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2017年6月

2017年6月26日 (月)

財政の豊かな東京都は積極財政であるべきだ(No.253)

先日都民ファーストの会から支持をしてくれとの電話があり、キッパリとお断りした。この党はとても都民ファーストとは思えない。選挙で勝つことだけを考えている都民無視の会だと思う。元々昨年の11月に卸売市場の豊洲移転が決まっていたのに、安心・安全が確保されていないという理由で、独断でそして密室で延期を決めてしまった。一方で豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議は科学的に安全であると結論した。それに対して、専門家でもない小池知事が専門家の結論を無視して「安心が確保できていない」と非科学的な判断をして移転を止めていたが6月23日の定例会見では「追加の安全対策をした後豊洲の安全宣言を出す意向」を示した。追加の安全対策が科学的には全く意味のないものであり、税金の無駄使いにすぎない。結局小池知事の判断ミスによって豊洲移転が約1年半遅れることになる。

6000億円をかけて整備された豊洲市場であり、これを100年使うとして1年半の間これを遊ばせていたということは、減価償却費だけで90億円になる。移転を予定して準備していた業者への補償なども100億円近くなるなど巨額の損失はすべて都民の税金で支払われる。更に、新国立競技場など都心と選手村やMPC(国際メディアセンター)などを結ぶ「五輪道路」として地下トンネルが予定されていたが、それも断念せざるを得なくなった。都民のみならず日本国民に与えた損失額は巨額である。何のための移転延期かといえば、あたかも豊洲移転が「悪者」によって決められたのだという印象を植え付け、その悪者を百条委員会でつるし上げることによって自分がいかにも改革者であるかのように演じるためであった。まさに都民ファーストの会をPRするためだけの移転延期であり、そのために都民も国民も巨額の税金を払わされることとなった。しかも築地を「食のテーマパーク」にするなどということを都民の目の届かない密室で決めた。そんなテーマパークはどうせ大赤字になるとマスコミは言う。少なくとも密室で決めることではない。

これは税金の無駄使い(その額は桝添前知事の無駄使いよりはるかに多い)を陰でしながら他方でオリンピック施設の建設に関し様々な無駄な口出しをし、いかにも予算削減に貢献しているような印象を与えるパーフォーマンスだった。東京は大企業の本社が多数あり財政は豊かだ。一方夕張等地方は赤字で苦しむ。これはEUでドイツのような経済の強い国は財政黒字、ギリシャのような経済の弱い国は財政赤字で苦しんでいることに似ている。つまり東京とドイツは財政黒字だが、夕張とギリシャは財政赤字に苦しむ。全体のバランスを考えれば財政黒字なら思い切った積極財政をすべきである。ハイパーインフレになる恐れは物余りの現代ではあり得ない。例えば東京は首都高速道路が古くなっていて新しくする必要がある。電柱の地下化も必要だ。もちろん地方自治体は通貨発行権を持っておらず、「景気対策」にも限界がありその限界内で景気浮揚のために貢献すべきだ。EUにおけるドイツも同様だろう。

しかし、景気対策は最終的には通貨発行権を持つ政府が行わなければならない。「53か月連続で景気が拡大している」とか「2014年度の消費増税の際でも景気後退には至らなかった」とか楽観的すぎる見方で2019年度の消費増税を認めさせようとする。失われた20年で、日本は世界でも際立って低い経済成長を続けてきて没落を続けている。世界における日本のGDPのシェアは1993年には17.9%であったものが2016年には5.5%まで下がっている。こんな悲惨な状況を受け入れてはいけない。一刻も早く国を挙げて(東京都も協力して)消費を拡大し、失われた20年を少しでも取り戻す努力をすべきである。

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2017年6月20日 (火)

第141回 日本経済復活の会定例会(No.252)

