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2020年2月20日 (木)

クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号での隔離は失敗だった(No.389)

2月12日に筆者はクルーズ船での隔離は間違いだと指摘し早く下船させ船外で隔離・治療をすべきだと提言した。
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2020/02/post-a10b68.html
最終的にはこの隔離失敗により19日までに621人が感染し2名が死亡した。この失敗に対し海外からも厳しい批判が寄せられている。そもそもあのような狭い空間に3700名もの人を隔離できるわけがなかった。政府は他に方法がなかったと主張するのだろう。しかしいくらでも方法はあった。

下船させてホテルに滞在させ隔離するべきだった。そうすれば感染爆発はおきなかっただろう。今は中国からの観光客が来なくなりホテルは悲鳴を上げているところだ。交渉すれば受け入れるホテルはいくらでもあったはずだ。例えば1泊5万円で3700名を14日間宿泊させたら25.9億円だ。1泊5万円であれば、団体客のキャンセルで苦しむホテルなら他の客を追い出してでも受け入れてくれるだろう。日本の観光地のPRにもなったかもしれない。国の研修施設もあった。621名の人を感染(2名死亡)から守るためには、そして国際的な非難を受けないために25.9億円は安い。重傷者もたくさん出たのだから治療費だって大変だ。

2週間の隔離が終わったからこれで感染しなかった人は自由にしてよいというのも無責任だ。クルーズ船での感染だがいつ感染したかは分からない。乗員も多数感染していてその乗員からの感染であればその感染時期は分からない。検査で陰性であっても実は検査にはかからないだけであり、下船後に発症するかもしれない。クルーズ船の乗客を諸外国はチャーター機で引き取っているのだが、その場合自国に戻ってから2週間隔離する。それが正解だが日本はそれをしない。支離滅裂だ。

そもそも隔離中に感染が発生した場合は、その時点で隔離が失敗したことの証明になるわけで、その後は別な方法で始めから隔離をやりなおさなければならない。

感染症の専門家である神戸大学の岩田教授がダイヤモンド・プリンセス号の中に入り、感染症対策がずさんだと指摘しそれが世界的に注目されている。要するにあのような狭い空間で感染症の専門家ではない乗員達に乗客を世話をさせるのでは隔離は無理だということだ。12日の私の指摘は正しかったと思う。

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コメント

伊吹文明氏が憲法改正にむけて緊急事態の実験だと言ってしまったそうで・・・

投稿: | 2020年3月20日 (金) 22時32分

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