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2021年2月 8日 (月)

ワクチン接種とオリンピック開催可能性(No.435)

緊急事態宣言が出され、こんなときにオリンピックが開けるのかと危ぶむ声はある。もちろんこのままでは開けるわけがない。例えばオリンピック参加者全員がワクチン接種を受け抗体ができていたとしよう。参加者は12000人、パラリンピックは4400人であり、大会関係者は17万人、イスラエルの発表だとワクチンを接種した人の陽性率は0.01だそうだ。ということは全参加者をPCR検査しても陽性になる人は18人程度、しかもその陽性者は自覚症状がない。そうであれば陽性者でも出場を希望するだろう。この陽性者からクラスターが発生するかというと、参加者全員がワクチンを受けていれば移る可能性は少ない。そもそも7割の人が抗体をもっているなら集団免疫ができるのだから、ここでは10割の人が抗体を持っているから完璧な集団免疫ができている。参加者の中で感染して重症化する人はほぼゼロだろう。そうであれば、コロナは風邪みたいなものになるから対応が簡単になり医療従事者の負担は軽減される。

 現在までで全世界ではすでに1億回近いワクチン接種が行われており、オリンピックが開催される7月までには数億回の接種が行われるのではないか。オリンピック関係者が割り込みで接種を受けることが許されるだろうか。一方でコロナワクチンに関しては懐疑論がある。英調査会社イプソス・モリが主要15カ国で16~74歳の約1万3000人を対象に、1月14~17日に実施。「もしワクチンを接種できるなら、接種しますか」と質問した。「ぜひしたい」と答えた人は米国は42%、日本は17%だった。つまり人はまだまだワクチンに関し懐疑的だ。だからオリンピック関係者に優先接種しても反対意見はそれほど強く出ないだろう。それよりオリンピックに出場する有名選手がワクチン接種を受けるのを見て、自分も受けようと若者が言い出すだろうからワクチンのPRができる。

 国内の選手全員にワクチン接種を優先的に行うのは難しくないのではないか。海外の選手だが、COVAXファシリティというのがあり新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンを、複数国で共同購入し、公平に分配するための国際的な枠組みである。2021年末までに20億回分のワクチンを、「COVAXファシリティ」に参加するすべての国(現在190カ国)の人々に公平に届ける。世界各国に選手の優先接種をさせるよう呼びかけるのはどうだろう。1月22日、国際オリンピック委員会(IOC)が開催実現に向けて、出場全選手のワクチン接種を検討しているとの報道があった。

 コロナ変異株が入ってきて感染が広がり始めたらどうするか。変異株に対しても現在のワクチンはある程度有効だが、例えば南アフリカの変異株などには有効性は落ちるとのこと。6週間あればそれに対応したワクチンができるそうで、すでに開発が始まっているのではないか。そうであってもあらゆる手段を使って変異株が日本に入ってこないようにすべきだろう。観客を入れることにした場合、780万人の人が外国から訪れる。その全員にワクチン接種を義務づけるのは難しいのではないか。そうであれば、それだけの大量の訪日客が入って来ればどうしても世界各地の変異株が入って来る。せっかく緊急事態宣言で収束しかけたコロナだが、ワクチンの効かないコロナ株が一気に広がれば、また初めからやり直しになる。それを防ぐには観客は入れないこととし、選手は全員ワクチン接種を終えてから入国することにするしかないのではないだろうか。3月25日には聖火リレーがスタートする。それまでにしっかり議論をし、開催の是非、観客を入れるか入れないか、ワクチン接種の義務化をするかどうかをしっかり議論をして決定して頂きたい。

 

 

 

 

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