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2018年8月20日 (月)

日経新聞が財政破綻の危機を煽っている(No.314)

8月14日と8月16日の日経新聞が財政破綻の危機を煽っている。14日の「時論」ではノーベル経済学賞の呼び声が高い米プリンストン大学の清滝信宏教授の記事だ。清滝氏は「日本、財政破綻へ備えを」と呼びかけていて、歳出カット、増税をせよと主張し、やがて自国だけでは債務の償還や借り換えが間に合わなくなるから外国人が大量に日本国債を買う時が来ると主張している。筆者はこの記事が掲載された日に清滝氏に反論のメールを送った。

筆者の反論メール:
財政が破綻するとは日本政府が国債を発行しても買い手が無くなるということを意味する。しかし対外純資産が2.99兆ドルあり断トツで世界トップですから日本国債は世界で最も安全な資産の一つと考えられている。財政を破綻させるくらいなら、最後の買い手である日銀が買うほうがはるかによい。実際日銀は国債を大量に買っており、買いすぎて国債が品薄になってきたし、金利が下がりすぎて金融機関の経営を圧迫している。買い手が多すぎて金利が下がりすぎており、財政破綻とはほど遠い状況である。

自国だけでは債務の償還や借り換えが間に合わなくなるから外国人が大量に日本国債を買う時が来るとのことだが、債務は自国通貨建てであり、通貨発行権を行使すればいくらでも債務の償還や借り換えは可能である。具体的には日銀が通貨を発行するということ。外国人が大量に日本国債を買おうとしても、すでに日銀が買いまくった後だから買えない。

これに対する清滝氏の返事:
小野さん、
記事を読んでくれてありがとう。
現時点で国債の消化が困難になるのは想像しにくいでしょうが、日本の貯蓄率は高齢化とともに今後数十年下落し続けます。このまま財政赤字を続けると、やがて日本国債は安全資産とは見なさされなくなり、円の下落、国債金利の上昇し、財政が更に悪化します。その時政府が日銀に国債の消化を強要すると、現在のトルコと同じように、円の下落、国債金利の上昇、財政の悪化に歯止めがかからなくなります。ですから今からその時のための準備をしとく必要があるというのが私の意見です。

筆者は更に反論を続けている。数十年先の財政破綻を心配すべきではない。数十年先には労働はAI/ロボットが人間の替わりに行っているはずで全く異なった経済システムになっているはずである。そもそも財政問題は国が通貨発行権を行使すれば簡単に片付く。しかしそうすればハイパーインフレになると心配する人がいる。しかし、ハイパーインフレは極度の物不足で餓死者が出て、国民は食糧を求め近隣諸国に難民として出て行く状態でないと怒らない。今の日本でそれが起きるとは考えられない。食糧は余るほどある。食べられるのに捨ててしまう食品ロスが年間632万トンにも上っている。最悪の場合でも有り余る外貨で、いくらでも食糧を輸入できる。円は国際通貨になっているので、支払いには全く問題無い。今の日本では財政破綻は起こり得ず、それより減税・財政拡大でデフレ脱却・経済活性化をして更に強い経済にし、日本国債の信用を高めていく必要がある。実際筆者は日経NEEDS日本経済モデルを使って、減税・財政拡大で経済発展と財政健全化が同時に実現することを示した。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

日本国内の貯蓄というのは日本国内の負債総額のことであり、
民間負債は名目GDP成長(つまり所得の増加による信用創造)で増え、
政府債務の増加(政府の信用による信用創造)は
マイルドインフレの範囲内ならいくらでも増やせるというのが事実だと思います。

従って、「このまま財政赤字を続けると」というのは、
「非政府部門が貯蓄額を増やし続けると」と同義であり、
それ自体はなんら問題はないように思います。

そして(家計の)貯蓄率の低下とありますが、
これはデフレ不完全雇用を20年続けてきた結果であり、
民間が負債を増やせないなかで、
政府負債へ投資してきたのが家計ではない(個人向け国債は少ないので)というだけの話かと思われます。

繰り返しになりますが、問題となるのは、
政府負債の利払い(今11兆円程度でしょうか)分の数字が
政府債務保有者の口座に入金されることにより、
それがCPI構成品目に支出されインフレ率が高騰すること
それ以外に懸念される点はないように考えています。

ただ、デフレ脱却、
つまりr(貸出借入金利) rを下げることでのみ実現しようとするならば、
資産価格の急騰そして下落というバブルを生み出す原因になるかもしれません。

引き続き我が国の経済を大衆の購買力を上昇させ
完全雇用にするために頑張ってください。
一国民としてお願い致します。

投稿: 清水 | 2018年8月24日 (金) 17時17分

清滝さんは、「日本の貯蓄率は高齢化とともに今後数十年下落し続けます」と述べてあるだけです。その途中で危機の可能性があると捉えるべきでしょう。経済破綻は昨日までまったく平和であったのに、翌日には急に起こりうるものです。「起こる」「起こらない」をバランスよく考えるべきでしょう。財政破綻が起こったとしても、備えがあれば大事にはいたらないでしょう。

投稿: 由依 | 2018年9月 3日 (月) 08時45分

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