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2019年3月 4日 (月)

明石順平の財政破綻論に反論する(No.340)

明石順平氏の『データが語る日本財政の未来』という本を読んだ。明石氏はこの本を読んでも「日本は絶対に財政破綻しない」と言えますかと聞いている。答えは簡単、もちろん「言える」である。

明石氏の主張1:日本には資産があるから財政破綻しないと言う人がいるが、これらは借金返済に使えない。資産というのは年金積立金の運用寄託金(121兆円)、道路・堤防等の公共用財産、外貨証券(82兆円)、財政融資資金貸付金(139兆円)、対外純資産だそうだ。
反論:もちろん、こんなもの借金返済には使えないし使う必要は全くない。日本の国の借金は過去130年間で500万倍になった。この間借金は増え続けており、借金の増加は流通する通貨量の増加と密接に関係している。経済を拡大するにつれ借金は増えていくのは自然の成り行きであり、明石流のやり方での借金返済は空想にすぎず無意味であり馬鹿げている。

明石氏の主張2:日銀がお金を刷って国債を買っても、日銀当座預金という負債に入れ替わるだけだから借金は無くならない。
反論:例えば日銀が日銀券を刷って国債を買ったとしよう。明石氏によれば日銀券は日銀の負債だから借金返済になっていないと言いたいのだろう。百歩譲って日銀券が借金だとして、無利子・無期限の借金であり放っておいて構わない。そもそもこれを税金で返済しなければならないわけがない。預金通貨も同様であり、日銀当座預金が借金だという主張には無理がある。主張1で述べられたような馬鹿げた借金返済方法などではなく、日銀が刷ったお金で借金を返済すれば何の問題も起こらない。それが財政が破綻しないと言える十分な根拠である。

明石氏の主張3:日銀当座預金残高が増えると、インフレを止められなくなる。
反論:これも物余りの日本経済の現状を無視した空想にすぎない。インフレが止められなくなった例はすべて極度の物不足の状況下であり、しかも財政規模が急激に拡大している場合だ。これと反対に日本は物余りの状況であり、しかも財政規模はむしろ減少気味で歳出は2009年度には101兆円だったものが、2018年度には97.7兆円にまで下がった。デフレ脱却を目指しインフレ率を上げたいなら財政規模を拡大しなければならない。実質賃金も減少しているから消費も低迷が続く。物価は需要と供給の関係で決まる。需要不足の今、インフレ率を高めようとしても無理だし止められなくなるほどのインフレなど論外だ。デフレ脱却を困難にしているのは、「財政破綻するぞ」という悪質なデマを流す連中(明石氏のように)の存在だ。騙されやすい人たちは、このようなデマに簡単に騙されてしまう。その結果、企業の経営者は設備投資を抑え、消費者は消費を抑える。

消費増税などで消費を抑えている反面供給力は増している。辞書や地図帳や旅行ガイドなどはかつては本屋で買っていたが、今はネットでもっと良いものが無料で見ることができる。音楽CDもネットで無料で聞けるし、安くダウンロードも可能だ。AI/ロボットが次々と人の労働を奪いつつあるのも物価が上がりにくくしている。コメの供給過剰も続いており、減反政策も事実上維持されている。現代では昔と違い需要が増えても生産ラインを増やし生産を増強すれば、大量生産で逆に値段を下げることもできる。明石氏の言うように日銀当座預金残高が増えると、インフレを止められなくなるのであれば、もうとっくに2%のインフレ目標は達成されていなければならない。

今、日本で必要なのは、明石氏のようなデマで国民が不安に陥るようなことがないよう教育し、安心して生活ができるようにすることだ。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

 今日は。higashiyamato1979です。この明石順平のように財政破綻論を唱える者が次から次に湧いて出てきます。最早何かしらの黒幕が存在して組織的に財政破綻論を煽っているのではないかと疑ってしまいます。
 それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!

