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2019年11月28日 (木)

赤字国債増発なしに日本経済の復活はない(No.377)


11月14日政府は2019年度の税収見通しを当初予算で見込んだ62兆4950億円から大幅に下方修正する方針を固めた。企業業績の落ち込みで1兆~2兆円規模で下振れする見通しである。このタイミングで消費増税を行ったということが如何に馬鹿げているかを政府は理解したのだろうか。

2年前政府は税収がバブル期以来の高水準であることを誇らしげに発表した。しかし、このことは税収が30年前とほとんど変わっていないことを認めることであり、諸外国、例えばアメリカを見れば歳入は同期間では2倍以上になっているのだから決して自慢にはならない。むしろこの30年間経済がほとんど拡大しなかったことを恥ずべきだ。政府は過去9年連続して税収が増えたことを誇りに思っているのだろう。問題はその間新規国債発行額を大きく減らしていることだ。新規国債発行額は2009年度は52兆円だったが2019年度には33兆円に減っている。増えた税収で借金を返済していることが分かるのだが、これが経済の発展を阻害している。借金返済は日銀が国債を買うことによって行うのが最良であり、むしろ増えた税収は国の経済発展のために使うべきだ。増えた税収を使い歳出を拡大すると更に税収が増え更に経済は拡大する。そのよい経済循環でGDPが大きく拡大し結果をして国の借金のGDP比は減っていくことは内閣府の試算でも確認されている。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/ef2rrrrr-summary.pdf

日本人は増税でなければ税収は増えないと考えている。しかし歳出を拡大すれば名目GDPは増え、賃金が上がり、所得税は累進課税になっているので所得税収は大きく増加する。日本はもう経済成長などしないと考えている人もいるが、歳出を増やせば間違いなく名目GDPは増える。かつて日本が経済成長をしていた頃、税収は増え、歳出は毎年増やしていた。実は税収が増えすぎるのを防ぐために控除を拡大し所得税減税を次々行っていたが、それでも税収は増えていった。
https://www.nouzeikyokai.or.jp/files/pdf/ronbun/2009_5/5-3.pdf#search=%27%E9%AB%98%E5%BA%A6%E6%88%90%E9%95%B7%E6%9C%9F+%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E+%E6%8E%A7%E9%99%A4%27
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/no154-b62e.html

経済は拡大し、給料は増え、減税となり、しかも税収が増えるという夢のような世界が経済成長で実現する。その経済成長は人口減少社会でも財政拡大で実現するのである。もちろん赤字国債を増大させ財政を拡大しそれを何に使うかに関しては、政治家の力量が問われる。日本経済の牽引役になってくれる分野に大規模に投資すべきだと思う。また生活に困っている人々は多いからそういった人を救うことも重要だ。人手不足に対しては自動化のための投資にも協力すべきだろう。最近の水害でも防災に何をしなければならないかが分かったと思う。大学の研究費が減らされて日本の基礎研究が危機的な状況にあると言われており、緊急に研究費を増やす必要がある。

これまで緊縮財政を行ってきたのに突然積極財政に転換するのは政治家達にとっては選挙民に説明しにくいかもしれない。しかしこのまま緊縮財政が続くと先進国の中の最貧国どころか、アジアの近隣諸国よりも貧乏な国になってしまうのである。日本をそのような惨めな国にしてしまってから次世代に引き渡すべきではないと思わないか。

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コメント

 今晩は。higashiyamato1979です。早速拙ツイッターアカウントにて紹介させて頂きます。

投稿: higashiyamato1979 | 2019年12月 1日 (日) 21時25分

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