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2017年7月20日 (木)

今年も内閣府計量分析室はオオカミ少年だった(No.256)

7月18日に内閣府から「中長期の経済財政に関する試算」が発表された。よくもまあここまで数字をでっち上げられるものだと呆れてしまう。電話で担当者に話しを聞いても鉛筆ナメナメで作られたものだということが確認できた。

直ぐ気付くのは2016年度の名目成長率が前回の1.5%から1.1%に下方修正されたことだ。さすがオオカミ少年で、これから景気は良くなりますよと言っておいて、後から「そうなりませんでしたが、来年度は景気は良くなります」と言う。これを毎年繰り返している。ここで下方修正するなら次の2017年度も下方修正するのが筋だろうと問い詰めても、2017年度の数字は「見通し担当」が出した数字であり当方は一切関係ありませんと言って逃げる。巧妙な責任転嫁の方法であり、バラバラの部署で作った数字を無理矢理一つの表にして責任のなすり合いをしている。全くふざけているとしか言いようがない。

内閣府は名目成長率は3%だと決めつけて試算を行っている。2001年度は500兆円だったから、3%成長がずっと続いていたら2016年度は779兆円になっていたはずで、オオカミ少年は懲りもせず毎年下方修正した結果、2016年度の名目GDPは537兆円にしかなっていない。こんな子供だましはもう止めて欲しい。

それにしても過去20年間の名目成長率は平均でほぼ0%なのに、ここで予測されているのは名目3%を超える信じがたい数字がずらりと並ぶ。何が原因で日本経済は一気に高成長になるのかと聞くと、改革によって生産性が上がり成長すると答えた。でも小泉内閣の時も構造改革を盛んにやっていたが、名目成長率はほぼゼロだったではないかという問いに対して内閣府は答えられなかった。

今回の予測は半年前の予測に比べ緊縮型だ。歳出を数兆円削減する予測となっている。それなら成長率は下がるはずだがそうなっていない。緊縮財政でも名目成長率は下がらないモデルなのかと聞くとそうではないという。そこにはトリックがあった。苦肉の策として金利を下げたのだ。それによって国の利払い費が下がり国債費が減り歳出を削減することができた。

世界は今景気回復局面にあり、金利は上昇し始めている。しかし、日本は取り残されていてひたすら異次元の金融緩和で金利を下げ続けるということだ。例えば2019年度には名目GDPは3.6%成長、物価上昇率2.3%なのだが、長期金利は僅か0.7%だ。過去の金融政策を見ると、2007年2月に日銀は金融市場調節の操作目標の誘導水準を0.25%前後から0.5%前後に引き上げた。成長率もインフレ率もほぼゼロの時代に金利を上げた。そんなせっかちな日銀が名目GDPが3.6%成長、物価上昇率2.3%にまで景気が回復しても本当にそんな低金利でずっと我慢し続けるのだろうか。鉛筆ナメナメならなんとでも言えるのだが。

低金利でずっとやっていく事の危険性は色々ある。世界の景気は今上向いているが、そのうちまた不況がやってくる。そのときまでに日本がデフレ脱却に失敗していたら、世界景気の後退という逆風でまたデフレが深刻化する。

金利が下がると言うことは資金需要が減るということだ。つまり景気が悪化し投資意欲が減退し、融資を受けても設備投資をしようとする意欲が出ない。だったら成長率が落ちるはずだが、そうなっていない。何の根拠もなく、金利を無理矢理下げて国債費を減らし歳出が減ったように見せかける。内閣府はこんな悪巧みをする暇があったら、2010年を最後に発表しなくなった乗数を公表すべきだ。そうしないとどういうモデルを使っているのか隠蔽されたままだ。筆者は再三に渡り乗数を公表せよと要求しているが、内閣府は「準備中」だと言ってひたすら隠す。隠す理由は明かで、乗数を示すと歳出を拡大すればGDPが増えて国の借金のGDP比が減ることが暴露されるのだ。そうなれば歳出を拡大せよという声が高まり収拾が付かなくなると考えているのだろう。しかし歳出拡大でデフレ脱却、景気回復、インフレ目標達成、債務のGDP比の減少という国民が望む事がことごとく実現できるのに何が問題だというのだろう。内閣府はオオカミ少年をそろそろ止めて国民のための経済政策を考えたらどうか。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

 今晩は。higashiyamato1979です。つくづく内閣府は相変わらずですね。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: higashiyamato1979 | 2017年7月21日 (金) 19時20分

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