投稿: higashiyamato1979 | 2019年3月 7日 (木) 16時22分

>明石氏の主張1:日本には資産があるから財政破綻しないと言う人がいるが、これらは借金返済に使えない。資産というのは年金積立金の運用寄託金(121兆円)、道路・堤防等の公共用財産、外貨証券(82兆円)、財政融資資金貸付金(139兆円)、対外純資産だそうだ。
>反論:もちろん、こんなもの借金返済には使えないし使う必要は全くない。日本の国の借金は過去130年間で500万倍になった。この間借金は増え続けており、借金の増加は流通する通貨量の増加と密接に関係している。経済を拡大するにつれ借金は増えていくのは自然の成り行きであり、明石流のやり方での借金返済は空想にすぎず無意味であり馬鹿げている。

なんだこれ、反論する気があるのか(笑)

投稿: | 2019年4月16日 (火) 06時18分

彼は明石様に反論する気が、全くないに決まっていますね。なぜなら130年で500万倍になったということは、この借金はただの借金ではなく、永久に返済しない筋合いの借金だという証明です。だから明治からずっと踏み倒している。踏み倒すのが正しい政府負債です。もしうっかり返済したら国はつぶれる。2149年に260年前の25兆倍にこの借金を巨大化させれば、日本は順調に先進国として保たれているというだけの話。

投稿: 21SOZO | 2019年6月15日 (土) 04時38分

>デフレ脱却を困難にしているのは、「財政破綻するぞ」という悪質なデマを流す連中(明石氏のように)の存在だ。騙されやすい人たちは、このようなデマに簡単に騙されてしまう。その結果、企業の経営者は設備投資を抑え、消費者は消費を抑える。

本当にそう思います。無責任な財政破綻論を煽って消費を減退させて企業や家計を貯蓄に向かわせる
財政破綻論は楽観論じゃなくて事実にもとついて論理的にあり得ないのに
あり得ない事をいつまでも煽ってる人々は無責任なテロリストだと思う

投稿: 鈴木 | 2020年2月25日 (火) 12時08分

経済のことは素人でよく分からないのですが、例えば海外から物を買うとき、支払いは円でできるのでしょうか。永遠に海外から買った代金を円で払うことは可能なのでしょうか。また,国債は資産をたくさん持っている日本人が購入してるので何ら問題ないとの意見があるようですが、私たちの貯金を国で使うてしまって大丈夫なのでしょうか。太平洋戦争前、私の父親は国債を沢山持っていました。戦争が終わり、国債100円で米一升がやっとでしたとのこと。買ったときは100円は大学での初任給位の価値があったと聞いていました。そんなことにならないのでしょうか。

投稿: 岡野 功 | 2020年5月29日 (金) 18時18分

海外で物を買うとき、円で支払いができることもありますが、少なくとも円を現地の通貨に交換すれば支払いはできます。これは日本の経済が健全である限り可能です。もし明石流の緊縮財政で日本の経済が衰退したら、それができなくなるかもしれません。国債発行は通貨を発行していることであり、私たちの貯金を使っているのではありません。

投稿: 小野盛司 | 2020年5月29日 (金) 20時23分

しかし、量的緩和をやったときは、円安に振れたんじゃないかな。
外国の通貨やモノと比較して相対的に増やしたカネは価値が下がる方向に進むのは変わらないのでは。
単なるモノの需給で物価が決まるわけでもなく、それ以外にも為替取引は投資家の思惑で売買され、そこで通貨の価格が自動調整される。
政府赤字を盛大に増やすと、円安に振れることは覚悟するべきでは。
まだ量的緩和のお金は日銀当座預金にしまい込まれて貸し出しに回った額は限定的だったし、量的緩和は日銀の判断でできるからまだましだったけれど、
社会保障などの絶対支出しないといけないことまで、カネ刷ったり赤字を垂れ流しで対応するとなると市場がどういう判断をするか不透明。
ずるずると円安が進むのでは。
円安になると輸出で儲けら荒れるからいいといっても、トランプのように日本からの輸入を抑え込む大統領だとそれも通用しないのでは。

投稿: | 2020年6月 7日 (日) 17時40分

量的緩和をやったとき円安に振れたけど、安倍さんはむしろそれを歓迎した。株も上がるし、輸出企業も稼げる。残念ながら財政を拡大しなかったのが失敗の原因だ。日本も政府赤字を大きく増やしているが、米国はもっと増やしている。それがどれだけ為替に影響するかといえば余り敏感に反応していない。むしろお金をもっと刷ってもっと財政に使った国のほうが繁栄するし、国民を豊かにする。ずるずる円安などに進んでおりません。本気でずるずる円安が進むなどと考えているのであれば、自分の全財産をドルに替えておけばよいのではないですか。それをしないということは自説を信用していないということ。為替など誰も予言などできない。円が暴落すると言って本を売って儲ける悪徳商人はいます。一種の詐欺です。

投稿: 小野盛司 | 2020年6月 7日 (日) 21時49分

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