大きく順位を落とした日本の一人当たり名目GDPランキング(No.315)
日本はここまで貧乏になったことを次のグラフで示す。
出所:IMF
かつては日本の一人当たりの名目GDPは世界一だと内閣府は発表していた。内閣府の国民経済計算報告(昭和30年~平成10年)によれば一人当たりの名目GDPにおいて1993年と1994年、日本が世界一であった。その後ルクセンブルグがデータを修正し、世界一に躍り出たから日本は2位に下がった。とはいえ、1993年、1994年頃はスイスやルクセンブルグとトップ争いをしていた。
この図で分かるように順位を大きく下げたのは小泉純一郎内閣だ。デフレなのに「痛みに耐えろ」と言って緊縮財政を行った。デフレということは物余りということ、つまり需要不足。そんなときに緊縮財政を行ったから、消費(需要)は更に落ち込み、経済は縮小し、国は貧乏になった。小泉氏は自分は景気をよくしたんだと主張するだろう。しかし景気が良くなったように見えたのは、単に海外の好景気に引っ張られただけだ。この時がデフレ脱却のチャンスだったが、緊縮財政がそれを阻んだ。その後民主党政権時代若干順位を回復したように見えるが、これは円高の影響であり、株価低迷、景気後退に悩まされていた。国が豊かになったのではなかった。このグラフからアベノミクスでも順位は上がっていないことが分かる。
2017年になると一人当たりの名目GDPは
日本 38439ドル
スイス 80590ドル
ルクセンブルグ 105803ドル
となっている。かつてトップ争いをしていたスイスやルクセンブルグとは2~3倍の差をつけられてしまった。このままデフレ脱却もできず、先進国の中でも際立って低成長である日本経済なのに、増税・歳出抑制の政策を続ければ消費(需要)は低迷し、ますます国は貧乏になってしまう。それを避けるのであれば、減税・歳出拡大をしなければならない。今が決断の時だ。
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