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2019年1月

2019年1月29日 (火)

韓国軍は日本の哨戒機を怖がっていて国が守れるのか(No.333)

韓国軍艦は友軍である自衛隊の哨戒機が近づいて来たのを異常なまでに怖がっている。砲台は哨戒機の方向に向いていなかったようだから「攻撃」するつもりはなく、単に火器管制用レーダーを照射して追っ払いたかったようだ。武器を付けていない航空機を怖がるとは軍隊の体をなしていないし、これで国を守れるわけがない。哨戒機からの無線での呼びかけですらよく聞き取れなかったというお粗末な無線設備、これで軍艦艇と言えるのか。使い物にならない兵士と軍艦、彼らにはかつて他国に植民地支配された反省はないのだろうか。植民地支配を許した責任者の謝罪はあったのか、そして二度とそれを繰り返してはならないという反省はあるのか。 

彼らには二度と戦争を繰り返してはならないという不戦の誓いをしている日本人の心が分かるだろうか。例え哨戒機に韓国の軍艦艇に突っ込めと命令が下ってもだれ一人それに
従う自衛隊員はいない。国のために死んでくれと言われても、もう誰もそんな命令には従わない。哨戒機が軍艦を威嚇したと言う笑い話を誰も信じないし、そんな証拠写真はないし軍艦に近づくことはむしろ哨戒機にとって極めて危険な命がけの行為であり、平和な時代、そんな危険な行為を敢えてする日本人はどこにもいないし何のメリットもない。今の日本、これだけ平和が続き、戦争の悲惨さをよく知っているから、「戦争に出かけ命をかけて国のために戦うつもりはあるか」と聞かれれば、ほぼ全員がノーと答える。

哨戒機が低く飛びすぎているというのであれば、高度は何メーター以上にしてくれと日本に電話を一本入れればよいだけであり、日本側も韓国軍とその程度の問題で世論戦までして対立しなければならない理由はない。監視活動にせよ、最近のカメラは解像度が上がっており、少々距離があっても鮮明に撮影できるのであり近づかなければならない理由はない。

韓国は徴用工問題で賠償を求める。1965年に調印された日韓基本条約で総額8憶ドルの援助資金と引き換えに、韓国側は一切の請求権を放棄した。それから50年以上経った今、徴用工問題で賠償を求めてきている。これは第一次世界大戦のドイツに対する賠償問題と共通点がある。敗戦国ドイツに対しフランスなどの連合国はとてつもなく高額の賠償金の支払いを求めた。それにドイツ国民は激しく反発し、結果としてヒットラーが率いるナチス党の台頭を許し、第二次世界大戦へと突入することとなった。この反省から第二次世界大戦後は、賠償金を求めるより、ヨーロッパの国家連合体をつくることのほうが平和維持には重要だと気付き、それが奏功し戦後は平和が維持されている。

ドイツに対して内心賠償を求めたい国は多数あるに違いない。例えばレニングラード包囲戦ではソ連政府の発表では67万人、一説によれば100万人以上の市民が死亡した。これは広島の原爆で死亡したとされる9万 ~ 16万千人をはるかに上回る。しかし、これらの国が今でもドイツに賠償を求め続けているわけではない。ヨーロッパ諸国が今まで戦後の賠償問題をずっと引きずっていたら、中東のように戦争は果てしなく続いていただろうし、今の平和と繁栄を享受できていなかっただろう。韓国は賠償金の問題に関しては欧州に学ぶべきだ。

韓国は北朝鮮と結託して反日活動を活発化させているのだろうが、北は助けにならない。核を放棄しないまま北と統一することになれば、韓国も北朝鮮と同じ経済制裁を国際社会から受けることとなり韓国経済はひとたまりもない。トランプは独裁者になりたいのか、金正恩と意気投合していて金正恩には強いことを言えないようだ。金正恩はそれを利用して核を保持したまま経済制裁を解除させたいのだろう。今こそトランプは金正恩に「核を直ちに放棄しなければ直ちに武力攻撃をする」と告げるべき時だ。金正恩にはもはや「攻撃するならソウルを火の海にするぞ」という人質作戦はできず、核を放棄するしかないのだ。そうなればトランプには念願のノーベル平和賞も視野に入ってくる。しかし現実は元側近のストーン容疑者の訴追でロシア疑惑が深まりいよいよトランプ劇場も最終幕が近づいてきている。

