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2018年3月

2018年3月27日 (火)

詐欺師籠池泰典と共謀して政府を転覆させようというのか(No.293)

立憲民主、希望、共産の野党3党の衆院議員は23日午後、大阪拘置所に勾留されている学校法人「森友学園」前理事長の籠池泰典と接見した。安倍首相の失脚を狙った動きだ。筆者はこれらの政党の一部議員を強く支持するものではあるが、この動きには強い違和感がある。筆者だけがそう思っているのでもなさそうで、3月22日の産経新聞にも「野党・メディアの魔女裁判いつまで」というタイトルで論説が載っていた。詐欺師籠池泰典の話すことは神のお告げのごとく信じ、安倍昭恵夫人の話は何も信じられないとして追求する。これはまるで人民裁判だ。繰り返し追求しているうちに、全く落ち度が無くても追求を受けている人は悪人に見えてくるし、何か悪いことを隠しているような印象を与える。

首相夫人が様々な所で講演をし、頑張っている人たちを応援することにどんな罪があるのか。頑張っている人たちがそれを悪用したり、財務省の官僚が忖度したり、公文書書き換えをしてそれが違法なら、それは関係者を司法の場で裁くべきことであり、忖度された首相なり首相夫人には責任はない。もしこの件で安倍夫妻が私腹を肥やしていたという客観的な証拠があれば国会で追及すればよく、そうでなければ国会はもっと国民の利益のための仕事に専念すべきである。安倍首相と昭恵夫人に脅迫状が2度届いているそうだがとんでもない話だ。民主主義とは国民が政治を任せたい代表を選び、その代表の意向に沿った政治が行われるよう、様々なレベルで忖度し協力していくのがルールだ。それを否定するなら国民から選ばれたわけではない官僚主導の政治となり民主主義の否定になる。

第二次安倍内閣が発足する前は首相が毎年のように交代していた。原因は国民の不安と政権への不満があった。長く続く不況、みるみる没落していく日本、国の借金で日本が破綻するかも。こんな不安の中、新しい首相が救ってくれるのではないかと淡い期待で首相を交代させ、全然何もよくならないので支持率が急落し別の人を首相に選ぶ。第一次安倍内閣から始まり、福田、麻生、鳩山、菅、野田と毎年首相は代わったが経済は良くならなかった。しかし第二次安倍内閣のアベノミクスに国民は期待した。株も上がり、求人倍率も上がった。国民はアベノミクスに希望を託し、些細なことで首相を失脚させることはしなかった。しかし今年になってアベノミクスの賞味期限が切れそうになってきた。ちっとも生活はよくならないし、株も下がり円高の悪夢がせまってきた。生活保護費も下がるし、来年にせまる消費増税も重荷だ。世界的な好景気もそろそろ終わりそうだ。そうなると日本はまた首相が毎年代わって、何も出来ない政府が続く終わりの見えない暗黒時代に逆戻りする。

安倍首相は今こそアベノミクスの初心に戻るべきだ。財政と金融をフルに使えば、デフレは簡単に脱却できる。金融は十分行ったのだから、あとは財政の番だ。これまでは財務省に遠慮して財政に関しては遠慮がちだったがもうその心配はない。これだけ財務省の公文書書き換えで非難が集中しているときだから、財務省は何も抵抗できない。消費増税を中止し、財政支出を拡大すればすぐにデフレから脱却でき、経済成長で国民は豊かになったと実感するようになり内閣支持率も回復する。国の借金が増えるのではないかと心配する人もいるかもしれないが、それは逆で、GDPが増えれば国の債務の対GDPは減るという試算を内閣府が出している。
http://www.esri.go.jp/jp/prj/current_research/short_macro/index.html
つまり実質的に国の借金は減るのだ。それでも心配であればマクロモデルの専門家を集めてこの内閣府の試算が信頼できるのか徹底的に議論し最終結論を出すべきだ。

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2018年3月19日 (月)

財務省をぶっ壊せ!(No.292)

公文書改竄問題で財務省が「国民を騙した」として非難されている。ただ、森友問題の国民生活への影響の大きさはどうかと言えば、非常に小さな国有地の売却問題であり、この問題自体は国民生活にはほとんど影響しない。財務省が国民を騙したのは、これが初めてではない。これより遥かに重大な問題で国民を騙し、そのお陰でかつて一人当たりのGDPでほぼ世界一だったのに、今では先進国で最低水準の貧しい国になってしまった。

今でも財務省のホームページには「国の財政を家計に例えた場合」が説明してある。
http://www.mof.go.jp/zaisei/matome/thinkzaisei06.html
それによると、1世帯の月収が50万円の時、一月の生活費が80万円である家計に相当するのだという。足りない分30万円は借り入れで補っている。結果としてローン残高は8400万円になるのだそうだ。だから増税をさせてくれ、歳出も削減してくれというのだ。しかし、この家計の例を銀行に行って聞いてみればよい。行員は言うだろう。この家計は破綻していると。どこの銀行もこんな家庭にカネを貸さない。つまりこの家計はすでに破綻しており、ローンは不良債権になっているのだ。

