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2017年12月 4日 (月)

税収がバブル期並になっても全然駄目な理由(No.276)

来年度(2018年度)の税収は27年前のバブル期並だとマスコミは言う。あたかも今はバブル期並の好景気だと言いたいのだろう。OECDのデータを使って各国の歳入の比較をしてみた。
          出所:OECD Economic Outlook
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グラフから分かるように、27年前と比べれば歳入は途上国なら約10倍、先進国でも3倍前後になっていて、27年前と余り変わらないのは日本だけだ。これは名目GDPの伸びと密接に関係がある。

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この図で分かるように、諸外国では名目GDPは急速に拡大しているのに対し、日本だけは停滞したままだ。バブルの時代、日本は豊かさを実感した。やがて日本が世界一になるという期待から資金が世界中から流入し、株も土地も値上がりした。しかし、株も土地も持たない人のねたみからか、バブル=悪という論調がマスコミを支配した。持てる者と持たざる者の争いに見えた。バブルを潰せば持てる者から持たざる者へカネが流れるとでも思ったのだろうか。残念ながらバブル潰しは持てる者も持たざる者も同時に貧乏にしてしまった。世界中から集まったカネは蜘蛛の子を散らすように逃げてしまった。

バブルが崩壊し一気に貧乏になってしまった日本に、カネは戻って来なかった。これが日本だけが発展しない理由だ。しかしカネは自国で刷ればよく、それにより海外へ逃げ出したカネの穴埋めをすることはできる。その意味でお金を刷る政策であるアベノミクスは正しいのだが、増税と歳出削減による財政健全化目標がアベノミクスを台無しにした。

そもそも財政健全化目標はEUの目標を真似たものだった。EUのように独自通貨を持たない国々がそれぞれカネを刷っていくらでも使ってよいわけがないのは当然なのだが、それを独自通貨を持つ日本が真似てはいけないのは自明だ。そのEUだがグラメーニャ財務相は、ユーロ圏改革の最重要課題として、EUの財務協定(財政健全化)を成長重視の内容に改めるべきだとの見解を明かにしている(12月2日の日経新聞)。成長を生み、技術革新を後押しする公共投資は一般の歳出と分けて扱い、成長にもっと焦点を当てると述べている。

お金を刷って歳出を増やせばどうなるのか。マクロ計量モデルを使ったシミュレーションでも明かなのだが、歳出を拡大すれば経済は拡大し、歳入も増えてくる。

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この図でも日本だけが歳出を増やしていないことが分かる。結論は簡単だ。歳出を増やせば、デフレから脱却でき、GDPが増え、それに比例して税収が増え財政が健全化する。財政拡大の「実験」をして財政が健全化しなかったらどうするのかという質問が必ず出てくると思う。デフレ下で緊縮財政を行うという経済理論に反する「実験」を行って、国を貧乏にしてしまった。次は、その失敗を反省し、積極財政に転換してはどうだろう。

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コメント

 今日は。higashiyamato1979です。緊縮財政のツケは大きすぎますね。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: higashiyamato1979 | 2017年12月10日 (日) 16時48分

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