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2018年4月

2018年4月30日 (月)

Make Japan Great Again 日本を再び偉大な国に (No.299)

最近の国会の体たらくは目に余るものがある。日本を豊かにしよう、国民の安全を考えようとする努力をせず、森友・加計問題、日報問題、セクハラ疑惑など関係無いことで国会は空転している。挙げ句の果ては野党の審議拒否だ。これは職場放棄に過ぎない。どの政党でもよい。トランプに対抗してMake Japan Great Again(日本を再び偉大な国にしよう)というスローガンを掲げて欲しい。「国民の生活が第一」がかつて民主党のスローガンだった。その後、「国民の生活が第一」という政党ができた。国民の生活が第一なら、森友・加計問題、日報問題、セクハラ疑惑などの追求ばかりしているのはおかしい。

Make Japan Great Againを実現するには
①国の借金の増加を恐れぬ大規模な減税と財政拡大をせよ。これこそ日本の失われた20年から脱却し、日本を偉大な国にする唯一の政策だ。
②自国の企業が国内で投資し易いよう国が助けよ。そして海外企業の日本への進出を助けよ。得にAI/ロボットの分野で世界のトップIT企業に肩を並べるような企業を官民で協力して育てよ。

官僚のセクハラ疑惑だけで議会が空転するような事がアメリカでは起こり得ない。米国ではトランプ大統領にセクハラされたという女性が16名現れ、記者会見をして体験を語っている。「突然襲ってきた。胸とスカートと下着の中に手を入れてまさぐったと」主張。セクハラ被害を訴えるには、このように記者会見をするのが絶対条件だ。トランプ大統領も昨年の大統領選中、セクハラ行為を自慢した過去の音声テープを暴露された。それでも野党の民主党が審議拒否をしていない。自衛隊の日報問題も、森友・加計問題もアメリカだったらどのように扱うか比較しながら検討すべきである。国会の機能不全で政府が機能不全になっていることが日本の衰退に繋がっているのであり、この際、アメリカでは諸問題をどのように処理し、自国の利益を守っているのか参考にすべきである。

日本女性の何十%は何らかのセクハラ被害の経験を持つ。とはいえ、加害者にされた男性の多くは、あれはセクハラとは言えないと主張するだろう。一人の官僚と一人の女性記者の非難の応酬。日本中どこにでもあること。そのことで安倍政権を倒させてよいのか。安倍政権は国民が選んだ。与党は圧倒的な支持を得て政権を獲得した。

この二人の言い争いは、安倍氏の政治が悪いという証明になるのだろうか。トランプ氏の脅しで北朝鮮は核を放棄するかもしれない。それならトランプ氏はノーベル賞受賞が確実になる。つまりよい政治をすれば、少々の不祥事は大目に見るし、官僚や閣僚の任命責任は問われないというのが世界の常識だ。

森友・加計問題、日報問題、セクハラ疑惑など、些細な問題で政治をマヒさせて良いわけがない。またこの種の追求で政権交代が実現するわけがない。現政権をこのような形で引きずり下ろしても、次の政権も同様な手段で引きずり降ろされ、結局国民は政府の無策により甚大な被害を受け続ける。そしてこれを永遠に繰り返しながら日本国民は奈落の底に突き落とされる。野党は国民が選んだ政府の政策は妨害せず、与党が掲げた公約が実現しなかったら、厳しく追及し、与党の公約に代わる政策を提案し、次の選挙に臨めばよい。

どうやれば没落する日本経済を救い、国の借金の問題を解決できるのか。それはマクロ計量モデルから結論が出ている。減税で消費を刺激し、財政拡大でデフレから脱却すれば、国の借金も実質的に減らせる。経済が拡大を始めれば、追いつき追い越せで再び奇跡の経済復興が始まる。

トランプ氏の保護貿易は経済学者から支持されておらず、真似をする必要はないが、国内産業の育成という事はMake Japan Great Againというスローガンには必須条件である。国内産業の海外進出ばかり考えていればよいわけではない。

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2018年4月23日 (月)

テレビ朝日の記者が週刊新潮にセクハラ情報をリークした真の目的は倒閣(No.298)

福田次官によるセクハラ事件だが、マスコミは福田=悪人、テレ朝の記者(進優子)=善人と扱っていて、週刊新潮の記事だけで懲戒免職に値すると主張していた。しかし国家公務員がセクハラに対して懲戒免職が成立する条件は「暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為」をした場合である。無断で録音した音声は証拠としては認められない。それどころかねつ造の可能性もある。

