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2017年4月 5日 (水)

苦し紛れのトランプ氏による不公正貿易に対する強硬策(No.242)

政治経験のなかったトランプ氏は、無謀な公約を掲げて選挙を戦い大統領になった。しかし現実は厳しく、公約実現の試みは次々失敗し、支持率は歴代大統領の最低レベルにまで落ちている。入国禁止令は裁判所で差し止めされ諦め、作り直した入国禁止令も再び差し止めになっている。比較的易しいとされていたオバマケア代替法案も議会の承認が得られる見込みが無くなって撤回させられた。メキシコとの国境の建設もメキシコ側の建設費支払いの拒否に加え民主党の反対で建設費のメドが立っていない。これを助けようというのか、日本の経産省は公的年金で米国のインフラ債を買おうという案が出てきた。それがダメなら日銀が買う案もあるとのこと。日本からカネを借りて壁をつくる案が賛成を得られるかどうか分からないが、これは壁建設費援助の大義名文で円安誘導をしようというたくらみであり、トランプはこんな策略に引っ掛かるのか。

トランプ氏のドル高けん制発言に外国為替市場はもはや反応しなくなった。つまりトランプ=「オオカミ少年」と市場関係者に馬鹿にされるようになっている。予算案の一部が発表されたが、軍事予算や国土安全保障予算を増大させ、低所得高齢者向けの食事提供事業をはじめ地方空港や下水道設備、長距離鉄道路線への補助金等を削減する。軍事費、国土安全保障費、退役軍人費6~10%の大幅増の一方で、環境保健省、国務省、農務省、労務省、司法省の予算は20~31%削減させ、エネルギー省、財務省、宇宙航空局は1~6%の削減をするという。こんな予算が議会で成立するだろうか。またトランプ氏は温暖化規制撤廃の大統領令に署名し、国の内外から非難を浴びている。

苦し紛れのトランプ氏は中国や日本との通商交渉に国民の目を向けたいようだ。TPPが発効すれば日本の輸入牛肉への関税は38.5%から最終的には9%に削減される予定で、日本市場で豪牛肉と十分戦えたはずだった。しかし、TPP離脱によって関税は下がらない一方で、日豪EPAのお陰でオーストラリアから日本は牛肉を安い関税で買うようになる。これを阻止するために日米自由貿易協定を強力に求めてくるに違いない。日欧EPA交渉でも農産物の関税撤廃をめぐる問題で交渉は進んでいない。

筆者の提案は、刷ったカネを使い農家の大部分が満足するような巨額の財政支援を行って、農業の大規模化、IT化、ロボット化を強力に推し進め自由化交渉には応じるべきだということだ。日本の農林水産業の生産性はアメリカの20分の1以下だと言われている。日本の技術力があれば、生産性の大幅アップは可能である。今日本は深刻な人手不足なのだから、貴重な労働力を必要な分野に回す事ができる。この際、切り捨てられる農民を一人も出さないようきめ細かいそして大規模な財政支援が必要であり結果として農民を豊かにすることが重要だ。

失業率は2.8%にまで下がった。ここで積極財政を行えばインフレを招くだけだとの主張もあるかもしれない。しかし、日本は20年間デフレから脱却できていない。深刻な人手不足を解消するためにも、IT化、ロボット化、AI化を進めるための大胆な財政出動が必要だ。世界の企業の時価総額ランキングを見ても、アップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックといったアメリカのIT企業が並んでおり、これらはそれぞれが日本トップのトヨタの時価総額の数倍規模である。シャープ、東芝の例に見られるようにハイテクの分野で日本はすっかり遅れてしまった。デフレで消費が伸びない日本では、かつて優秀と言われていた製造業が衰退し、その代わりをしなければならないハイテク企業が育っていない。ここは政府が刷ったカネをふんだんに使ってばん回を試みるべきだ。これによりアメリカからの輸入が増えれば、トランプ氏の強硬策も反論できる。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

 今晩は。higashiyamato1979です。アメリカでは依然としてロビイストや彼らを使う大企業の力が強いですね。これは日本も同じです。この連中の野望を阻止するこがと今や緊急の過大だと思います。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: | 2017年4月 5日 (水) 17時41分

The use of the electronic innovations to boost the economic sector has given the development in most of the countries a great leap. In fact, the innovative industries have contributed a lot to seeing the world with sustainable development. Mostly, the innovative industries engage the growing talents.

投稿: Be Paid to Redo a Term Paper | 2017年4月 5日 (水) 22時54分

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