管義偉氏、安倍晋三氏などが全国民に20万円ずつ配ることを提案(No. 381)
2009年管義偉、安倍晋三など20名超の有志議員が「政府紙幣及び無利子国債の発行を検討する議員連盟」を発足させた。管義偉氏が2009年2月1日フジテレビの報道2001で政府紙幣を発行し国民一人当たり20万円を配る案を紹介した。実際にはこの案は実施されることはなかったのだが、もし実施されていたら経済にどのような影響があったかを、日経NEEDS日本経済モデルを使って計算してみた。ただし1回のみであれば影響はかなり小さいので、20万円の配布を5年間続けると仮定して計算した。
国民にお金を配るとこのお金の一部が使われて消費が伸びGDPが増加する。それにより企業の売上げが伸び賃上げが行われる。その影響を表で示す。
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
名目GDP(兆円) 13.1 26.6 30.2 32.9 35.7
実質GDP(兆円) 12.6 25.4 27.1 26.5 25.9
インフレ率(%PT) 0.08 0.32 0.32 0.64 0.64
雇用者報酬(万円) 1.65 5.55 10.0 14.7 20.1
この表の意味はお金の配布により例えば1年目、名目GDPは13.1兆円押し上げられるし、インフレ率は0.08%PTだけ押し上げられる。これで分かることは、素晴らしい影響が日本経済に与えられるということだ。少しだがインフレ率が押し上げられデフレ脱却へと進む。低迷が続く経済成長率が押し上げられ、賃金も上昇する。国民にとっては賃金が上がるのに加え、政府から配られたお金も受け取るから二重の喜びだ。それ以上に没落を続ける日本経済を救う可能性があるのは大きな意味を持つ。安倍・菅両氏はなぜ実行しなかったのだろうか。今からでも遅くないからこの政策は実行すべきだ。
こんなことをすればハイパーインフレになると言う人もいるかもしれない。しかし上記シミュレーションはインフレ率に及ぼす影響は僅かということを示している。お金を配ればハイパーインフレになるのは極度の物不足の時代だ。食糧難で人が次々餓死しているような状況でお金を配ったとしよう。お金を受け取った人は一目散にお店に行って少ない食糧を手に入れようとして奪い合いとなる。店側ではいくら値上げしても、飢えに苦しむ人々は買うしかないことを知っているので大幅な値上げする。だからハイパーインフレになる。国民を餓死から救えるだけの食糧がないときは、むやみにお金を配るのでなく、国民に空腹に耐えるように説得するしかない。
現在の状況はそれとは正反対で物が過剰に作られているのに、国民にはそれに見合うだけのお金が配られていない。実質賃金は20年以上下がり続けている。この時期にお金を国民に配れば、国民は豊かになり消費を増やし、それに対応するように企業も生産を増やし、設備投資も行い、国際競争力も回復してくる。
この政策により円が信用を失なうと主張する人がいる。しかし円を信用しなくなった人がいたら、その人は物が買えなくなるだけだ。だから餓死するしかなくなる。そんな馬鹿な人は一人もいない。要するに日本人は円を信用する以外に生きる方法はないのである。
安倍首相、20万円全国民配布を再度検討して下さい!!