進優子氏はセクハラを受けていたのか。福田氏の発言が何であれ、彼女がそれによって大きな精神的ショックを受けていたらセクハラだし、そうでなければセクハラと言えない。二人の会話だが
福田:エロくないね、洋服。
進優子:エロくない服で来ました。
福田:その前はエロい服だったの?
進優子:パジャマでした。
福田:パジャマで来れば良かったのに。
とある。「キスしたら情報くれる?」と誘惑しているような会話など二人の親密さを示す会話は各所に見られる。目黒のスプートニクというバーで1年半の間二人きりで会っていて、こういった会話をするということは、二人はかなり親密な関係になっていたと思えないだろうか。

セクハラでショックを受けていて苦痛だったのなら二人きりで1年半も会うことは考えられないし、テレ朝の松原文恵という上司がセクハラを受けても我慢して会ってスクープを取ってこいと命令していたのであれば、むしろこれはテレ朝の上司によるパワハラ事件だろう。しかしそのパワハラに彼女が腹を立てたのであれば、週刊新潮に対してテレ朝の悪口を言ったはずであり、そうでないのだからやはり彼女は福田次官を辞職に追い込みたかったに違いない。それだけではない。テレ朝にとって財務省は最も大切な「取引先」の一つであり、そのトップを盗聴という手段でセクハラ事件だと主張して辞職に追い込むという最大の侮辱を与えるとうことは、財務省だけでなくテレ朝にも計り知れないダメージを与えるということだ。もしかしたら財務大臣も総理大臣も辞職に追い込もうという意図を持っての一連の動きのようにも見える。テレビ朝日も朝日新聞も安倍政権の打倒を目指しているように見えるからその一貫か。ちなみに上司の松原氏の夫は朝日新聞政治部長の立松朗氏だそうである。

テレビ朝日は彼女がセクハラを受けたと訴えたときなぜその訴えを握りつぶしたか。それはテレ朝の上司は彼女に「少々のセクハラは我慢してスクープを取ってこい。それができないなら別な女性記者にやらせる。」と言ったのではないか。色仕掛けの取材はどこの局でもやっていることだからお前にできないわけがないと。もしテレ朝がセクハラ事件を盗聴という手段を使って暴露したら、それ以後、テレ朝は官僚・政治家から取材を拒否されてしまいテレビ局として致命的な損害を受ける。これが彼らの言う二次被害である。

テレビ番組ではこれは単なるセクハラ事件として報道し、福田氏の反論を一切許さない。しかし、進記者がセクハラ被害を訴えたとき上司の松原氏はこれを握りつぶした。これが適切に処理されていれば全く違った結果になったはずであり、松原氏の罪は極めて重い。むしろ福田氏を責める以上に松原氏を責めるべきだろう。松原氏になぜ握りつぶしたかを詳しく説明させるべきだろう。以下、ネットから引用する。

【1年半前、朝日新聞グループが総力をあげて安倍政権を倒すための大キャンペーンとして、「森友・加計」問題を仕掛けたときに、福田淳一財務事務次官へのハニートラップ謀略がスタートしていたようです。それは、報道ステーションで元通産官僚・古賀茂明が、
【I am NOT ABE】のパネルを無断で提示して大問題になったときのチーフプロデューサーが松原文枝(現経済部長)で、松原の夫の朝日新聞政治部長・立松朗は「森友・加計」問題大キャンペーンの指揮をとっていた同時期に、テレビ朝日経済部・進優子記者は、一対一の取材(ハニートラップ)を仕掛けていて、あっと驚く「パジャマ取材」を敢行していたとなると、スパイ映画もどきの謀略そのものではないのか。】

麻生大臣が「セクハラを受けた女性記者は名乗り出て欲しい」と呼びかけたことに対し、野党は記者に不利益が生じると麻生氏を非難した。しかし民進党の記者会見でこの女性記者が進優子氏であると個人名がわかる動画が公表された。こういった暴露の方が彼女にははるかに大きな不利益を生じるのであり民進党は麻生氏辞任を要求する資格はない。

もしも進優子氏がわざと福田氏に好意があるように見せかけ挑発し、その挑発に福田氏が乗せられて不用意な発言させられたとしたらこれはセクハラではない。恋人同士があのような会話を交わしたとしてもそれはセクハラとは言えないのだから。進優子氏は安倍政権にダメージを与えるのが目的だったのだろう。

しかし、進優子記者はこれでテレビ局の記者としての生命は奪われるのではないか。松原文恵―立松朗の倒閣運動の犠牲者になってしまったのか。

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2018年4月19日 (木)