                                                                                    平成29年6月20日
                            日本経済復活の会 会長 小野盛司

講師 小野 盛司 日本経済復活の会会長 
会の活動報告、『日本経済復活への道 -刷ったお金は使いなさい-』
NHKのニュースによると政府は、2020年度までに基礎的財政収支を黒字化するとした財政健全
化目標を見直し、GDPに対する債務残高の割合に着目した、新たな目標を掲げる方向で検討に入っ
たとのことである。債務残高のGDP比を減らしたいのであれば景気対策を行ってGDPを増やせば
よいわけで、それによりデフレ脱却、景気回復が実現する。これこそ当会が十数年の間訴えてきたこ
とである。バーナンキ、シムズ、スティグリッツ、クルーグマンといった識者も同様な意見であり、
政府が財政拡大の決断をすることを期待したい。

   会長以外の登壇者は未定です。
   また日本経済等の事柄に関し、ディスカッションの時間もあります。    

○ 日時 平成29年6月24日(土)午後3:00時~午後6:30時
                 (開場2:45、講演開始3:00)
     この後、希望者は二次会(食事会)にご参加下さい。

○ 場所 東京都文京区春日1‐16‐21 文京シビックセンター 4階 区民会議室 会議室A
TEL 03-3812-7111

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○ 会費 1000円(資料代を含みます。)当会合に関する一切の問い合わせと、御来会の可否は小野(03-3823-5233)宛にお願いします。須田(090-2170-3971)、吉野(080-3312-3485)、メール(sono@tek.jp)でも結構です。ご協力お願いします。

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2017年6月19日 (月)

公共投資を増やせば債務残高の対GDP比が下がることを日経が認めた(No.251)

6月9日に閣議決定された骨太方針2017において「PB(基礎的財政収支)を20年度までに黒字化し、同時に債務残高のGDP比を安定的な引き下げを目指す」ことが目標の一つに決められた。債務残高のGDP比の引き下げを目標にするなら財政拡大しかないので、我々の長年の主張の一部は取り入れられたことになる。それに対する反対意見が6月17日の日経の大機小機に載せられた。その主張に反論する。

日経の主張:長期金利と経済成長率は同じ動きをするから債務のGDP比は下がるわけがない。
反論:現在日銀が国債の多くを保有していて、その保有額は増え続けている。日銀保有の国債の利払いは国庫に戻される。例えば日銀が全部国債を買ってしまえば利払いは全部国庫に回収される。また日銀は資金をいくらでも市場に供給可能であり、経済成長率以下に金利を抑えることは可能だからこの主張は完全に否定される。

日経の主張:公共投資をすれば債務のGDP比は下がる。債務残高がGDPの倍近くある下で、公共投資の追加分が分母のGDPに加わるからである。しかし、公共投資のGDP押し上げ効果は一時的で、分子の債務残高は確実に増加していく。これがバブル崩壊後のわが国財政を先進国最悪にした原因であったはずだ。
反論:公共投資をすれば債務のGDP比は減ることは我々の長年の主張であり、やっと日経が認めたということは大変喜ばしい。しかし、押し上げ効果は一時的だから、止めてしまえば債務のGDP比は再び増加し始めるというのは当然だ。止めずにどんどん増やし続ければGDPは増え続けるから債務のGDP比も減り続ける。これは日経の日本経済モデルを使って実証済みである。

つまり債務のGDP比が世界最悪になったのは、公共投資を削ってデフレ経済に陥り、GDPが減少したり、伸びなくなったりしたためである。何も公共投資に限ることはない。特に現在は人手不足なのだから、AIやロボットなどに巨額投資をして人手が無くても生産を伸ばせる工夫が必要である。現在世界を見渡して、元気な企業はどこか見れば良い。時価総額ランキングでベスト5は、アップル、アルファベット(グーグル)、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックである。こういったIT企業が国の経済を牽引しているのであり、日本もこういった企業に対抗できる企業を育てていかないと日本の未来は暗い。

残念ながら、日本政府と国会は森友・加計学園問題ばかり議論していて、与野党とも没落する日本経済を救おうとしていない。忖度とか怪文書とか追求しても日本経済の発展にはつながらない。国会の運営費は1日3億円と言われているから、大変な税金の無駄使いと言える。忖度などではなく、逆に首相にもっと強い権限を与え、鶴の一声で日本版シリコンバレーを特区でつくり思い切った規制緩和をしたらどうだろう。そこで企業誘致のため大規模な減税をし、AI人材養成のために特化した大学もつくり優秀な人材を世界中から集めたらどうか。世界中から優秀な人材を大量に引き抜き、自動運転のテストも公道でできるよう規制緩和をし、上記IT企業に勝てる企業を育てる。AI・人工知能に必要なビッグデータを人海戦術で集める。