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2019年1月21日 (月)

米中が大型減税しているのに、日本は増税っておかしくないですか(No.332)

アメリカのトランプ大統領は2017年12月、169兆円もの大型減税を実施した。それにより国民は年85万円を得た。それに加え大型法人税減税も行っている。一方中国は18年に約21兆円の減税を行ったが、19年はさらに上積みする。フランス国民は大規模なデモで緊縮政策を撤回させた。力強く経済成長している米中仏がこのような大規模な減税をして国民を豊かにしているとき、世界最低の経済成長率で苦しんでいる日本がなんと増税をして、国民をさらに貧乏にしようとしているのだ。日本は財政が厳しいからという言い訳は許されない。内閣府は先月、減税・歳出拡大で景気を刺激すれば国の借金のGDP比は減少し財政が健全化に向かうと発表した。
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/no-06e6.html
日本は国の借金が今の10分の1しかなかった頃から財政非常事態宣言を出している。
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/no327-c485.html
これは日本だけの異常な現象だ。

例えば、中国を考えてみよう。国の借金など全く意に介せず、通貨発行権を行使し好きなだけ減税・歳出拡大を行っているように見える。例えば中国政府(財務省に相当するのは財務部)が国債を発行したとき、買い手が現れなければ財政破綻だがその心配は全くなくて、世界最大規模の商業銀行がいくらでも買ってくれる。中国四大商業銀行は中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行、中国銀行だが、これらは中国政府が100%出資している政府系ファンド匯金公司からの資金と財務省に相当する中華人民共和国財政部からの資本が入っている国有企業である。
中国工商銀行:総資産(20兆3,037億人民元)、営業収益(5,896億人民元)の世界最大規模の巨大銀行であり従業員数は424,516人
中国銀行:総資産は16兆8156億人民元、2016年には世界第5位
     従業員数 279301人(2010年)
中国農業銀行:2010年、顧客数は3億2000万人、国内に2万3612店舗
中国建設銀行:行員41万人、総資産規模は3兆人民元

このような巨大国有銀行に国債を買い取ってもらえるなら、売れ残りはあり得ない。万一不良債権が発生したとしても、かつての日本のようにオロオロする必要はなく、躊躇なく中国人民銀行に買い取ってもらえばよいのだ。人民銀行は通貨を発行できる唯一の銀行であり          国務院(内閣に相当)の組織部門の一つで中央銀行の機能に特化している。このように政府が銀行も中央銀行も支配下に置いており、国債のやり取りをしながら通貨発行権を行使し好きなだけの資金を自由に国民に流すことができるから、日本のように国民の不安を煽るようなことはしなくてよい。大量出血の人に輸血用の血液がなければ助けられないが、いくらでも輸血用血液があれば助けられる。これが日本と中国の不良債権処理の違いだろう。

中国の制度は極めて優れた制度であり、世界最高水準の経済成長を維持できる制度である。財政非常事態宣言を出したり、国の借金は将来世代が返すのだとか少子高齢化で年金が危ないと国民を脅したりしなくてもよいのだ。今回米中貿易摩擦で景気悪化の心配が出てきたのだが、大規模減税を行ったり預金準備率を下げたりして景気を支えることができる。リーマンショックの際は4兆元(約60兆円)の景気対策で景気を支えた。それに比べ失われた20年と言われる長期不況が続いていてもこの間有効な景気刺激策が出せない日本の財政・金融システムはお粗末というしかない。米中貿易摩擦の余波や日米貿易摩擦や英国のEU離脱で景気が悪化しても消費増税をする日本。このままでは日本は果てしなく貧乏になってしまう。中国と日本の違いは自由に減税ができ財政規模を拡大できるかどうかという点だけだ。しかし政府支出を拡大すれば国の借金のGDP比は減少していくという上記内閣府の試算に従って、今こそ思い切って財政を拡大すればまだまだ挽回のチャンスはある。

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2019年1月16日 (水)

日本の「無税国家」化は既に可能である(No.331)

    ーーー これは池戸万作氏による投稿です ---

 本レポートは、日本の「無税国家」化の可能性について、内閣府の計量分析室が発表した経済財政モデル(2018年度)に基づいて分析したものである。表題は、無税国家は可能であるとしたが、しばし、無税国家などと言うと「そんなことするとハイパーインフレになる!」といった批判がなされるが、果たして、そこまでインフレ率は上昇するものなのだろうか。そうしたことについても、この内閣府のレポートは示唆しているのである。その前提条件としては、