福田次官のハラスメント問題について(No.297)

政治を機能不全にする報道が次々出てくる。うんざりしており、そろそろ止めて欲しいと思う。福田次官の発言がハラスメントなのかどうかは、当事者同士が裁判所で争ってもらったらどうか。テレビ朝日の女子社員が福田氏からセクハラを受けたと名乗り出た。テレビ朝日で報道するように上司に言ったが取り上げてもらえなかったので週刊新潮に持って行ったとのこと。自社の取材で得た情報を他社に漏らすことは背信行為にあたる可能性がある。

なぜ上司から無視されたか。もしテレビで取り上げたら、テレ朝は今後取材が難しくなると考えたのだろう。むしろテレビ局としては女子社員に色仕掛けでもよいから少々のセクハラ発言を聞き流しながら取材して特ダネを取って来て欲しいと考えているのではないか。もしかしたら、それを受け入れる女子社員も入社させておく方針かもしれない。そうでないなら、セクハラをする男性に対しては女子社員に対応させなかったはずだからである。

官僚や政治家などは、暗黙の了解があって、この程度のセクハラなら問題にしないような女子社員だけから取材を受けることにしているかもしれない。そうでなければこの問題はとっくに表沙汰になっていただろう。一方、今回のテレ朝の女子社員はその慣習に耐えられなくなって、道徳的に許されないと考え今回の行動に及んだのだろう。

このセクハラ問題で麻生氏や安倍氏に責任があるかと言えば、責任を問う必要はないと考える。上記のようなマスコミの慣習が悪いというなら改善すればよい。これはマスコミの問題だ。トランプ大統領は気に入らない閣僚等と次々首にしているが、任命責任を問われることもないし、日本も任命責任を過度に追及すべきではない。政治を混乱させ停滞させるだけで何のメリットもない。
いずれにせよ、こんな問題で国会をマヒさせるべきでない。政治家の役割は国民の生活改善と安全のために仕事をすることのはずだ。

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2018年4月17日 (火)

機能不全に陥った政府、また暗黒時代に戻すのか(No.296)

森友・加計問題と日報問題、セクハラ問題と政府への追及が止まらない。いずれも安倍首相の違法行為どころか、関与すら示されていないし、国民の暮らしにも安全にも全く関係無い。このレベルの問題を追及しても野党に政権が移るわけがない。野党は自らの政策を訴えて国民にアイールしているわけではないし、かつての民主党内閣は政権交代前に示していた自らの公約をことごとく破り国民を怒らせたが反省している様子は全く無い。安倍氏が失脚したら自民党の誰かが次の首相に選ばれるのだろうが、だれが首相になろうと森友・加計問題と日報問題のレベルの追求がなされるなら、政府は機能不全となり日本に暗黒時代が再来するだろう。第一次安倍内閣から始まり、福田、麻生、鳩山、菅、野田と6内閣はいずれも政府機能不全、1年で失脚し、日本の国際的な地位は大きく低下した。

そもそも追求の内容のレベルが低すぎる。国のリーダーは民主的手続きで決めたらそのリーダーが余程の違法行為を行わない限り、任期中は彼のやりたい政治をやらせるべきであり、些末な事で首相に答弁を強制させるべきでない。そうでないと政府は機能不全に陥る。諸外国なら森友・加計問題と日報問題レベルの問題を1年以上リーダーが答弁し続けなければならなくなることはあり得ないだろう。米国で軍の日報に関してトランプ大統領がいちいち弁解しているだろうか。憲法が違うと反論するだろうが、自衛隊も安保法制も憲法違反だと言いたいのだろう。だったら、自衛隊を解散させるか憲法を変えて自衛隊を合法化するかどちらかしかない。両方とも反対なら、憲法は無視しましょうということで、日報問題は問題ではなくなる。

トランプ大統領は多くの女性スキャンダルで訴えられているし、閣僚・職員の辞任(または辞任を装った解雇)が続いているが任命責任を追及されていない。プーチンは大統領職を利用して約20兆円の個人資産を得たが、国民の圧倒的な支持がある。些末な事で国のリーダーを失脚させるより、むしろ国民が選んだリーダーがやりたい政治を強力に実行させ、リーダーに最大限協力し忖度したほうが、国民にとって利益になるのではないか。総理の意向は尊重すべきだろう。リーダーの足を引っ張って政府を機能不全にし、次々とリーダーを替えることは政府がいわば機能不全になり、国民が選んだわけではない官僚達の主導の政治になってしまう。トランプ氏は自分の個人的な利益になる政策を随分行っているが、安倍氏が自分の私腹を肥やしているという証拠はどこにもない。

