家庭内感染などの感染を完全に止める方法(No.409)
政府は5月4日、緊急事態宣言を5月31日まで延期すると決定した。安倍首相は欧米のような感染爆発が起きていないことを成果であるように言う。しかし、比べるべきは欧米の例ではなく、もっと日本と環境が似ている韓国や台湾だ。それらの国では、政府の的確な措置のお陰で新規感染者数は1桁台に抑えられ、次第に日常の生活を取り戻しつつある。一方で日本は新規感染者数は100~300名程度であり、このままでは国の経済は極めて深刻な不況に落ち込むし,失業者が激増するのは確実である。失業者が増えると生活苦で自殺する人が何千、何万という数に上るようになる。しかも感染が止まらないと、コロナで多くの人が死ぬ。政府の失政のお陰でそのような命が失われることに憤りを感じる。今の状態で自粛解除したらまた感染者が増えて元に戻る。ところが感染者をすべて隔離したら、非感染者は街を自由に歩けるし、仕事もできるし夜の歓楽街も生き返るのである。
そうするためにはまず自宅待機をしている感染者をホテルなどに隔離することだ。なぜ隔離がいやかと聞くと街を自由に歩けないからだと言う。とんでもないことだ。日本人1億2千万人全員が自宅待機しても、感染者が街をウロウロされてはすべてがぶち壊しだ。しかも感染者に自宅にいてもらっては家族を感染させてしまう。
感染を止めるには、誰が感染者かを確定し感染者を隔離することだ。それにはPCR検査を多数行う必要があるが、日本は人口10万人あたりの検査数は諸外国の10分の1程度しかない。これが多数の日本人の命を奪っている。体調を崩して検査を依頼しても受けられず命を落とす例が次々見つかっている。PCR検査が十分行えていないのは安倍首相に重大な責任がある。ではどうすれば検査を増やせるか。
①例えばロシェ・ダイアグノスティックス株式会社の全自動遺伝子検査装置を大至急導入すべきである。これは1日7万件の検査が可能ということで大幅な検査体制の増強が可能である。これ以外の製造元でもよいので自動検査機を大量に導入すべきだ。
②RNA抽出薬などが足りなくなるとの意見があるがニッポンジーンとか島津製作所などで大量に生産をお願いする。
③政官民で非常時の緊急対策チームを発足させ大至急コロナ対策を実行する。予算10兆円を自由に使ってよいとしておき次々と対策の決断と実行をしてもらう。
④大学の医学・生物学・農学系の関係者に広く応援を呼びかける。日給3万円程度で検査の協力をしてもらったらどうか。大学院生やオーバードクターの方達とかも経済的に助けになる。こうして検査件数を一気に拡大すべきである。必要なら検査訓練のためのセンターを立ち上げる。
大量に検査ができるようになったら、感染者の隔離を完璧にする必要がある。まだ1800名以上の感染者が自宅療養している。理想的には強制的に感染者を全員隔離することが望ましい。例えばエボラ出血熱が日本に入ってきたら、強制的に隔離しても誰も反対しないだろう。新型コロナも死に到る病であり、悪くするとこのままでは日本経済を殺してしまう恐ろしい伝染病だ。強制隔離がなぜできないか理解に苦しむ。しかしどうしてもそれができないというのであれば隔離した際の環境を極めて快適なものにした後、総力を挙げて隔離への協力を説得すべきだ。テレビで連日説得すべきだ。安倍首相、西村大臣、加藤大臣、そしてテレビでお馴染みの有名人の方々に協力をお願いし説得すべきだ。自分の好きなタレントにテレビで説得されたら応じるのではないか。テレビは総力を挙げて感染者に向け、感染者が隔離されていないために多くの人々が大変な思いをしている実情を示すべきだ。子ども達も学校に行けないし、店を開けないために長年苦労して守ってきた店が潰れそうだ、医療関係者は命懸けで治療を行っている。感染者全員が隔離されたら元の日常が戻る。そのあたりのことを説明するとよい。感染者が悪いのではなく、ウイルスが悪いのだ。
それでもダメならカネを使うとよい。例えば隔離に応じてくれたら20万円をお見舞いに差し上げますと言えばどうだろう。20万円でもダメなら100万円でも200万円でも、それがうまくいけばタダみたいなものだ。それでも応じない人に対しては強制的に隔離しても批判する人は少ないだろう。
お見舞い金をいくらにするかはともかく、それ以降新たに発生した人に対してもお見舞い金は払う。すでに隔離に応じていた人や入院していた感染者にも払うのかどうかと言えば払った方がよい。全員に払ったとしても微々たる金額だ。今後感染者が見つかったとしても隔離に応じたらお見舞い金は払うとよい。自分は多分感染者だろうと思っている人でも、他人に知られたくない、隔離されたくないと思う人は隠している人もいるかもしれない。しかしもしお見舞い金が貰えると知ったら、喜んでPCR検査を受けるだろう。PCR検査を受ける人が飛躍的に増え、感染者の隔離が一気に進む。そうなれば極めて迅速に日本中の感染者が隔離され、結果として緊急事態宣言解除の時期が大幅に前倒しになる。これは日本経済に数十兆円の押し上げ効果を持つ。例えばお見舞い金が200万円とし、1万人に支給したとしても僅か200億円にすぎない。これはGDP押し上げ効果の僅か2500分の1に過ぎないのである。
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コメント
大賛成です そうすればGDPにも効果があります
投稿: 思路河辺 | 2020年5月 8日 (金) 17時37分
感染者の隔離には基本的に賛成です。ですが、私は藤井京大教授の半自粛半自制策に賛成するものです。もう新型コロナの恐怖を煽るような言説は減らした方がよいかと思います。
トップページのコメントにある1000兆円は、国借金ではなく政府の負債であり、国民の資産ですよね。返す必要は無いのでは?
投稿: | 2020年5月10日 (日) 11時32分
はい、国借金ではなく政府の負債であり、国民の資産であり返す必要はありません。むしろもっと国民にお金を渡し経済を立て直すことを考えてもらいたいと思います。
投稿: 小野盛司 | 2020年5月10日 (日) 14時09分