しかし財務省は財政が破綻しているとか国債が紙くずになったとは言わない。財務省のホームページの別な所には正反対の事が書いてある。

外国格付け会社宛意見書要旨
http://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm
自国通貨建ての日本国債はデフォルトはあり得ない、つまり自国通貨はいくらでも発行できるのだから破綻しないとのこと。

明らかに国民を騙そうとしている。上記の家計はいくらでもお金を刷ることが許されていることが前提となっている。それなら増税も歳出削減も必要はない。国の借金と言ってももともと刷ったお金を借りただけだ。足りなければまた刷れば良い。

内閣府は公共投資を増やした場合、国の債務の対GDP比がどうなるかを計算している。
短期日本経済マクロ計量モデルの2015年版の結果は次のサイトにある。
http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis314/e_dis314.pdf
結果は予想通りで、約5兆円公共投資を増やすと、国の債務のGDP比は3%前後減るという結果になっている。同様の計算は内閣府2~3年ごとに行われ発表されているが、国の債務のGDP比が公共投資増額により減少することが毎回示されている。公共投資を増やせば国の借金は事実上減るのだ。

これらの事実を考えれば、国の財政を考えデフレ脱却を目指す現在、増税・歳出削減をしなければならないとする財務省の主張は国民を騙していると言わざるを得ない。この主張がデフレ脱却を不可能にし、かつて世界一豊かな国であった日本を、ここまで貧乏な国にしてしまったのだから「財務省をぶっ壊せ!」と言いたくなるのは私だけだろうか。

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2018年3月12日 (月)

マスコミは、国民の生活・安全に関する報道を重視すべきだ(No.291)

3月10日のテレビ朝日の番組で「今週のニュース!気になる人物トップ10」でトップになったのはレスリングの栄強化本部長であった。なんと栄氏関連ニュースは、金正恩・トランプのトップ会談のニュース以上に注目しているというのである。テレビ局は公共の電波を使う限り、日本国民の生活・安全に関するニュースに注目する義務があるのではないか。北朝鮮の挑発は、アメリカと北朝鮮の武力衝突の可能性も指摘されており、最悪の場合日本が核攻撃を受ける可能性さえ否定できないのである。内閣府の調査だと戦争に巻き込まれる危険があると回答している人は85.5%に達し過去最高だ。拉致問題もあり、金正恩・トランプのトップ会談のニュースは間違いなく栄氏のニュースより日本国民にとって気になるニュースなのではないか。栄氏の問題は、当事者間でよく話し合って解決すべき問題であって、日本国民全体で注目すべき問題ではない。

トップ10の第3位は森友学園問題だ。筆者は正直全く興味がない。国有地を払い下げ、その価格が市場価格より8億円低かったとのこと。籠池前理事長は大阪府の補助金をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕され、森友学園は民事再生手続き中である。財務省でミスがあったのなら責任者を処分なり裁判にかけるなりすればよい。安倍総理に刑事責任が問われる事件なら話は別だが、関与は全く無かったということだ。この問題も日本国民の生活にも安全にも無縁のものだが、うんざりするほど長時間マスコミも国会もこの問題を取り上げている。一方ではバブル崩壊で日本国民は株と土地の下落で千数百兆円を失った。国が通貨発行権を行使すれば失ったものを取り返すことは可能で、そのことを議論したほうがよほど国民のためになる。昭恵夫人と籠池氏の暴走に周囲が振り回された形だが、こんなことで政権が危うくなり、悪くすると日本経済全体に暗い影を落とすことになるとしたら馬鹿げた話だ。

更に驚かされたのは、トップ10までにトランプ大統領の輸入制限措置のニュースが入っていないことだ。これは日本経済ばかりでなく、世界経済にとって深刻な影響を及ぼしかねない問題だが、その重要性を理解できていないとは情けない。日本が輸入制限から除外されるかどうかで日本経済には大きな違いが出るのだから注目しなければならないはずだ。

日本国民生活を改善したいという気持ちが少しでもあれば、日本の製造業の労働生産性が急激に落ちているという報道に注目したはずだ。日本生産性本部によると2000年には日本の製造業の生産性は世界一だったのだが、2015年には14位にまで落ち、トップのスイスの半分にまで下がっている。これを放置すれば、日本は製造業の国際的な競争力を完全に失い、貧しい国へと変わっていく。レスリングのパワハラ問題とか森友問題とかばかり放映するのでなく、窮乏化する日本を救う方法はないのかに焦点を当てて報道すべきではないか。日本の名目GDPは20年前をほとんど変わっていないが、もし3%成長が続いていたら今頃GDPは900兆円程度にはなっていた。政治家の間違えた政策により数百兆円もの損害が出た。森友の8億円の50万倍だ。

我々は前の世代から豊かな経済を引き継いだ。これを貧しい経済に変えて次の世代に引き渡すことに申し訳ないと感じないのだろうか。今からでも遅くない。挽回は可能だ。通貨発行権を行使し、これから経済を牽引してくれる分野に思い切った投資をすることだ。すでに日銀は刷ったお金で大量に国債を買い続けている。政府は国債を発行しこの刷ったお金を吸い上げ、次の世代のためにAIなど、日本経済を牽引してくれる分野に巨額の投資を行い、世界経済の牽引役になる努力をすべきだ。そうすれば、対米貿易黒字も減少し、トランプさんも日本に対する輸入制限措置を撤回してくれるに違いない。

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