ドローンによる配送、無人の農業機械の運用、無人レジなど小売り・物流のロボット化、ホテル・レストランのロボット化など、首相に強い権限を与え国主導で強力にAI化・ロボット化を進めるべきである。AIの分野では周回遅れと言われる日本だが、かつての「追いつき追い越せ」のキャッチで国を挙げてAI産業を支援するときだ。

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2017年6月12日 (月)

政治家は国を豊かにする方法を議論せよ。(No.250)

約5か月間の通常国会が終わろうとしている。6月9日には骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)が発表された。新聞各紙、それほど大きく取り扱ってはいないが、債務のGDP比を減らす事が財政の目標に加えられたことで、歳出拡大の布石になるおではないかとか、10%への消費増税に暗雲がたれ込み始めたのではないかとか、財政規律が緩むのではないかとか様々な見解が出されている。これまでの成長戦略は家計を潤さなかったという指摘もある。

残念ながら国会議員達はこういう「家計を潤させるための」議論にはほとんど興味を示さず、国民生活からはほど遠い森友学園問題とか、加計学園問題とかばかりに焦点があたっていた。ということは、与党はこの議題なら逃げ切れると考えなのだろう。野党は追求のための追求であり政権奪還のための追求にはとうてい思えない。この野党の追及が功を奏したとしても、民進党に再び政権を担って欲しいなどと思う人はいないだろう。一度民主党に政権を任したが悪い記憶しかない。マニフェストは何一つ実現しなかったし、沖縄を混乱に陥れ、原発事故対応では大失敗をし、マニフェストにはなかった消費増税法案を定め、消費増税は国民を苦しめデフレ脱却を困難にした。野党の政権奪還には、まずこれらの失敗の総括が欠かせない。

日本は二十数年前には一人当たりのGDPという意味で世界一豊かな国であった。経済政策の失敗で今は先進国の中では最も貧しい国になってしまった。しかも国の借金のGDP比は世界最悪だ。本当に日本経済を救いたいのであれば、何が悪かったのかを国会議員は真剣に議論しなければならないのだが、そういう議論は全く聞かれない。国の借金を減らすために緊縮財政政策を続けた小泉元首相だったが、国の借金もそのGDP比も増え続け、デフレ脱却にも失敗した。しかし国の債務のGDP比を減らすにはGDPを増やせば良いだけだという議論が最近チラホラ出てきた。全くその通りでGDPを増やすには積極財政政策を行えばよいだけだ。小泉氏の緊縮財政ではGDPが増えないし、逆に減ってしまうから債務のGDP比は増えてしまう。

積極財政政策では国の借金そのものが増加してしまうと心配する人がいる。つまり分母のGDPも分子の借金も増えてしまうから、どちらの増加率が大きいかという問題になる。財政規模を拡大するのがよいのか、縮小するのがよいのか、現在の規模が最良なのかという問題は、日本の運命を決める極めて重要な問題であり、国会議員は最優先して議論しなければならないはずである。このことについて我々は十数年間その議論の重要性を訴えてきたが、与党も野党もこの問題を議論するのを避けている。一方で、内閣府は計量モデルで中長期試算を発表しており、その試算に基づいて政府の様々な政策立案を行っている。その試算を行う基となる方程式や乗数は2010年まで毎年のように発表されていたし、内閣府計量分析室のホームページに公表されている。そこではっきり示されているのは、財政を拡大すれば、債務のGDP比は減少するということだ。だったら、財政を拡大することにより、国の借金は実質的に減るし、デフレから脱却できるし、景気は回復できるし、日本国民にとってこれほど素晴らしいことはない。