今、政府がやるべきことは山ほどある。北朝鮮問題、日米貿易摩擦に加えて、先進国で際立って低い日本の経済成長率だ。民間41機関の日本の成長率予測がある(ESPフォーキャスト)。それによると実質成長率は2017年度1.81%、2018年度1.25%、2019年度0.79%と予測されている。先進国の中で際立って低い成長率の日本、過去20年間で言えば間違いなく世界最低だ。これだけ経済が停滞していてデフレ脱却もできてないのに消費増税を来年やることになっている。どうやって成長率最下位から脱却するか与野党で考えたらどうか。マクロ経済モデルを走らせたら、解決策は簡単に分かる。財政を拡大し増税でなく減税をすることだ。

アメリカも長年財政赤字と貿易赤字、経常赤字を続けている。それでも超積極財政政策に加え、大規模減税を行っている。与野党の議員は諸外国の政府がどのように国民のための政治を行っているかを学ぶべきだ。

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2018年4月 9日 (月)

刷ったお金をAI/ロボット関連産業の育成に使いなさい(No.295)

昨日(2018年4月8日)の日経のトップ記事は「景気回復最長視野に 賃上げ後押し 外需に懸念」だった。賃上げは進んでおらず、実質賃金は下がり続け生活は楽になっていない。2012年にアベノミクスが始まってから日本の雇用は100万人以上増えた。生産性が高い製造業が構造調整(IT化、ロボット化等)で人手を減らす一方で生産性の低いサービス業に労働力が集まる姿が浮き彫りになっている。

アベノミクスで雇用を増やしたことは大変評価できることだが、まだこれが国を豊かにするほどにはなっていない。企業に賃金を上げてくれとお願いしても利益追求を目的とする企業においては、賃上げは利益を減らし競争力を低める可能性があり、なかなか応じられない。バブル崩壊で巨額の損失を被った企業・個人投資家も多く、しかも国の借金が大変だ、年金が危ないなど言われている現在、将来不安から個人も企業もカネを使おうとしない。むしろ将来に備えて現金・預金を積み上げ個人保有の現金・預金は過去最高の961兆円にも上っている。保険・年金なども加えた個人の金融資産は1880兆円にも上る。金融機関を除く民間企業の現金・預金は257兆円に上る。いわゆるタンス預金が積み上がり、お金の流通が大渋滞を起こしている。

日本が投資を控え成長しないでいる間に世界は大きく発展し続けている。新興国の工業化で日本と得意とする製造業のシェアを大きく奪っていった。東芝、シャープなどの国内電機メーカーの衰退は目を覆うばかりだ。アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフトなどデジタル大手企業の発展は目覚ましく、世界経済の牽引役となっている。中国も韓国もそれを追っているが、日本は全く取り残された状況だ。20年前には企業の時価総額ランキングで20位以内に日本企業は14社も入っていた。現在は日本企業のトップはトヨタだが、やっと36位だ。上位は米国のIT大手がずらり並ぶ、中国企業が激しくせまり、韓国のサムスンが11位と健闘している。要するにアベノミクスで雇用を増やしただけではダメなのだ。

これからはビッグデータの蓄積が産業の基盤となり大きな収入源となる。日本にも世界のデジタル大手企業と肩を並べることができる企業を育てる必要がある。政府は福島にドローンなどの研究開発拠点の整備をしようとしている。ここに大規模なAI/ロボットの研究学園都市をつくるとよい。世界が驚くような高給で、世界中から第一線で活躍中の研究者をごっそり引き抜くと良い。そこにAI/ロボットに関する研究者を大量に育てる。しっかり学生の生活を保障し、広く世界中から優秀な人材を集め教育する。そこでドローン、自動運転技術を発展させビッグデータをしっかり蓄積する。

更にサムスンのように半官半民の企業を育てる。サムスンが行ったように世界中から技術者を引き抜けばよい。これはかつてサムスンが日本の技術者を引き抜いて日本の技術を盗んだことのお返しだ。別にサムスンでなくても世界中どこから引き抜いてもよい。ちょうどトランプは外国人労働者の受け入れを渋っているのだから、シリコンバレーに行きそびれた優秀な技術者を日本に受け入れればよい。

アマゾンに対抗するため楽天を育てるのか、新しい企業を育てるのか検討の必要がある。企業育成には資本注入もあるが、企業の経営を支援するために各種助成金の支給や需要拡大のための様々な工夫を行う。AI/ロボット関連育成事業として例えば5兆円を使うことを検討していただきたい。刷ったお金の有効利用だ。

