北朝鮮への最強の経済制裁はヘリコプターマネー(No.246)
米朝と北朝鮮が武力衝突するのか緊張が高まっている。トランプ大統領なら武力攻撃をやるかもしれない。そのとき、北朝鮮は核を使って反撃するのだろうか。
様々な憶測が飛び交う中、できれば経済制裁で北朝鮮の核を放棄させたいというのが誰もが考えることだろう。しかし、従来の経済制裁は北朝鮮の国民の生活を苦しくするだけで指導部など特権階級は少ないとは言え外貨を独占しているから困らないし核ミサイルの開発は続ける。このままだと北朝鮮は世界中を攻撃できる核ミサイルを開発し、それを脅しに使えば世界は自分の思うように動かせると自信を深めることになるだろう。世界を不安のどん底に落としてしまうならず者をこのまま放置すべきなのだろうか。
実はもっと強力な経済制裁はある。北朝鮮ウォンを大量に刷ってドローンを使って空からばらまくことだ。文字通りのヘリコプターマネーだ。通常の経済制裁は一般国民を苦しめるが、こちらは国民に大量のカネを渡すことになる。激しいインフレが起き、経済は混乱し、相対的に支配者階級も軍も没落することになる。カネと共に、政府を転覆させる方法も書いたチラシも入れておく。多額のカネを手にした民衆は役人や軍人達に賄賂を渡し反政府組織の仲間に入れる。これが小数の人数からなる組織であればすぐ潰されるが、全国にしかも大量にマネーがばらまかれれば、至る所で反政府の民衆が立ち上がり、政府も抑えきれなくなる。
過去には第二次世界大戦中の1943年にドイツが英国の経済的混乱を狙ってナチスが極秘にイギリスポンドを刷って、スパイへの報酬、秘密工作資金、武器調達用などの海外の秘密工作用に使用したことがある。今回の提案は公然とお金を刷ってばらまくという案だ。国際法違反と非難されるかもしれないが、罪もない人を大虐殺する可能性がある北朝鮮に対し強い制裁を加えることに大きな反対意見は出ないのではないか。北朝鮮が米国のドル札を偽造して反撃してくるかもしれないが、北朝鮮の印刷技術は新100ドル札を偽造するほどには達していないだろう。
国民にカネが流れれば、様々な物資、電力などの消費が増え、物不足となり、その分軍事のための物資も集まりにくくなる。物不足の北朝鮮が物資の豊富な国々と戦争をしようとしている。これがどれだけ悲惨な結果を北朝鮮の国民にもたらすのか、北朝鮮の国民に十分理解させる必要がある。それは北朝鮮が核を使おうと使うまいと同じである。北朝鮮が如何に貧しい国かを説明するのに例えば北朝鮮上空から夜に撮影した衛星写真を見せると効果的だ。韓国等の隣国は光に溢れているのに、北朝鮮は真っ暗だ。勝つ見込みの無い貧乏な国が世界最強の米国と戦って、惨めな敗戦を喫することが北朝鮮の国民にとってどのようなものか、戦争がどれだけ悲惨かを北朝鮮の国民に知らせれば良い。もちろん、その際には指導部は全員責任者として死刑になるか殺害されることも教えるわけである。米国単独でドローンを使って大量の印刷物とお札をばらまけば北朝鮮も米国に報復するしかないが、相手がドローンであれば、例え撃墜できたとしても、また別のドローンが飛んでくるだけで無力感の漂う戦いとなるだろう。
金正恩やその側近達は果たして米韓を相手に負けが分かっている戦争を挑むのか。これは小犬がライオンに噛みつくようなものだ。休戦状態にある南北朝鮮の戦争が再開したら、中国軍が入ってくるということなら、米軍も北朝鮮に対し何もできないかもしれないが、北朝鮮の体制崩壊を目指すことはせず、北朝鮮から核を排除することだけが目的であり、そして中国もこれを黙認するということなら米国は手を出しやすいのではないか。
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コメント
おはようございます。higashiyamato1979です。記事を読んでつくづくお金を刷るというのは恐るべき武器になり得るということを再認識しました。
それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!(「続」へのコメントは省略)
投稿: higashiyamato1979 | 2017年5月 2日 (火) 08時56分