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2018年7月 9日 (月)

内閣府計量分析室は今年の夏もオオカミ少年だった(No.309)

2018年7月6日に内閣府は経済指標を発表した。これは長年の年中行事になってしまったが、政府に忖度し一旦政府の意向に沿った過大な成長見通しを発表しておき、その後順次現実に沿った成長率へと下方修正するのである。今回の発表もやはり半年前に予測した成長率から大きく下方修正している。例えば2017年度の名目成長率は2.0%から1.7%へ、2018年度の名目成長率は2.5%から1.7%へと下方修正された。

このような忖度と下方修正はすでに十数年間繰り返されている。滑稽な話だが、内閣府はその年の成長率さえも正しく予測できない。これは気象庁が政府に忖度し「今日の天気」ですら、毎回間違えた予測をするようなものだ。以下に発表した年の名目GDP成長率の予測を示す。
        内閣府試算  実際の成長率
2007年度  2.0%   0.8%
2008年度  2.1%  -1.3%
2009年度  0.1%  -3.7%
2010年度  1.8%   1.1%
2011年度  1,0%  -1.9%
2012年度  2.0%   0.3%

すべてとてつもなく過大評価していることが分かる。2013年度以降は民間の機関の予測と比べてみよう。
        内閣府     ESP     実績
2013年度  2.6%   1.16%   1.8%
2014年度  3.3%   2.35%   1.5%
2015年度  2.7%   2.45%   2.8%
2016年度  3.1%   2.02%   1.0%
2017年度  2.5%   1.44%   1.7%

ESPとは日本経済フォーキャスター41人(民間機関)による予測の平均である。内閣府の予測の方が正確だったのは2015年度の1回だけ。つまり4勝1敗で民間の圧勝である。2015年度はアメリカのシェールオイル開発による原油価格の暴落でGDPが一時的に押し上げられたのだが、原油価格の暴落は誰も予測できなかった。通常ならOPECが生産調整し価格を維持するのだが、当時OPECは予想に反し米国のシェールオイル産業を潰そうとして減産しなかった。内閣府は政府に忖度しほぼ毎回過大な予測を出しでいるが、ESPはそのような忖度はなく、過大予測と過小予測が混じっている。この比較から明かである事は、内閣府の予測よりESPの予測の方がはるかに正確だということだ。そうであれば、内閣府に巨額の費用(税金)を払って、全くお粗末な予測を出す必要があるのかということだ。ESPの結果があれば十分だ。

これまではお粗末な内閣府の予測を基にして経済政策の立案がなされている。マスコミも経済評論家も日本経済の将来を語るときは必ず内閣府の予測をベースに論じた。しかし、内閣府の予測よりESPの予測のほうが、はるかに正確なのだから、今後はESPの予測をベースに考えるべきだ。政府の経済目標も、お粗末な内閣府試算をベースに立てられていたから、達成に失敗し無残な結果に終わっていた。ESPに切り替えればはるかに正確な予測が可能となり、政府目標の達成も可能となる。

政府(内閣府)は2019年度は消費増税があっても1.5%成長ができると主張している。またオオカミ少年がウソを言っているのである。これから実際起こることは、予想をはるかに超えた消費の落ち込みである。トランプが起こした貿易戦争の影響もあるし、オリンピック需要が終わることもある。失われた20年を止めデフレ脱却、インフレ目標達成、景気回復のためには来年の消費増税を撤回し、消費減税を実現し、十分な財政拡大をすることである。

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コメント

 今日は、higashiyamato1979です。霞ヶ関の連中の云う事はあてになりませんね。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: higashiyamato1979 | 2018年7月10日 (火) 16時28分

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