昨年度の国の税収は7年ぶりに減るそうだ。成長しない日本を離れ企業は海外に出て行くために国内産業は廃れていることにも原因がある。また預金が1000兆円を超えたそうだ。将来不安を抱く国民が手持ち資金を消費や投資に使わず、利子がほぼゼロの預金に積んでおこうとしており、「死に金」が増え続けている。これが増え続ければ、経済全体が衰えていく。経済を生き返えさせるには、財政を拡大し、緩やかなインフレを起こし、預金を活用しないと目減りしてしまう経済状態にすればよい。その時、死んだお金が再び動き出し、経済が活性化し、国の借金の問題も解決する。

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2017年6月 5日 (月)

現在の日本経済は第二次世界大戦前夜の経済状況に似ている?(No.249)

米国はパリ協定離脱という全く馬鹿げた方針を打ち出したし、日本の国会はと言えば森友学園問題とか、加計学園問題とかという、デフレから脱却し国民生活を豊かにするためには全く役に立たない議論ばかりでうんざりする。日本の国会は1日で3億円かかると言われており、こんな些末な議論ばかりしている国会などいらないと感じてしまう。なぜ国民生活に重大な影響を与えるデフレ脱却の方法、没落する日本経済を救う方法を真剣にそして徹底的に議論しないのだろうか。

現在の日本経済は第二次世界大戦前夜の経済状況に似ているという論評(編集委員 永井洋一)が6月2日の日経QUICKニュースで流れた。人手不足でも賃金が伸びず、消費が低迷しているところが似ているのだそうだ。しかしながら当時の状況は今とはまるで違う。当時は満州事変が勃発し、働き手の多くが戦場に送られたし、軍需工場でも働かされたから人手不足も当然だ。日銀の国債引受により得た莫大な資金がそれを支え歳出に占める軍事費の割合も50%を超えた。その資金が国民に流れ消費が拡大すれば、インフレが進んでしまうからという理由で、国は消費を抑えるために様々な施策を行っている。

1,日銀が引き受けた国債を市場で売り、国民からお金を回収した。
2.「欲しがりません勝つまでは」」「ぜいたくは敵だ!」「日本人ならぜいたくは出来ない筈だ!」「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」「遂げよ聖戦 興せよ東亜」「聖戦だ 己れ殺して 国生かせ」「進め一億火の玉だ」「石油(ガソリン)の一滴、血の一滴」「全てを戦争へ」などの戦時標語を掲げ、女性や子供を含む非戦闘員の国民にまで耐乏生活を強いた。従わない者は「非国民」と言われ迫害を受けた。
3.国民貯蓄増強として国民の愛国心に訴え、事実上の強制割り当てで貯蓄をさせた。貯蓄組合が貯蓄推進の実行団体となった。厳しい貯蓄目標が出されたが、実際にはその目標を上回るだけの貯蓄があった。欧米の植民地支配からアジアを解放するという大義名分の下、国民が一致団結した。
4.物不足に苦しみ、1941年には米の配給制が始まり闇取引も行われた。

消費が伸びない理由が、永井氏の主張するように当時と現在で同じだろうか。当時は物不足に耐えてでも戦争に勝とうとしていたのだ。それと反対に現在は物余りで政府は消費が伸びて欲しいと思っているのに、歳出削減や消費増税などの増税を行っている。支離滅裂な経済政策で日本は20年を失った。

そもそも日本人は倹約が美徳と考え、借金をしてまで浪費をすることを嫌う。「もったいない」が国際用語になってしまった。環境問題を考える上でそれは悪いことではない。しかし豊かで持続可能な社会を建設するにはむしろそのためにお金を使ったほうがよい。パリ協定から離脱するより、お金を刷って環境対策をしっかり行った方が、雇用を多く生み出ししかも環境に優しい。

戦前・戦中には政府に騙され戦争に勝つために節約を強要されたが、戦争が誤りであったのは国民全体が理解している。今は平和の時代。北朝鮮もいきなり日本に先制攻撃を仕掛けてくることは考えられない。戦争から解放され、物余りの時代になったのだから、これからはもっと国民にお金を渡し、平和の報酬を国民に与えるべきである。そのためには消費増税でなく、消費減税であり、人手不足対策のためのAIロボット投資、少子化対策、教育投資などいくらでも投資先はあり、刷ったお金の使い道には困らないはずである。

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