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2018年1月28日 (日)

内閣府計量分析室(オオカミ少年)が新しい試算を発表した(No.288)

2018年1月23日に内閣府より『中長期の経済財政に関する試算』が発表された。成長率予測が高すぎると経済財政諮問会議から批判され、全要素生産性を下げて成長率を下げたようである。どれだけ下げたかは図1で分かる。

図1

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黒の実線が今までの名目GDP の実績であり、点線が今回の予測である。ほんの僅かの下げだと分かる。名目GDPは2027年度には757.9兆円にまで増大する予測だ。この図で明らかなように、3%成長するのだと政府が言っているからそれに忖度する義務があり、それ以外の結果を内閣府計量分析室は出せない。その結果3%成長の試算を出すしかないのだ。名目GDPは2001年度518兆円だったのだから、その後ずっと3%成長を続けていたら2018年度には857兆円になっていたはずだ。世界の中ではこれでも低すぎるくらいの成長率だから、如何に日本経済が停滞しているかが分かる。

成長率を高めるには減税や歳出拡大をすればよいだけだ。そうすれば基礎的財政収支が悪化するから反対する人がいる。今回の試算で基礎的財政収支がどうなるかを示したのが図2だ。2026年まで赤字は続く。しかし赤字でも債務のGDP比(右目盛り)は下がり続けるというのが試算結果である。

図2

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ここから重要な結果が導かれる。債務のGDP比は基礎的財政収支が赤字であろうと黒字であろうと関係無く下がり続けるということだ。逆に債務残高は基礎的財政収支が赤字でも黒字でも増え続ける。どこの国でも同じだ。日本以外は債務残高の増大をそれほど気にしていない。なぜなら名目GDPも同時に増え、債務残高のGDP比はそれほど増えないからである。ということは基礎的財政収支など財政健全化には関係ない。債務のGDP比を下げることだけ考えれば良い。

図3は長期金利の推移と内閣府の予測との比較である。実績は黒い実線、今回の予測は黒い点線で示してある。それと共に2002年以降、各年の試算で予測された金利も示した。

図3

2883


笑ってしまうのは毎年金利が急騰すると予測し、実際はジリジリ下がり続け遂にゼロにまで下落したということだ。この試算が如何に馬鹿馬鹿しいものか、もしこんな失敗を気象庁がやったらどうなるだろう。天気予報で「明日から1週間程度は急激に気温が上がり続けるでしょう」と予報を出し同じ予報が17日間も連続で出されたとする。実際はこの17日間ジリジリ気温は下がり続けたら国民は何と言うだろう。どうしてこんな馬鹿な予報を出し続けるのかと問うと「総理大臣が気温が上がって欲しいと願っているからその願いに添うような予測しか出せないのです」と答える。各省庁はこの予測通りになると仮定して政策を策定し、マスコミもこの予測が正しいとして論評する。

これが気象庁の予報であれば、税金を使ってこんな予報など出さなくて良いと言われるに違いない。しかし経済予測の場合、国民もマスコミもこの試算が何か意味があるものと思い込んでしまい、緊縮財政が必要だと勘違いし20年もの間デフレから抜け出せなくなってしまい経済を衰退させてしまった。このままでは日本はどんどん貧乏になる一方だ。財政健全化と景気回復を同時に実現する方法を内閣府では示している。次のサイトの6頁を見て頂きたい。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/ef2rrrr-summary.pdf
公共投資を5兆円増やせば債務のGDP比は1.65%PTだけ減ると書いてある。これは公共投資だけに限らず、あらゆる政府支出について言える。内閣府にこのことを言うと、5年後には逆に債務のGDP比は増えると言う。図1を見て頂きたい。内閣府の5年後の予測は全く当たらない。信頼できるとすれば1年後だ。1年後にまた同じ検討をすればまた同じ結論に達し、それを5年間続ければよいだけだ。つまり減税・歳出拡大をすれば景気が回復するだけでなく財政も健全化する。

今からでも遅くない。減税・財政拡大をして消費を拡大し、デフレ脱却、経済活性化を実現し豊かな国の再建を始めようではないか。

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コメント

 今日は。higashiyamato1979です。小野先生の辛抱強く、しかしポジティブな姿勢を忘れない。マスゴミも少しは見習えと言いたいですね。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: higashiyamato1979 | 2018年1月28日 (日) 15時45分

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