政府は日本をどこまで貧乏にしたいのか(No.363)
世界最低レベルの経済成長率を維持している政府だが、失われた20年どころか、今後も数十年間世界最低水準の経済成長率から抜け出すつもりはないようだ。厚生労働省は8月27日に公的年金制度の財政検証結果を公表した。内容は全くナンセンスだが、これによるとこれから年金は先細りになると結論する。主な理由は人口減少と低すぎる経済成長率だ。この試算では6つのケースを考えている。2029年度以降20~30年の最も高い実質成長率はケース1で0.9%、最も低いのはケース6でなんとマイナス0.5%なのだそうだ。政府は日本にこれ以上の成長は見込めないと考えている。日本以上に少子高齢化が進む韓国は間もなく一人当たりのGDPで日本を抜く。日本と韓国の経済の比較は以下のサイトでも行った。
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-dbeba8.html
日韓の実質経済成長率を比較してみよう。
実質成長率(%)
年 日本 韓国
2014 0.38 3.34
2015 1.22 2.79
2016 0.61 2.93
2017 1.93 3.06
2018 0.81 2.67
韓国のほうが日本よりはるかに高い成長率であることが分かる。その理由は簡単で韓国のほうが日本より歳出の伸びがはるかに大きいのだ。2018年の歳出は10年前に比べどれだけ増えているかと言えば韓国は67%で日本は僅か12%だ。政府が歳出を増やす額を見れば、政府が刷ったお金を国民にどれだけ渡しているかが分かる。渡したお金が成長通貨となり経済の成長を促す。日本が韓国よりはるかに低い経済成長率なのは、日本人が韓国人より能力的に劣るということではなく、単に歳出を増加させてないということだけだ。韓国の今年の予算案は前年度比で9.2%増である。
https://jp.reuters.com/article/south-korea-budjet-idJPKCN1VD07V
一方日本は緊縮財政であり、消費増税までやるし韓国のようにどんどん歳出を増やす事はしない。
日本はなぜ歳出を伸ばさないのかと言えば、緊縮派は歳出を伸ばすとハイパーインフレになるし国債や円が暴落し、金利が暴騰するというのだ。でも韓国は歳出を増やしてもそのようなことにはなっていない。そう言うと緊縮派は韓国は1997年と2008年に財政破綻していると反論するだろう。国民を貧乏にし続ける日本政府と違い、韓国政府は国民にお金をいっぱい渡し、お金が足りなくなって財政破綻した。しかしそれは会社が破綻して経営者が自殺に追い込まれたのと全然違い、破綻した後、外国からどっとお金が入ってきて国民は豊かになった。緊縮財政で国民を貧しくした日本政府と国民を豊かにした韓国政府とどちらがよいだろうか。日本の場合、円は国際通貨であり、政府にお金がなくなっても円を刷れば国際的に通用するので、韓国のように財政破綻しない。外貨準備もたっぷりあって破綻しそうもない。だから安心して財政拡大ができる。
今こそ全日本国民に問いたい。このまま日本を貧乏にし、隣の韓国が豊な国になるのを指をくわえて見ているだけでよいのだろうか。日本を豊かにする方法は簡単だ。消費税増税なんか止めて、むしろ消費税率をゼロにするべきだ。歳出を拡大し、人工知能など日本経済の牽引役になるところに集中的に投資し世界をリードすればよい。儲からない分野でどんなに汗を流して働いても豊かにはならない。例えばハイテクの一分野で世界の覇権を一旦握ると莫大なお金が黙ってても入ってくる。それには投資が必要だし、投資をすれば日本が豊かになれる。韓国などに負けない財政政策を政府に期待したい。
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コメント
今日は。higashiyamato1979です。「クニノシャッキンガ~」などと云う根拠無き妄想に囚われていないのは韓国の数少ない良い所ですね。
それでは決まり文句! お金が無ければ刷りなさい! 労働はロボットに!人間は貴族に!
投稿: higashiyamato1979 | 2019年9月14日 (土) 16時00分