新型コロナウイルスの完全封じ込めのための特効薬(No.405)
あるテレビ番組で橋下徹氏は「今はコロナ対策でどんどんお金を使って、財政が破綻するまでやればよい」といった意味の発言をしていた。果たしてどれだけ使えば財政は破綻するのだろうか。日経のNEEDS日本経済モデルで計算してみた。今回全国民に10万円を給付するのだが、これは12.5兆円が必要になる。例えば一人当たり80万円を給付したときは100兆円の財源が必要となる。財務省が卒倒しそうな数字だが、この場合の試算をNEEDSで試算をしてみた。
https://ajer.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/401_20200416104201.png
このとき財政は破綻するのだろうか。財務省のホームページには財政は決して破綻しないと書いてある。
https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm
財政が破綻する場合は次の2つのケースだ。
①財務省が発行する国債が売れ残る場合
②ハイパーインフレになる場合
①国債が売れなくなるのを防ぐには、金融機関と日銀が約束をすればよいだけで解決できる。金融機関が財務省の国債を買ってくれれば、その直後に日銀が金融機関からもっと高い値段で全部買い取ると約束しておけば、金融機関は何にもしなくても大金を手に入れることができる。どの金融機関も大喜びで協力してくれる。
②ハイパーインフレになることはあり得ない。NEEDSで計算しても100兆円の給付を行ってもインフレ率の押し上げは1%にもならない。今の日本では簡単には消費が伸びないし、企業は少々利益が増えても給料を上げないからである。
結論として100兆円でも大丈夫だが、安全策なら50兆円程度なら絶対大丈夫だ。というより50兆円でも今落ち込んでいる景気を立て直すだけでも不十分なくらいである。取りあえず50兆円の予算でコロナを完璧に封じ込める方法を考えよう。
安倍首相などが繰り返し言っているのは、人との接触を8割の接触を減らせということだ。しかし感染者を完全に隔離したら感染の危険がなくなり人との接触は減らさなくてもよくなる。実は人との接触と言っても感染者との接触を断たなければならないわけで感染していない人ならいくらでも接触しても構わない。その意味で感染者を自宅待機にさせている現状は最悪だ。狭い日本の家屋で自宅待機をさせていると家族に感染するのは明らかで、現在感染している人のかなりの部分は家庭内感染である。これを防ぐのは簡単で、感染者で軽症の人をすべてホテルで隔離することだ。4月19日西村康稔経済再生担当相は19日、新型コロナウイルスに感染した軽症者や無症状の人に入ってもらう宿泊施設について、全国で21万室を超えるホテルを確保したと述べた。また加藤厚労相は、軽症者も自宅でなく宿泊施設が基本だと述べた。新型コロナウイルスに感染した軽症者や無症状の人はせいぜい約8000人程度だろう。一人1泊2万円としても一泊1.6億円でよい。予算50兆円だから余裕で払える。ホテルは確保したがまだ準備ができていないと言うのかもしれないが、完璧な準備ができていない段階でホテルに入ってもらったとしても自宅で隔離するよりはるかに安全だ。世話人が必要だから2000人を人臨時職員として雇うとよい。1日1万円で雇うなら1日0.2億円で、これも払える。あるいは業務委託として引き受けてくれる会社はある。感染者の病状が悪化したら病院に入院できるよう準備しておけばよい。
もちろん専門家の指導を受け完璧な環境をつくってからホテルに受け入れてもらってもよいのだが、それには大変時間が掛かり、そんなことをしている間に感染者の家族に次々感染させてしまう。取りあえずホテルに隔離し、専門家と相談しながら、後で隔離を完全なものに近づけていくのでよい。
自宅待機の感染者をホテルに隔離したら、その次は感染者との濃厚接触者もホテルで隔離することだ。これが1万人いるとし、世話人が2000人とする。一人1泊2万円とすると1泊2.4億円だからこれも払える。感染者とその濃厚接触者の隔離が終わったら、次はそれ以外の市中に埋もれている感染者を探し出すことだ。そのためにはPCR検査の数を増やさなければならない。韓国で使われている検査キットでよい。PCR検査数を増やすと患者の数が増えすぎて医療崩壊を発生させるという意見があるが、軽症者はすべてホテルで隔離すれば医療崩壊はしない。
ではどうやってPCR検査数を増やすかということだが、4月18日東京都医師会は、検体を採取する「PCRセンター」を都内で最大47か所に順次設置すると発表した。検査して欲しい人が大挙して押しかけると感染の危険があるので予約制とする。誰が感染者かが分からないと隔離はできないし、新たな感染者を少なくすることもできない。韓国ではドライブスルーやウオークイン検査で100万人あたりでは日本の数十倍もの検査を行っている。新たな感染者が台湾では0になる日もあり、韓国でも1桁にまで下がっている。台湾では外出自粛は求めず、人々は普段と変わらない生活を送っている。努力すればコロナのほぼ完全なる封じ込めも可能で学校も再会可能だ。4月20日現在検査は1日2万件可能とされている。ドイツでは1週間で約50万件の検査を行っている。コロナを完全に閉じ込めるにはPCR検査数を増やすことが必須となる。
