。

7について
2%の物価目標の達成時期が5回も延期され、実現のメドが立っていない。何が悪かったのか政府に考えさせることが必要ですね。

9について
「アベノミクスで名目GDPが27兆円増えた」という政府の主張が嘘だと具体的に詳しく説明したのに対して、それについて一切反論できなかったということです。「お答えすることが困難である」だそうです。

10について
今後国の借金は増えるが、国の借金のGDP比は減少する。だけど財政は厳しいのだと主張する。おかしい。でも政府の「国・地方の債務残高がGDPの2倍程度に膨らみ、なおも更なる累増が見込まれる」という文章を読んだ国民は、そのような矛盾は読み取れない。官僚が考案した国民を騙す絶妙の作文。そんな悪知恵をはたらかせるより、もっと日本経済を復活させる知恵を出して欲しい。

11及び13について
雇用は改善したか。非正規が増えただけ。企業は一時的な円安で、一時的に稼いで一時的に非正規を増やした。本当の改善ではない。所得環境は改善したとは思えない。

12について
これも大臣の失言か。

14についてと15について
2%のインフレ目標の達成時期が5回も延期されたのに何の反省もなく「できるだけ早期に実現」を繰り返すだけか。

16について
民需主導でと主張する。自分たちの失敗を民間のせいだと言うのだろうか。

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コメント

 今晩は。higashiyamato1979です。まあいつもの通りと言ったところですね。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: higashiyamato1979 | 2016年11月 4日 (金) 17時33分

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