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2017年8月14日 (月)

安倍総理は何を間違えたか。(No.258)

安倍内閣の支持率が下がっている。稲田防衛大臣が辞任を表明したこともその一因のひとつになっている。安倍氏は女性の活躍する社会を目指し、稲田氏に期待したのだろうが、人選を誤ったということだろう。ただ、日報の公表問題だけに限れば、本当にこれがそれほどの大問題なのかは疑問だ。そもそも自衛隊のPKO派遣は世界平和に貢献するという目的であり、隊員の一人が日報に「戦闘」という言葉が間違って入れたとしても、国中で大騒ぎをするほどの問題ではない。国連が世界の警察官としてPKO部隊を派遣するということは世界平和に貢献するのは間違いない。戦闘地域に入れなかったらPKOの意味はない。憲法違反だというなら、自衛隊の存在自体が憲法違反なのであり、国際社会の一員としての義務を果たすのであれば、憲法を改正するしかない。日報に「戦闘」という言葉が入っていたというだけで、これだけの大騒ぎをするのは日本だけだろう。

総理が、あるいは大臣が不用意に言ったつまらない一言で日本中が大騒ぎをする。後で訂正してもそれが収まらない。こんなことばかりやっていて、重要な事を忘れてしまう。こんな国は世界中探しても日本しかない。アベノミクスを掲げて第二次安倍内閣が発足した頃はこんなことはなかった。アベノミクスに国民が期待していたからだ。その期待が薄れた今、マスコミは些細な政治家の失言で大騒ぎをするようになった。安倍総理はアベノミクスの精神に立ち戻り、財政と金融の2本建てでデフレ脱却を目指すべきではないか。

極めて小さな扱いだったが、読売新聞が参議委員議員99名が積極財政を首相に要請したと報じた。最近新聞を賑わしているニュースより100倍も、いや1000倍も国民の暮らしに影響があるニュースだ。この要請は「真アベノミクスを求める要望書」を提出することにより行われた。
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/no-53b4.html
同様な動きは衆議院でも起きている。
それは「日本の未来を考える勉強会」であり、呼びかけ人 安藤裕衆議院議員(自民党)である。2回生議員100名中28人が連名で提言書を提出した。その内容は
〇基礎的財政収支黒字化の目標を取り下げよ
〇公共事業や教育分野の歳出を思い切って増やせ
〇消費税は増税せず、むしろ5%への減税も検討せよ
である。

積極財政で財政を拡大すると国の借金が増えると心配する人がいるかもしれないが、しかし、日本経済のマクロモデルで調べた結論は積極財政により国の借金は実質的に減るということだ。例えば内閣府は平成20年1月17日に「進路と戦略」を発表した。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/h20sisan.pdf
成長シナリオケースA  (14.3兆円)は積極財政政策に相当し、ケースB  (11.4兆円)は緊縮財政政策に相当する。ここで得られた結論は緊縮財政政策に比べ積極財政政策は、名目GDPが増大し、GDPデフレーターが上昇し(つまりデフレ脱却が可能)、失業率は減少し、国の借金のGDP比は減少するということだった。

つまり積極財政はすべての面で緊縮財政より優れており、国の借金も実質的に減少するというもの。国を豊かにし、国民を豊かにし、国の借金の重圧から解放されるのだから、一刻も早く実施すべきである。マスコミも国民生活にも国民の安全にも全く無関係な報道ばかりするのでなく、このような極めて重要な事実を国民に広く知らせる努力をして頂きたい。そして安倍総理は思いきって財政拡大を行い没落を続ける日本経済を救い、支持率を回復させるべきだ。

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コメント

 今晩は。higashiyamato1979です。マトモな政党が自民党以外に無かったとはいえ増税やむなし、増税まったなし一辺倒では流石に愛想が尽きるのは当然です。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: higashiyamato1979 | 2017年8月15日 (火) 17時50分

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