不自由な生活になるからホテルに隔離されるのはいやだと主張する感染者もいる。しかしそのような無責任な人達が街を歩き感染させ、結果として人を死に到らしめることになることもあり、これは重罪であり、殺人に準ずる行為であることを認識させるべきだ。死の恐怖に怯えながら必死で治療・看病をしている医師・看護師のことも考えるべきだ。また無責任な人達が無責任な行動をするために、長年守ってきた店が閉店に追い込まれ廃業・倒産し自殺をする人も多数いることを知って貰った方がよい。全国の学校が休校となり生徒達が学習の機会を奪われているのも自分たちのお陰だと認識すべきだ。台湾のように感染者などが街を歩いたら360万円の罰金を払わされるような法律をつくるとよい。
感染者とその濃厚接触者をすべて隔離したら、次は市中に隠れた感染者を探し出して隔離することだ。これができれば、外出禁止などの自粛は不要となる。これを手に入れることができるのなら50兆円も惜しくないはずだ。隠れた感染者を探し出すために重要なのは、感染者の感染経路を徹底的に調べることだ。保健所の職員が調べる程度ではとても間に合わない。もちろん感染者自身の協力も不可欠だが、記憶があいまいな場合もあるだろう。感染経路を調査するのは感染防止には決定的に重要になる。そのために絶対に必要なことはすべての感染者の名前と住所を公表することだ。戦後最大の国家の非常事態だからこの位のこと、許されて当然だ。そして全国の探偵事務所に業務委託し感染経路を調査して貰うとよい。1件につき100~500万円程度払うとしよう。5000人の感染者が対象とした場合は費用は100億円でよく、これなら安い。同時に感染者全員に個人情報を公開させてもらった代償として200万円を払う。これも100億円だから安い。
あるテレビ局の調査では「コロナ対策のためにプライバシー侵害も仕方が無い」という意見に賛成する人が89%いた。回復した後は「前科者」にはならない。我々が追放したいのは感染者ではなく、コロナである。感染者の感染ルートの情報から芋ずる式に感染者が分かる。軽症者をホテルで隔離することとすれば、医療崩壊は起こらない。
更に国民に感染経路の調査について協力をお願いするとよい。有力な情報を提供してくれた人には最高500万円払うと宣言すれば本気になって捜してくれる人は多数いるだろう。「〇〇さんは多分感染者だ」という密告に対しそれが重要な情報であれば最高500万円払う。支払いは全部で100億円程度。密告が横行する嫌な世の中になってしまうが、国民全員が一致団結して協力すれば、感染者全員をホテルで隔離できるから、ごく短時間で街からコロナ感染者が消え元の生活が戻る。ただし有力な情報を提供してもらった場合、情報の収集と分析は業務委託した探偵事務所が行うと良い。元の生活を取り戻すという共通の目的のために探偵事務所と国民が一体となって行動できるのではないか。
日本のコロナ対策は失敗続きだ。クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」でたった一人の下船した乗客が感染していたことが分かりこのクルーズ船は封鎖された。これは明かに失敗で、一旦全員を下船させいくつかのホテルに別れて隔離して暫く様子をみていたら、あのような大規模な感染は起きなかった。緊急事態宣言にしても補償なしの営業自粛要請は大半の日本人は反対している。100%の補償はできないにしても、できるだけのことはするという姿勢は見せて欲しかった。感染源になっている夜の繁華街が少しでも営業を続けていて、感染を広げていたら、他の大多数が店を閉めていたとしても、全体としては感染は広がる。ここは補償金、あるいは見舞金を払っても、半強制的に全店舗休業させてコロナ完全閉じ込めを目指すべきだ。国家の非常時に出来ないわけがない。
もしもコロナを早期に閉じ込めることに失敗したら悲惨な結果が待っている。来年のオリンピックまでに終息していなかったら、オリンピックは中止だろう。休業が続いたらおびただしいほどの企業が倒産し失業者は激増する。そして次のグラフで分かるように失業者が増えると自殺者も増える。その意味で多くの企業がバタバタ倒産するような状況は絶対に避けなければならない。
もしかすると昭和恐慌並の大不況が来るかもしれない。昭和恐慌の際には失業者は250万人余りとされ、青森県だけで7083人の娘が芸娼妓(げいしょうぎ)に売られたとされている。一刻も早く全国民が力を合わせコロナを撃退したいものである。
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コメント
よく分かりました。国債を買う人がなければ政府貨幣で買えば良いのではないですか
発行できるでしょう。
投稿: 生路佳話 | 2020年4月24日 (金) 07時32分