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2017年11月14日 (火)

AIで周回遅れになった日本を救うための議論をせよ。(No.273)

マスコミも国会もまだ家計学園問題を議論しているが、そんな問題より遥かに重要な問題がある事を忘れている。AIで日本が周回遅れになっており。これが将来日本の発展にとって致命的な問題になりそうなことだ。

日経新聞と学術出版大手エルゼビア(オランダ)が分析した結果では、人工知能研究の論文で引用が多い機関別順位は次の通り。
1 マイクロソフト               米国       6528
2 南洋工科大学           シンガポール      6015
3 中国科学院                中国       4999
4 フランス国立科学研究センター     フランス    4492
5 カーネギーメロン大学           米国      4389  
61  東京大学                日本     1393
262  東工大                  日本      520
日本がAIの分野で大きく遅れているのは明かである。

未来社会では製造業は廃れ、ハイテク企業が世界を席巻する。世界時価総額ランキングでは1位のアップルが8731億ドル、2位のアルファベット(グーグル)が7120億ドル、3位のマイクロソフトが6417億ドル、4位のアマゾンが5326億ドルでいずれもアメリカである。中国も進出が目覚ましく6位のアリババが4676億ドル、8位がテンセントの4216億ドルでアメリカ勢を激しく追い上げている。日本の最高位は39位トヨタの1844億ドルであった。1989年、時価総額ランキング20位までに日本企業は14社入っていた事を考えれば、積極財政でデフレ脱却をせず日本経済を衰退させてしまった政治家の責任は重い。

AIを駆使した自動運転技術は社会を大きく変えようとしている。先頭を走るグーグル系のウェイモは0.36平方kmという広大な走行試験用につくられた「架空の町」で自動運転技術の開発を進めている。ここでは公道ではできない走行試験を行っている。公道ではすでに560万kmの走行試験を終えている。自動運転車の開発では日本は大きく遅れており、やがてトヨタがグーグルの下請けになるのではないかという心配の声が上がっている。

2017年度補正予算の編成作業が始まると、マスコミは財政規律・財政健全化の話を持ち出し、財政拡大を阻止しようとする。今は財政出動の必要な経済状況ではないと主張する。しかし、約20年間デフレ脱却ができず、世界の中で際立って成長率が低い日本で、なぜ財政拡大が必要ないと言えるのか。財政破綻の可能性を取り上げたがるのだが、金利がほぼゼロに貼り付いている今、何を根拠で財政破綻を恐れるのか。最近20年間財政が破綻すると脅し続けた人たちは今こそ主張が間違いであったことを認めるべきだ。そしてデフレ脱却と財政健全化につながり没落する日本を救う財政拡大を主張すべきである。

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コメント

 今晩は。higashiyamato1979です。つくづく日本の経済言論はここ2~30年に亘って迷走に迷走を続けました。そのツケでしょうね。今からでも積極財政で遅れを取り戻さなければ・・・。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: higashiyamato1979 | 2017年11月14日 (火) 18時48分

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