①減税の効果は比例的に考える。(倍の減税をすれば、ちょうど倍の効果があるものとする。)
②増税は減税に置き換え、符号を逆転させる。(増税と減税を逆転させると同じ効果とする。)

この条件の下で、内閣府の試算を用いて、無税国家は可能であるか、その懸念材料であるインフレ率に焦点を当てて、述べていくことにする。なお、無税国家にするための財源は、国債発行(ないし政府貨幣発行)で賄えば良いだけである。

1 所得税無税国家
 これについては、11ページの④を参照にして考えてみたい。④の計量分析した条件は下記の通りである。

④個人所得税について名目GDPの1%相当を増税し、そのGDP対比で見た税収の水準を継続させる場合

 この条件においては増税となっているので、インフレ率はGDPデフレーターも消費者物価もマイナスの値で算出されている。増税するとデフレ圧力が働くという試算である。逆に言えば、減税するとインフレ圧力が働くということになる。
 それで、日本の名目GDPは約550兆円であるからして、その1%相当を増税となると、5.5兆円の増税となる。その増税額を5年間続けた場合の推計がレポートで示されている。さて、現在の日本の所得税収はどれほどであろうか。これは財務省が発表している一般会計税収の推移 にて示されている。確定した平成28年度(2016年度)のデータを見ると、17.6兆円となっている。この金額をレポートのケースで示された5.5兆円で割ってみると、ちょうど3.2となる。つまりは、レポートのモデルで示された数値の-3.2倍(減税なので符号を逆転させる)をしてやれば、所得税無税国家が実現した場合の推計値を算出することが可能なのである。では、その場合のインフレ率はどうなるのだろうか。

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 上記の表が所得税を5.5兆円した場合と、所得税収17.6兆円を無税にした場合のインフレ率を示したものである。この表によれば、所得税収を無税にしても、1年目にはわずか0.1~0.2%程度にしかインフレにならない。5年経っても、GDPデフレーターで、ようやく1%に届こうかとするレベルのインフレ率である。直近のGDPデフレーターが0.0%であることを踏まえると、例え所得税を無税にしても、日本銀行のインフレ率2%目標の達成には、5年間続けてもまだ半分にも届かないのである。2%インフレ目標の達成には、所得税無税国家だけでは全く足りず、さらなる無税化が必要なのである。

2 法人税無税国家
 次に、法人税の無税国家化を検討してみよう。そんなことをしたら、諸外国からクレームが舞い込んで来そうだが、それはさておき、これは③の条件から導ける。

③法人税について名目GDPの1%相当を増税し、そのGDP対比で見た税収の水準を継続させる場合

 先ほどと同様に名目GDPの1%、すなわち5.5兆円分、法人税を増税した場合のケースが示されている。次に、財務省の一般会計税収によれば、平成28年度(2016年度)の法人税収は10.3兆円となっている。これを5.5兆円で割ると、約1.87となるので、次は内閣府の試算から-1.87倍した場合のインフレ率を示しておく。

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 法人税の減税によるインフレ率の上昇率は、所得税と比較しても乏しく、その上、減税規模も10兆円程度と少ないため、ほとんど物価は上昇しないようである。法人税無税国家から5年後のデフレーターでも、ようやく0.4%を少し超える程度と、ほとんどインフレになる気配がない。先ほどの所得税無税国家と合わせても、インフレ率は5年後で1.4%に留まるのである。所得税と法人税をダブルで廃止してもこのインフレ率であるから、もはや、日本銀行の2%インフレ目標とは、果てしなく困難な目標のように思えてくる。

3 消費税無税国家
 3番目には消費税無税国家について考えてみたい。消費税無税国家と聞けば、平成末期の世では突拍子もないように思えるが、何てことはない、昭和の税制に戻るだけの話である。昭和は消費税無税国家だったのだから、平成の終わりと共に消費税も終わらせ、平成の次の時代も消費税無税国家になれば良いだけの話である。消費税の推計条件については以下のように書かれている。
 
