外国人労働者を大量に入れると将来世代へのツケを残す(No. 324)
外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法改正案の審議が行われている。政府は移民ではないと言うが、実質移民受け入れ拡大である。日本は犯罪の少ない平和な国であることは広く知られている。外国人が入ってくれば犯罪が増える。治安悪化を望む人は誰もいない。しかし政府は反論するだろう。外国人が増えても犯罪の件数は増えていないと。しかしこの説明で騙されてはいけない。警視庁によると日本人の犯罪率を100%とした時、2000年の統計では来日中国人243%、来日ブラジル人250%、来日米国人4%となっている。国籍によって犯罪率が60倍も違うとなると、犯罪とは無縁な国の人が多く入ってきて、犯罪を多くする外国人の犯罪が薄められ平均では外国人が増えても犯罪は増えてないように見える。しかも日本で爆買いをする裕福な中国人は殺人とか窃盗とかの犯罪に手を貸すことは希である。しかし、政府が目指す低賃金で単純労働を行う労働者となると、貧しい人が多く、過去の統計では出てこなかったような高い犯罪率を想定しなければならない。劣悪な労働条件で失踪が相次ぐ技能実習生は危険極まりない。
そもそも民族間の争いは世界各地で行われており、紛争が絶えない。それを日本に持ち込むことは止めて欲しい。今回の徴用工問題も70年以上前の朝鮮人を働かせたために大変な国家間の問題になっている。韓国の反日感情もやはり民族対立の一つであり、生活に困窮した外国人を大量に入れて低賃金で働かせるということは新たな徴用工を発生させ深刻な民族対立問題を発生させかねない。
人手不足が深刻で産業界から外国人労働者を入れるよう強い要望があるという。しかし、低賃金の労働者に働いて貰わなければ成り立たないような業種は撤退してもらい、業界再編を促すのが政府の仕事のはずだ。値上げしても売れる商品は残る。これは消費者の選択だ。低賃金を維持し、非正規社員を多数抱えなければ維持できないような会社を政府が支援するということはデフレ脱却を遅らせる経済を弱体化させるということだ。外国人労働者を入れなければ、企業としてはAI/ロボットなどを入れ自動化を進めるか賃金を上げて人を確保するかのどちらかを選ぶしか無い。賃金が上げれば需要も増えるからデフレ脱却へと向かう。賃上げをすれば赤字になるのであれば製品を値上げするし、値上げで売上げが落ちて赤字になる会社は淘汰される。業界再編で日本企業が国際競争力を増す。これはかつて日本が成長していた頃の姿である。政府は転職を強いられた弱者に対しては手厚い保護をする必要がある。単純労働を行う外国人労働者を入れて弱い企業を助けるより、業界再編を促し企業の国際競争力を高めた方が日本の将来を明るくする。日本企業の新陳代謝が必要である。
外国人労働者でもAIの専門家や大学研究者など日本経済を牽引してくれる人たちを高給で招聘するのは大歓迎でありこちらは大いに力を入れてほしい。
外国人労働者を入れないとして、評判の余り良くないレストランやホテルが廃業したとしても我慢できるのではないか。低賃金の外国人を雇ってかろうじて存続させる必要があるのだろうか。介護の人手不足は深刻だとのこと。給料が安すぎて人が集まらない。外国人を安く雇わなくても介護職員の給料を上げれば人は集まる。その場合、介護保険料の値上げを直ぐにしようと言い出す人がいる。しかし給料上昇分は財政でバックアップすればよい。介護従事者100万人の年収を20万円上げるには2000億円必要になる。その程度財政赤字を増やす余裕はある。デフレ脱却には財政赤字の拡大が特効薬である。その他AI/ロボット等を使った労働環境の改善も行うべきだ。
人手不足と言うが、随分無駄なところにエネルギー(人手)を使っている。毎日郵便ポストに入ってくる関係無いチラシ、無駄なメールも山ほど入ってくる。テレビドラマもあんなに沢山作る必要があるのだろうか。デパートに行くと無数の商品が並んでいるが本当に全部必要か、商品の種類が2~3割減っても困る人はほとんどいないだろう。7軒に1軒は空き家だと言われているのにどんどん新しい家を建て続けるしかないのか。また、新築住宅は僅か20年で価値がゼロになると主張し、国も建築業者も中古住宅の取引がわざと成り立たないようにして不必要に建て替えをさせようとするからますます人手不足になる。中古住宅が売買されると消費税も入らないから国はいやがる。建設業者も中古住宅を壊して新築住宅をどんどん建てて欲しいのだ。住宅の平均耐用年数はイギリスで141年、アメリカは103年、ドイツは79年と週刊誌に書かれたことがあった。日本も実際は、それほど頻繁に新築住宅を建設する必要が無いし中古住宅活用で建築現場の人手不足も解消する。要するに人的資源の無駄遣いが横行している。無駄遣いを止めれば外国人労働者の大量受け入れなど不要である。
農家も低賃金の外国人労働者が入って来なければ農業を辞める人も多いだろうし、その場合他の農家が農地を引き取り大規模化が進み生産性が向上する。大規模化すればドローンやAIを使った農耕機械が導入でき米国の数十分の1と言われる農業の生産性を上げるのに役立つ。
国はもっと国民の幸福を考えて欲しい。日本の生活困窮者にもっと支援をすべきだし、日本の経済を牽引し世界をリードする企業を育ててほしい。特にGAFAと呼ばれる超巨大IT企業に対抗できる企業を育ててほしい。生活苦の外国人労働者を大量に入れて治安を悪化させる前に一度立ち止まって考える時だと思う。彼らは日本で稼ぎ本国に送金する。富を日本から吸い上げて外国へ流してしまうから国内の需要拡大にはマイナスだ。企業は低賃金で働かせて暴利をむさぼり、稼いだカネは内部留保として積み上がる。もし外国人労働者を入れないなら、人手不足の企業は給料を上げてでも人を集めるしかなく、そのときはカネは日本人労働者の手に渡り、確実に消費に回る。企業が内部留保を取り崩したカネが結果として内需拡大を導きそれが経済を拡大させるから企業にとってもプラスになる。当然AI/ロボットなどの投資も進みそれも経済の活性化にはプラスだ。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- チャットGDPに日本経済の復活について聞いてみました(No.485) (2023.08.16)
- 内閣府計量分析室の試算から問題点を考える(No.483)(2023.07.30)
- ChatGPTは人の労働を代替できるか(No.181)(2023.03.16)
- 内閣府計量分析室に電話して内閣府試算について聞きました(No.480)(2023.02.10)
- 岸田首相は日本経済の現状を理解しておられるのだろうか(No.478)(2022.11.10)
コメント
今日は。higashiyamato1979です。種子法廃止、水道民営化そして移民と、自民党は完全に新自由主義の虜に成り下がりました。今日に至るレールを敷いたのは諸説あるも矢張り中曽根康弘でしょう。日本にもスターリン批判ならぬ中曽根批判が必要だと思います。
それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!
投稿: higashiyamato1979 | 2018年11月23日 (金) 12時19分
需要不足には歳出拡大。 供給力不足には生産性向上(ムダを減らして機械化を推進し、より少ない人数で同じアウトプットを/同じ人数でより多くのアウトプットを)。
この当たり前のことをアタリマエに実行すべきですね。
投稿: hugoniot | 2018年11月28日 (水) 01時36分