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2020年7月13日 (月)

緊急事態宣言より感染拡大を放置するほうが怖い (No.420) 。

新型コロナウイルスの感染拡大を止めるために政府は4月16日緊急事態宣言を全都道府県に拡大した。その結果東京の新規感染者は一時200名を超えていたが、5月22日は3人、23日は2人と、非常に少なくなってきた。国民の自粛の成果だと思うが、この減少が緊急事態宣言とは関係無いという説が一部の専門家から出され、政府は5月25日緊急事態宣言を解除した。しかし宣言が解除されれば、当然のごとく感染は拡大し7月9日、10日、11日、12日、感染者は200人を超え10日は今まで手最大となった。感染症は放置すれば感染者はねずみ算的に増えていき、やがて武漢やニューヨークで見られたように医療崩壊が起き、多数の人が死ぬ。山中伸弥教授は対策をしなければ10万人以上の死者の可能性もあると警告する。感染拡大を止めて欲しいというのは多くの国民の願いだ。7月11日の中居正広のニュースな会(テレビ朝日)の視聴者アンケートで、今緊急事態宣言を出す必要があるかという問いに対し、出すべきだと答えたのが82.3%、出さない方が良いと答えたのが13.7%だった。つまり圧倒的多数の国民は再度緊急事態宣言を出してコロナを止めるべきだと考えている。

一方で西村経済再生担当大臣:「もう誰も、ああいう緊急事態宣言とかやりたくないですよ。休業も皆で休業をやりたくないでしょ。」と述べた。もう休業要請をするための予算がないという。民間のシンクタンクによれば2020年度の実質GDPはマイナス5.44%になるそう。どうしてこのように大きな落ち込みになったかと言えば景気対策としての第一次と第二次の補正予算の規模が小さすぎたからだ。政府支出は第一次が25兆円で第二次が31.9兆円で合計56.9兆円だった。どこにそんな財源があったのかと言えば、通貨発行権を行使して財源を確保した。つまり政府が国債を発行し日銀が買うという方法だ。56.9兆円が限界というわけではなく、もっと通貨発行できるし発行すべきだ。日経NEEDS日本経済モデルを使って計算してみると、毎月10万円を全国民に1年間配り続けても、実質GDPをプラスにするにはまだ力不足だ。つまり西村大臣は「もう予算がない」と言うが、これは間違いであり、第一、第二次補正予算と同じ方法で第三次補正予算を組めば良く今度は100兆円規模にすべきだ。そうすれば実質GDPの落ち込みをある程度防ぐことができる。これだけの財源があれば、再度緊急事態宣言を出し前回と同様の休業要請が出せるし、休業補償も払える。今はGoToキャンペーンは中止すべきだ。こんなに新規感染者が増えている時に気持ちよく旅行などできない。地方にいる高齢の親に会っても、感染させてしまって、それが原因で死に到らせてはいけないと考えれば、実家に行くのも躊躇するだろう。

7月12日フジテレビの日曜報道ザ・プライムでのアンケート:感染拡大、あなたは外出頻度を減らすかという問いに減らすが83%、減らさないが17%だった。つまり感染が拡大するだけで経済には深刻な影響が出る。つまり感染を抑えることが最大の景気対策だ。重症で入院している人が少ないから大丈夫と政府は言うが、軽症者が増えるとその後で重症者が増える。重症者が増えて、赤字経営の病院はコロナが怖く残業代もボーナスも出ず、看護師が次々辞めていく。これこそが医療崩壊だ。PCR検査を増やしているとは言うが、東京都でまだ1日僅か3000件しかできていないのは恥ずかしくないか。武漢では990万人に検査したし、北京市では、市内の食品卸売市場「新発地市場」で感染者が確認された6月11日以降、検査の規模を拡大し、1日あたり100万を超えるサンプルを処理している。ニューヨーク州は7月1日に配信したメールマガジンで、「すべてのニューヨーク州民は州内に存在する750ヵ所程度の検査センターで、無料で検査を受けることができる」とアナウンスしている。今や後進国となった日本は「先進国に追いつけ、追い越せ」というかつての奇跡の経済復興を成し遂げた先人達のキャッチを思い出して欲しい。

 

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