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2018年4月 4日 (水)

追い詰められ恐怖のどん底に落ちた金正恩(No.294)

韓国、中国、米国の首脳と次々と会談をしたり、する予定であったりする金正恩は大国を手玉に取っているように見える。過去に、核を放棄すると言って外国から経済援助を受けながらこっそり核開発を続けていたこともあった。今回も同様な手口ではないかと誰もが警戒するのは当然だ。これは筆者の希望的観測かもしれないが、今回は状況が全然違うのではないか。

その根拠はトランプ大統領が過去の大統領とは全く異なり、何をやるか全く分からない大統領であり、側近も彼に反対しない強硬派を揃えているということだ。金正恩もそれを知っており、米朝首脳会談が開かれて決裂となればアメリカが軍事攻撃を始める可能性があることも知っているはずだ。もしそうなれば数十万人あるいは数百万人の犠牲者が出るのだから軍事攻撃は始められないだろうと誰もが思う。しかし米朝首脳会談でこの会談が決裂したら軍事攻撃を始めるとトランプ氏が宣言したらどうなるか。金正恩は、「もしそうなったらソウルが火の海になるし、中国が黙っていないぞ」と脅すだろう。そこでトランプ氏は「そうなっても構わない」ときっぱり切り返す。いわばチキンゲームだ。

しかしこのチキンゲームはトランプ氏に圧倒的に有利だ。多くの米国民は北朝鮮への軍事攻撃を支持している。米朝戦争になれば通常兵器の戦争であろうと核戦争であろうと、アメリカが勝ち、金正恩は死に、トランプは生き残る。そういう意味ではチキンゲームですらない。しかし犠牲者が余りにも多いから核を持つ国を攻撃することはできないと思うかもしれない。実際攻撃できないにせよ、攻撃するぞと脅すことはできるし、実際トランプ氏が脅せば、他のどの大統領よりもはるかに怖い。金正恩はトランプの脅しに平然としていれるのか。彼は死ぬことが怖くないのかと言えばそうではない。死を恐れないのであれば、彼に背く者を容赦なく殺すことなどしない。彼は少しでも身の危険を感じれば例え身内であろうと容赦なく処刑し、歴史上希に見る恐怖政治を行っている。これは自分の命を守りたいという一心からだ。

核兵器さえ手に入れれば誰も北朝鮮を攻撃できないと信じ核ミサイルの開発を進めてきたが、ここに来て身の危険を彼は感じるようになっただろう。米韓の断首作戦やアメリカによる軍事攻撃、そして恐怖政治に反発した勢力による内乱の恐れだ。米朝戦争になれば守ってくれるはずだった中国まで経済制裁に加わり強く核の放棄を迫った。それに反発し中国との関係が悪化していたが、アメリカの軍事攻撃が怖くなり白旗を揚げて習近平との会談を3月25日~28日の間に行った。この期間中にはこの会談の事は極秘だったのは、金正恩が国外に出たと知った反乱勢力がクーデターを企てる恐れがあると思ったのかもしれない。

トランプ氏は金正恩氏に対し、IAEAによる無制限の核査察を受け入れるよう要求すればよい。北朝鮮のどこにでも調査団を無条件に受け入れさせ、あらゆる査察を許可させ完全な核の廃棄をさせる。これに少しでも抵抗すれば容赦なく軍事攻撃をすると宣言すればよい。金正恩によるどのような交換条件もすべて拒否すればよい。経済援助は完全な核廃棄が確認できた後で十分だ。単なる経済制裁では金正恩は屈服しない。経済制裁は国民生活を破壊するかもしれないが、金正恩の生活は破壊されないし、核開発も続けられる。彼が恐れるのは米国との戦争だ。「今攻撃しなければ、将来更に悲惨な結果を招く」と言えば、国際世論も納得する。

もし、金正恩がこのような屈辱的な条件を受け入れたとき、北朝鮮では反乱が起きる可能性がある。今までは金正恩は核開発をし、アメリカと対等な立場で交渉できるようになった事を金正恩の功績とたたえ金正恩の暴君ぶりを許し、困難な経済封鎖に耐えてきた国民が、アメリカに屈服した哀れな金正恩に服従し続けるか。それでも金正恩政権は維持できるのか。核を放棄したことを国民には隠しながら実際は核を完全に放棄するという離れ業が果たして可能だろうか。北朝鮮が民主化すれば殺人鬼金正恩には法による裁きが待っている。

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