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2018年9月 3日 (月)

バブル崩壊しても、財政・金融両面からの刺激策で対応可能(No.316)

米国の中央銀行であるFRBは日本のデフレを研究していた。その結論はバブルが崩壊しても、ただちに財政・金融の両面から刺激策を打てば対応できたはずだというものだった。しかし日本の政府と一部のエコノミストは「バブル崩壊は事後的な対応では間に合わない。だからバブルは起こしてはいけない」という理由で財政・金融の両面から刺激策を打とうとしない。

日米のどちらが正しいかは、結果を見れば分かる。日本は1989年日経平均は38915円だったが、29年後の今でも22000円程度までしか回復していない。この間ダウ平均株価は約10倍になっている。日本の経済成長率は世界の中で際立って低い。世界の中でも歴史に残る長期の大停滞と言えるだろう。世界でトップ争いをしていた一人当たりの名目GDPも、20位以下に沈んだ。企業の時価総額ランキングで1989年には20位以内に14社も入っていたのに、2018年には1社も入っていない。

2008年、アメリカも住宅バブル崩壊でリーマンショックが起きた。ダウ平均株価は半分以下に下落したが4年後にはすでにリーマンショック前の株価を回復している。2018年にはその2倍程度にまで上昇しており好調な経済は健在である。名目GDPもリーマンショックの時より約4割増加している。財政・金融の両面から適切な刺激策を打つ方が、打たない方よりはるかに経済を活性化するのは明かだろう。「バブル崩壊は事後的な対応では間に合わない。だからバブルは起こしてはいけない」という論理は完全に破綻している。万一バブルになって、それが崩壊しても十分対応できるということだ。

30年近く前のバブル崩壊からまだ立ち直れない日本経済だが、アメリカのように財政と金融で刺激すれば今からでも景気回復は可能だ。しかし全く馬鹿げているが、今日本がやろうとしているのは増税と歳出削減だ。民間の経済予測の平均(ESP)によれば実質GDPは2018年度1.05%、2019年度0.81%、2020年度0.74%と、今後も低成長が続きデフレ脱却の見通しは立っていない。アメリカは今年の4~6月期は前年比年率で4.1%、7~9月期も4.3%と高成長が続く見込み。 

財政赤字拡大に対しては政府も国民も罪悪感があるようだ。国の借金がこんなに多いのだから今は我慢しようという考えだ。アメリカにはそのような考えは乏しく、経済発展が優先され打ち消されている。どちらが正しいかといえばアメリカの考えが正しい。経済が拡大するには経済の血液であるお金の量を増やしていかなければならない。一般の国民がお金を刷ったらそれは偽札だから罪になる。日本円を刷れるのは日本政府しかない。日本円を刷って国民に渡せば、財政赤字として計上される。しかし、これは次世代も次々世代も同じ事ができるのだから次世代や次々世代へのツケを増やしているのではなく、健全な経済の発展を促しているだけだ。ただしお金を刷るというのは比喩的な表現であり、実際は財政赤字を拡大し、日銀が国債を買い続け「財政ファイナンス」をすることが通貨発行権を行使することになるから「お金を刷る」ことに相当する。

今からでも遅くない。消費増税でなく、消費減税を行い、歳出を拡大し日本を豊かにしてから次世代に渡そうではないか。

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コメント

 今日は。higashiyamato1979です。本来こういう文章が新聞などに載るべきです。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: higashiyamato1979 | 2018年9月 4日 (火) 15時24分

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