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2018年5月13日 (日)

日本の国の借金は130年間で500万倍になった(No.301)

政府は6月にも新財政健全化計画を発表しようとしている。どうやって国の借金である将来世代へのツケを減らそうかと一生懸命である。しかし次のグラフを見て頂きたい。

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1887年には国の借金は2億円程度だったが、今やそれが1000兆円を超えている。つまり130年間で借金が500万倍になったのである。財務省は国の財政を家計に例える。この家計では借金を500万倍に増やしたが、全然破綻していない。ゼロ金利で銀行はまだいくらでも貸してくれる。この家計は無駄遣いをして借金を500万倍に増やしたのだろうか。いくらなんでもそれは無理。この右上がりのグラフを見れば分かる。この家計は借金をずっと増やし続けていて返したことがない。借金をしてそれを次の世代で返していくということは決して行わず、次の世代も更にその次の世代も借金を増やし続けているのだ。この家庭は先祖代々から不謹慎なのだろうか。いやどんなに不謹慎でもそれは無理。普通なら銀行が貸さない。

実はこの家庭は通貨発行権を持っていて、どんどんお金を刷りながら借金を増やしているのである。要するに130年間でお金の量を500万倍にしたというだけだ。人口が500万倍になったわけではなく、お金の量を増やしただけだ。人口が減ってもお金を増やせばもちろん経済は拡大する。お金の量が増えれば取引が拡大し経済が発展するからどこの国もお金を刷り続け借金は増え続けている。次のグラフは国の債務の推移をOECDのデータを使って表した。

         出所:OECD Economic outlook 102、2017
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このグラフで分かるように、どこの国も債務を増やしており、日本は最も増やさない国の一つである。500万倍まで増やしておいて今更なぜ借金を増やさないように努力するのかが分からない。通貨発行をせず、130年間、国の借金を増やさなかったとすれば、日本は今頃大変貧乏な国になっていた。国の豊かにするには、通貨の量を増やし経済を活性化しなければならないのは自明だ。国の借金が1000兆円を超したというのは1通過点に過ぎない。これからの世代は借金がこの10倍、100倍、1000倍というように増やして行くに違いないし、決して借金を返そうとはしないのである。つまり借金は次世代へのツケではあり得ない。もちろん将来デノミがあって借金が一気に100分の1とか1000分の1になるかもしれないが、GDPも同様に減るのだから実質的に借金が減ったことにはならない。時々問題にされるのは債務のGDP比であり、これを次の図で示した。

        出所:OECD Economic outlook 102、2017

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このグラフで分かるように日本は債務のGDP比においては世界最悪である。その理由は債務が増えたからではなく、デフレでGDPが増えなかったからである。日本は諸外国に比べGDP成長率が際立って低いということは次のグラフで分かる。

        出所:OECD Economic outlook 102、2017

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日本だけが成長しない理由はデフレである。少子高齢化で年金がもらえなくなるのではないかという不安、国の借金増大で将来増税があるのではないかという不安、バブル崩壊で巨額の損失を被った人が、再び同様の損失が出るのでは無いかという不安などがあり、消費や投資を控えていて経済が成長しない。国の債務は増大するが、GDPは伸びないために債務のGDP比は異常に高い値になった。この異常な値を正常に戻すには財政拡大でデフレから脱却し、普通の国並のGDP成長率を取り戻せばよいだけだ。

次のグラフは縦軸に債務のGDP比、横軸に2003年から2017年までに国の債務がどれだけ増加したかを示している。このグラフより、債務を増やさない国の債務のGDP比が大きくなり、逆に債務を大きく増やした国の債務のGDP比は小さくなることが分かる。これは債務を大きくするということは財政赤字を拡大するということであり、その場合はGDPが増え債務のGDP比は減少するということである。

        出所:OECD Economic outlook 102、2017

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次の図は政府支出を拡大すれば、名目GDPは伸びるというグラフである。政府はGDPを600兆円にするのを目標にしているが、財政を拡大すれば、簡単にしかも短時間でその程度の経済成長は達成できるのである。GDPが増大すれば、債務のGDP比は減少するわけであり、デフレ脱却も達成、2%のインフレ目標も達成、3%成長も達成ということで、長年の悲願であった目標が一気に達成される。

             出所:シェイブテイル日記

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財政出動で名目GDPがどれだけ増加するかは、マクロモデルを使えば計算できる。例えば日本経済新聞のNEEDSというモデルを使った計算結果を次に示す。右の数字は財政出動の額である。大規模財政出動なら100兆円とか200兆円とかのGDP拡大は簡単に達成できる。

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参考のためにインドの財政を次のグラフにした。これで分かるように財政赤字は毎年のように大きく拡大を続けている。もちろん、累積債務は激増しているのだが、債務のGDP比は70%~80%と低いままである。

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次はエジプトの財政である。大幅な財政赤字が続いている。しかし債務のGDP比は70%~100%に留まっている。

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次はアメリカの財政である。財政赤字は続いている。多い時はGDP比で13%もあったのだが、債務のGDP比はやっと100%に届いたというところである。

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【結論】
日本の国の借金は絶え間なく増え続け130年間で500万倍になった。借金は今後も増え続け、次世代もその次の世代も増やし続けるのであり、将来世代が返すということはあり得ない。つまり将来世代へのツケではない。これはどこの国でも言えることであり、借金の増加速度は日本は世界の中で最も遅い部類に入る。日本の債務のGDP比の値は異常に高い。これは単にデフレでGDPの伸びが異常に少なかったことだけが原因であり、財政出動によりデフレから脱却し、インフレ目標を達成し、GDPが増加してくると債務のGDP比は普通の国のレベルに戻って来る。

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コメント

 今日は。higashiyamato1979です。パイを増やさなかったツケは大きいですね。この事を指摘しないマスゴミには本当に腹が立ちます!
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: higashiyamato1979 | 2018年5月13日 (日) 15時03分

小野先生、いつも拝見させて頂いております。いつもとても分かりやすい解説ありがとうございます。国の財政を家計に例えることがいかに馬鹿げたことなのか、本当に真剣に国会の場で議論して欲しいと改めて思いました。その為にはこの議題に対してもっと日本国民一人一人が関心を寄せないといけないですね。財務省の情報だけを鵜呑みにするのではなく。。

投稿: yoshihide1982 | 2018年5月16日 (水) 12時03分

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