⑤消費税率を1%ポイント引き上げ、その税率を継続させる場合

ということなので、消費税廃止だと、消費税8%分の減税になるので、ここでの推計に-8倍した場合のインフレ率を表にまとめておく。
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 表の通り、GDPデフレーターと消費者物価で開きがあるものの、消費税増税をすると、その分、見た目の物価が引き上げられるので、インフレ率が高まる。逆に、消費税廃止には大幅なデフレ圧力が働くことになる。これを持って、デフレ効果があるので、無税国家化が促進されると見込みたいところではあるが、年を追うごとに徐々に物価が上昇していることが分かる。なので、1年目のインフレ率を基準(0.0%)と置いて、その後の変動についても、表にまとめておくこことする。

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 表の通り、消費税を8%分減税(廃止)すると、1年目と比較して、5年目ではGDPデフレーターで0.8%、消費者物価では0.56%、インフレ率が上昇することになる。これが国税(6.3%)で17.2兆円分、地方税(1.7%)も含めると、約21.8兆円分(17.2×8.0/6.3≒21.8)の消費税廃止に伴うインフレ上昇率だと、ここでは記しておくことにする。これで主要3税廃止によって、ようやく5年目にインフレ率2%目標に達することが出来た。

4 その他の税の無税国家
 最後にその他の税金額についても見ていくこととする。平成28年度(2016年度)の一般会計税収計は55.5兆円となっている。ここから、所得税収17.6兆円、法人税収10.3兆円、消費税収17.2兆円を差し引くと、その他の税収は10.4兆円となる。その他の税の無税国家化については、先ほどの所得税の推計結果を援用することにする。

④個人所得税について名目GDPの1%相当を増税し、そのGDP対比で見た税収の水準を継続させる場合

 改めて言うと、名目GDPは550兆円なので、その名目GDP1%相当は5.5兆円になる。先ほどのその他の税収10.4兆円を5.5兆円で割ると、約1.89となるので、今度は所得税増税の推計に、-1.89倍したインフレ率の値を算出してみる。
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 表の通り、その他の税収についても、その廃止に伴うインフレ率を算出した。10.4兆円分の減税によって、5年目で0.5~0.6%程度、インフレ率が上昇することになる。

5 無税国家化に伴うインフレ上昇率
 こうして無税国家化するに当たっての各税収のインフレ率の上昇率について、算出することが出来た。最後にこれらを合わせると、インフレ率がどれほど上昇するのか、表にまとめてみる。果たして、無税国家を行うと、日本はハイパーインフレになるのだろうか。
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 これが内閣府の経済財政モデルから導き出される無税国家にした場合のインフレ率の推計である。平成28年度(2016年度)の一般会計税収計の55.5兆円に、消費税1.7%分の地方税約4.6兆円を加えた、合計60.1兆円分減税した結果のインフレ率がこれである。
 端的に結論を言うと、無税国家を行っても、ほとんどインフレにはならないのである。1年目では、ほとんど物価上昇は起こらず、2年目で1%程度、4~5年経って、ようやくインフレ率2%目標に達するほどである。無税国家にすることで初めて、「ちょうど良いインフレ率」を実現出来るのである。「そんなバカな!」と思える推計結果ではあるが、内閣府の試算結果がそのように示されているのだから仕方がない。
 ちなみに、他の項目についても算出してみると、以下のような推移となった。
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 GDPは年を実質・名目ともに追うごとに落ちていくようである。なお、名目値より実質値の方が大きいのは、消費税廃止によって物価が下がるためである。可処分所得が大幅に伸びるのは所得税廃止の影響である。長期金利は物価上昇に並行する形で上昇して、5年後には3%台に突入するようである。
以上のように、5年目にGDPデフレーターで約2.8%、消費者物価で約2.3%程度のインフレ率を容認してしまえば、日本は無税国家を実現出来るのである。この程度のインフレ率は、諸外国では当たり前で、韓国など近隣のアジア諸国がこのレベルのインフレ率であるからして、近隣諸国とインフレ率を並べる意味合いでも、日本は無税国家にすべきなのである。
 一見、夢のように思える、無税国家論であったが、約60兆円程度を減税しても、懸念材料であるインフレ率は2~3%程度しか上昇しないことが導き出された。このことから、もはや、無税国家は夢ではなく、インフレ2%目標達成のためにも、現実として行わなければならない必須政策とも言えよう。
日本の0.0%という極めて低いインフレ率によって、今や無税国家は政治家の胆力一つで、十分実現可能な現実的な経済政策にまでなったのである。異次元の金融緩和の次は、異次元の減税策を政府に期待したいものである。

