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2016年12月19日 (月)

家計の借金と国の借金の比較に意味がありますか(No.229)

財務省のホームページには、「国の借金を家計に例えると月収30万円で支出が53万円だから毎月23万円の赤字、その結果ローン残高は5143万円になった」という例え示しています。これって、意味がありますか。
(1)常識的に考えれば、この家庭はとっくに破綻しています。こんな家庭には誰もお金を貸しませんからすぐに破綻し、借金は踏み倒されるでしょう。これを国の借金に例えるなら国債が間もなく紙くずになるということです。国はそれは絶対にあり得ないと言います。だったら、国の借金を家計に例えることはできないのではないでしょうか。
(2)現在、日銀は大量にお金を刷って国債を買い上げることによって借金返済を行っています。自宅の離れでお金を刷って借金返済をしている家庭なんてありますか。
(3)国債を買い上げて支払った代金の多くは日銀当座預金に溜まっています。つまりこの家庭で刷ったお金で銀行から借りたお金を返済したのですが、そのお金を銀行はこの家庭に預けているのです。普通の家庭と銀行の関係と違いすぎないですか。
(4)この家庭は銀行がこの家庭にお金を預ける(日銀当座預金)ことを快く思っておらず、銀行から預かったお金の一部に金利をかける(マイナス金利)と言っています。そんな強気の家庭って聞いたことありますか。
(5)この家庭の借金の金利は自分で決められるのですね。最近は金利をマイナスにすると言い出しました。借金をしてほしければ、金利ゼロどころか手数料を払えと言っているのです。一般家庭でそんなことが言える家庭って聞いたことありますか。
(6)銀行はこの家庭に貸したことによる金利が重要な収入源になっているので、むしろ借金を急いで返して欲しくないと考えています。1つの家庭で、ここまで銀行を支配している例がありますか。
(7)この家庭は、銀行を潰そうと思えば潰せるのですね。そんな家庭ってありますか。
(8)果たして、本当にこの家庭はお金に困っているように見えますか。政府は財政が厳しいと言ってますが、この家庭はお金の調達に困っているようには思えません。

国の借金と家計の借金はあまりにも違いすぎて、例えは全く不適当だと思うのですが如何ですか。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

 今日は。higashiyamato1979です。国の財政を家計に例えるのがいかに愚かか良く分かりますね。つくづく財務省は潰さなきゃいけない。そう思います。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: higashiyamato1979 | 2016年12月21日 (水) 15時34分

他の論点を極めて簡単に書くと、

1.借金は5千万円ありますが、資産も3千万円持っています。
2.ローンのうち2千万円は子供が返済してくれて、借金の相手は、現在は子供になっています。
3.よって、資産3千万円+身内からの借金2千万円で、実質的に5千万円の借金の返済は完了しました。
4.今後も、子供が月に40万円の仕送りをしてくれるそうです。

以上、この家庭は、もっと裕福な暮らしが出来そうですね。

投稿: MAN | 2016年12月22日 (木) 01時28分

これは高校でも問題になっていて、有り得ない例えで政府債務のありかたを誤解させるだけで、正しい説明になっていません。実際、その例えのような入試問題は無いのです。ところが、この手の欺瞞に気付くのは公民科の経済プロパーの先生か数学の先生ぐらいで、家庭科や実業教科の経済科目では何の検討も加えられず教授されているようです。
高校教育の目的には健全な社会の形成者としての批判精神も含むので、教科書や入試問題なのに間違いがあれば正しく検討して批判してよいし、今年度から評価法が代わって知識量以外に批判や批判の際の表現の適切さなども点数かすることになっているので、何の遠慮も無く声を大にして批判して良いのです。ところが移行期間中と言うことで、教師にも生徒にも世間にも周知徹底されておらず、公民科の授業以外では間違った政府債務観がまかり通っています。残念なことです。

投稿: | 2016年12月22日 (木) 08時48分

山形浩生さんが昨日の定例会の話題と同じテーマで本をだしていたようですね。経済学とSFにまたがっている人なので、得意分野なのでしょう。

『人工知能と経済の未来』を読んで人間の未来について想像してみてほしいと山形浩生は考える
[レビュアー] 山形浩生(評論家・翻訳家・開発援助コンサルタント)
 http://www.bookbang.jp/review/article/521030

投稿: | 2016年12月24日 (土) 18時42分

遺族年金は男性差別。
遺族年金は男性差別。

投稿: | 2017年1月11日 (水) 13時02分

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