« 総裁選では消費増税の是非を議論せよ(No. 317) | トップページ | 生物学を基に考える国民を幸福にする方法(No.318) »

2018年9月10日 (月)

大規模停電(ブラックアウト)に対する備えは十分か(No.317)

9月6日に北海道を襲った地震で北海道全域が停電した。震源から近い苫東厚真火力発電所が損傷を受け、停止したのが発端となり、北海道内のすべての発電所が連鎖停止し、一時北海道全土で停電した。電力の需給のバランスがとれなくなると非常停止するように設計されている。マグニチュード6.7の地震で北海道全体がブラックアウトしてしまうとは驚きだ。

昨年、朝鮮労働党の機関紙・労働新聞のニュースは水爆で電磁パルス(EMP)攻撃ができるのだと威嚇した。2008年の議会公聴会で共和党下院議員(当時)のロスコー・バートレットはEMPによって送電網が破壊され、1年以内に米国の全人口の最大90パーセントが死亡すると述べた。強烈な電磁波に襲われると日常生活には確実に影響があるが被害の大きさはよく分からない。大規模な太陽フレアでも電磁波は襲ってくる。例えば1989年3月に発生した大規模な磁気嵐では、カナダで大規模な停電が起きた。北朝鮮の金正恩がアメリカをEMP攻撃すれば、確実に大規模な反撃を受け金正恩の命はないから北朝鮮によるEMP攻撃は非現実的だとは思うが、大規模磁気嵐はあるかもしれない。

大規模停電がどの位の期間で復旧できるのかが問題である。北海道の停電ではほぼ2日で大部分復旧したのだが、停電となれば電車も止まり水道も使えない。お店も閉まり冷蔵庫が使えず、生鮮食料品は全部腐る。企業も操業停止する。電子力発電所で冷却水を送れなくなったら悲惨な事故につながる。そう考えれば電気の供給は何があっても止めてはならないことが分かるし、最悪の場合に備え充分過ぎるほど準備しておくべきだろう。日本は電力の供給に余裕があるのかと言えば、もし停止中の原発まで「余力」に含めれば相当余力はある。

今回の北海道電力の件は、苫東厚真火力発電所1、2号機(計95万キロワット)のボイラーの配管が損傷したことであり、それ以外の発電所は緊急停止しただけで短時間で復旧可能だった。実は北海道には現在定期点検中として停止している泊原発(207万kW)があり、これを緊急稼働できれば停電など起こさずに乗り切れた。もちろん、安全かどうかをじっくり検証する必要があるのだろう。しかし停電によって救うことができた命が失われることも多い。

例えば2016年の熊本地震での直接の死者は50人だったが、震災関連死に認定された人はその4倍の200人だった。今回の北海道全土での停電では295万世帯が停電し、病院も停電で大きくその機能が制限された。376病院が停電し人工透析が必要な1万5000人に影響が出た。表には出てこないが、この停電が何らかの原因になって命が失われた方は相当数いるのではないか。

停電は人命に係わることを考えれば、緊急の場合は停止中の原発も他に方法が無ければ一時的に稼働してもよいのではないか。予備電源として北海道から九州まで直流で融通できるよう現状の2~3倍の容量の送電線があれば停電は大幅に防げた。東日本大震災の際も電力の融通が問題になった。九州電力も太陽光発電で発電し過ぎたため、太陽光発電を抑制するとのこと。もし全国で電力を大規模に融通できるならむしろ火力発電を抑制し、CO2の排出を少しでも減らすべきではないか。北海道は風も強くもっと風力発電も強化すべきだ。

今回の北海道のブラックアウトを契機に日本全土のブラックアウトに対する備えは本当に万全なのか検討して頂きたい。

|

« 総裁選では消費増税の是非を議論せよ(No. 317) | トップページ | 生物学を基に考える国民を幸福にする方法(No.318) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

XYZ軟體補給站光碟破解大補帖資訊合輯中心 http://soft-ware.xyz/

投稿: Granttiste | 2018年9月10日 (月) 19時10分

 今晩は。higashiyamato1979です。今回の北海道における地震の被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。そして改めて、イデオロギーに囚われないエネルギーに関する議論が求められる事を我々は再認識すべきでしょう。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: kuniyoshi1979 | 2018年9月10日 (月) 21時08分

 今晩は。higashiyamato1979です。今回の北海道における地震の被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。そして改めて、イデオロギーに囚われないエネルギーに関する議論が求められる事を我々は再認識すべきでしょう。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: higashiyamato1979 | 2018年9月10日 (月) 21時09分


今回の北海道の地震で停電が長引きましたが、電気が復旧するまでの間、
燃料電池が必要かと思います。地球環境のために化石燃料から自然エネ
ルギーへの転換など循環型エネルギーへの転換など言われて久しいですが、
燃料電池の開発などはどのように進められておりますか?電気はためら
れない、その電気を貯めて非常時に使用するなど必要かと思います。
わかっているものがあれば教えてください。

投稿: | 2018年9月11日 (火) 21時11分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/566837/67150621

この記事へのトラックバック一覧です: 大規模停電(ブラックアウト)に対する備えは十分か(No.317):

« 総裁選では消費増税の是非を議論せよ(No. 317) | トップページ | 生物学を基に考える国民を幸福にする方法(No.318) »