いくら消費増税をしても国の借金は増え続ける。何を間違えたのか。(No.321)
10月15日に安倍首相が来年10月からの消費増税を表明してから、やっと消費増税に関連したマスコミ報道が増えてきた。その多くは消費増税の前後の駆け込み需要と反動減の事とか軽減税率の扱いの煩雑さを指摘するものだ。前回2014年の5%から8%への引き上げの際に消費が大きく落ち込んだが、その時のトラウマが消えていない。再びそのような落ち込みがないよう、財政拡大で落ち込みを防ごうとしている。
消費増税で国の借金を減らしたいのかもしれないが実際は借金は決して減らず、逆に増えてしまう。言うまでもなく消費増税は消費に悪影響を及ぼし経済成長を低下させる。デフレ脱却の時期も遅らせる。二十数年前日本の一人当たりの名目GDPは世界トップレベルだった。今は二十位以下に落ち込み先進国では最低、韓国にすら抜かれそうである。これはデフレ下で十分な経済対策が行われず、世界の中で際立って低い経済成長を続けているからであり、その成長率を更に下げようとする消費増税が良いわけが無い。
民間の日本経済フォーキャスター39人(機関)による予測の平均(ESPフォーキャスト調査)によれば日本の実質GDP成長率は2018年度が1.18%、2019年度が0.78%、2020年度が0.70%であり、消費増税で減速する。豊かだった日本を貧しくしてしまったのに、更に貧しくしようとしてよいのだろうか。貧しくしてしまったら少子高齢化対策に悪影響なのは明かだ。国の借金を返したいということでどんどん消費増税を行っているのだが、国の借金は減るどころかどんどん増えている。何かおかしいと思う人は誰もいないのか。ちなみに国の借金が増える事はお構いなしに、更に借金を増やした国はインフレでGDPも増えるために借金の対GDP比は日本よりはるかに低い。その理由は簡単だ。借金を減らそうとして緊縮財政・増税を行うとGDPが増えなくなるが国の借金というもの増え続ける性質があるのだから、借金のGDP比は増え続ける。逆に諸外国のように借金が増える事は気にせず、経済成長第一に考え財政拡大・減税を行うとGDPが増え始めるので借金のGDP比は減少してくる。
日本の国の借金は130年間で500万倍になっており、どう頑張っても一定の割合で増え続ける運命にある。
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/no301-a00c.html
諸外国のように国の借金は気にせず適切な経済対策を行って経済成長を第一に考える政策に変更したらどうか。国は通貨発行権を持っており、今経済対策を行ったからと言って将来世代が経済対策を行えなくなるということはない。これは家計とは全く違う。
政府がどんどんお金を使うと借金のGDP比は減るという話を信じない人は借金のGDP比のランキングを見て欲しい。
https://www.globalnote.jp/post-12146.html
日本が世界で最悪の237%だが、政府がカネを使いすぎた国は次のようにずっと低くなっている。
ブラジル 83%
ジンバブエ 82%
アルゼンチン 57%
ベネズエラ 38%
トルコ 28%
減税・歳出拡大を行えばGDPが増加し借金の対GDP比が下がることを分かって頂いたであろうか。
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