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2020年7月21日 (火)

安倍首相、なぜコロナ感染拡大を止めないのですか(No.422)

通常国会閉会後、緊急事態宣言解除後、コロナ感染者が急増し、今月17日には東京では過去最多の293人に上った。5月中旬には新規感染者が2名まで下がっていた。緊急事態宣言が再び出すべきだと考える国民が増えているが、首相は記者会見に加え、週1回のペースで開かれている国会の委員会の閉会中審査にも出席していない。首相のコロナ対策は失敗続きだ。3月2日に全国の学校を一斉休校させたが、子ども達の学習の機会を奪ったが、コロナの感染防止にはほとんど役立たなかった。多額の税金を使ってアベノマスクを配ったが誰も使っていない。5月25日に緊急事態宣言を前面解除したが、これは拙速で、その後感染者が急増している。感染者数も死者数もアジアでは最悪レベルになっており、多くの国民は緊急事態宣言、またはそれに相当する対策を希望しており、ステイホームを再度求めるべきだが、政府は逆に感染を更に広げるGoToキャンペーンをし、説明を拒否する首相は逃げ回っている印象を受ける。

国民の健康や生命より、経済を回す事を優先しているのだろうが、コロナを封じ込めなければ経済は回らない。そもそも街中にコロナ感染者がウヨウヨしている状態では怖くて商売にならない。この失敗例はスウェーデンである。規制せず、感染し放題にしておけばそのうち集団免疫ができて感染は収まると考えた。しかし死者数が近隣諸国を大幅に上回わり経済も低迷した。免疫持続は数ヶ月どまりだから集団免疫は不可能である。経済成長率マナス2.5%、失業率9%だから経済状況も悪い。封じ込めに失敗した日本も2020年度の実質GDP成長率はマイナス5.44%(民間予測)である。

プラス成長が見込まれるのはコロナの封じ込めに成功した国だ。成長率だが台湾はプラス1.67%、ベトナムは2.8%である。中国も2020年4~6月期の実質GDPは前年同期比でプラス3.2%であり予想を大きく上回った。これらの成長率は日本にとって夢の又夢であり、今後何年間も実現しそうもない。

若者は重症化率も死亡率も低いのだから、感染しても構わないとの主張もあるかもしれない。しかし感染者で溢れる街に年配の人は出かけられない、レストランにも劇場にも旅行にも行けない。しかも自分の子どもにも会えない。また病院は感染者で溢れ近づけないし、お陰で病院の経営は成り立たず、まともな治療もできない。短期間なら我慢できるかもしれないが、集団免疫で抑える可能性は少なく、ワクチンもいつ出来るか分からないとなれば、こんな地獄のような状態を半永久的に続けることになるとすれば悲劇だ。そうだとすれば、中国、ベトナム、台湾のように徹底した検査と隔離で完璧に感染者を隔離し、街を誰でも感染の心配せずに歩けるようにしたほうがよいのではないか。そのような夢の世界はPCR検査が1日100万件できるようにすれば実現可能だ。経費対効果は抜群に高く、しかも政府がカネを使えば景気対策になる。

前回の緊急事態宣言で政府はお金を使い果たしたからもう二度とできないなどと考えてはいけない。家計や企業であれば、果てしなく支出を増やすといつかは破綻する。国の財政は通貨を発行できるのだから、激しいインフレにならない限り歳出はいくらでも拡大できる。だから国民の健康・命を守るために、必要なだけ遠慮せず使うと良いしそれが現時点では最良の景気対策だ。日経新聞社のモデルを使って計算したところ今はデフレ経済なので100兆円程度であれば使っても問題ない。激しいインフレを恐れ非科学的な先入観で緊縮財政を行い国民の健康・命をおろそかにすべきではない。

 

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