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2019年1月14日 (月)

教育のAI化は如何に進めるべきか(No.330)

筆者は平成元年に教育ソフトの会社を立ち上げ、昨年まで教育のIT化、AI化を目指して頑張ってきた。残念ながらこの分野では日本は諸外国に大きく遅れをとっている。その理由の一つは政府の予算が少なすぎるということだし、もう一つは予算の使い方が間違えているということだ。例えば橋や道路であれば、使う人が余りにも少なすぎればこんなところに道路をつくったのは間違いだったということは誰でも分かる。しかし役人がカネを出して民間に作らせたソフトウエアやシステムが失敗作だったとしても一般の人も政治家もほとんど気づかない。実際は大失敗の連続なのだ。失敗の原因は、役人が将来どのように発展させていくかを考慮せず開発させるから、開発したものが1~ 2年後には使えなくなるものが多い。言っておくが筆者の開発したPC教育シリーズや写真素材集は30年後でも立派に使える。

どうすればよいのかだが、一つのヒントとなるのはインドで急成長しているオンライン教育アプリ「バイジューズ」である。11年に会社を設立し、15年から動画アプリを投入、今では社員3200人、企業価値が4000億円の未上場会社「ユニコーン」にまで成長した。バイジューズの動画は1本3 ~ 5分で図形やアニメーションも組み合わせてあり飽きさせない。このように短い動画がたくさんあると、AIを活用して受講者ごとに最適な教材を提示できる。

日本ではこのように急拡大する教育関連会社は見たことがないのだが、教育の、あるいは学習のAI化を考えればビッグデータの蓄積が欠かせない。AIを使った教育システムを開発したと宣伝する会社もあるが、ビッグデータを使わないAIもどきのものも多い。OECD加盟国の中でのPISA学力調査では日本はトップレベルにあるのだが、学校におけるICT教育は世界最低レベルである。一方では学校の先生の残業時間が長すぎることが問題になっている。例えば中学教員の8割が月100時間(過労死ライン)を超えて残業している。

未来社会は個に応じた教育をAIが行うようになる。そのような教育システムを構築するための近道は国がベースとなるコンテンツを無料で提供し、それを民間企業が自由に使ってAIを駆使した本格的な教育システムを構築できるようにすることだ。まずNHKやその他の民間企業が開発した教育用動画、静止画、音声等を高価で買い取りそれらのコンテンツを民間企業が無料で無制限に使ってシステムをつくってもらう。民業圧迫にならないようにするには、それらのコンテンツを提供してくれた民間企業に対し開発を会社が納得できる条件で委託し、更に動画を各教科、各単元用にきめ細かく追加していくとよい。国から依頼されて制作されたコンテンツは完全に著作権フリーとし、企業はそれらのコンテンツをベースに有料の教育システムを制作して稼ぐ。動画制作には日本中から優れた教師を抜擢し、最高水準の授業をしてもらう。生徒ごとに最適な教材をAIが提示し、どれだけ理解できたかの確認テストを行う。データが蓄積すると、どの先生がどういう教え方をした場合が最も理解度が上がるかがわかるようになり更なる改良の糸口が分かってくる。この方法で授業の質が上がっていけば、やがて先生がいちいち授業をするよりこのAI主導の動画システムで教育したほうが学力が向上すると分かるようになり残業が厳しい学校の先生の仕事が軽減される。しかも個人ごとの履歴よりAIはどの生徒はどの分野に進むべきだというアドバイスも的確にしてくれる。そのためのその生徒の長所を伸ばす特訓もしてくれるだろう。

日本にも優秀な児童・生徒がいる。例えば小学二年生の高橋洋翔君は数学準一級に合格した。これだけできればすでに大学入試は余裕で突破できる。彼は小学5年で数学一級に合格し、すでに世界的に有名な数学者と共同研究を行っておりすでに研究業績もある。こういった天才的な子供たちには特別な教育をしなければならないのだが、それができていない。例えばアメリカだと飛び級という制度があり、また特別な才能がある子供、つまりギフティッドを発掘し、「ギフティッド教育」という特別な教育を受けさせている。こういった子供たちを適切な教育を行ってこなかった日本だが、今こそAIを使ってそのような教育をすべき時だ。

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