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2021年3月12日 (金)

震災対応はあれでよかったのか(No.439)

東日本大震災から10年が経った。この震災が衰退を続けていた日本経済を更に悪化させた。当時のビデオがテレビで度々流されるが、まずい対応が目に付く。震災関連死の死者数が復興庁から発表されているが、合計3767人の中で圧倒的に多いのが福島県の2313名だ。津波が来そうだということで、通常は動かせない病人を無理矢理連れて避難するのは仕方ない。しかし原発事故での避難は話が違う。放射能を浴びることがどれだけ危険なのかは専門家でなければ分からない。記録ビデオでは広島大学の専門家が避難現場にいた。病人を施設に入れる前に病人の衣服から出る放射能の強度を測定していた。担当者は制限を超えているから施設には入れられないと言い、専門家はこの程度なら入れてもよいと言う。

要するに通常の状態であれば放射能に汚染された衣服を着ている人はごく希なので、十分汚染を落としてから入室を許可すべきだが、早く施設に入れて治療をしなければ病人が死んでしまうという状態なら、少々衣類が汚染されていても早く施設に入れて治療をしたほうがよい。そういった緊急事態での放射線レベルの基準は平時での基準とは違ってもよいはずだ。そもそも微弱な放射線を浴びた時、どれだけ癌の危険が増すのかについては研究論文がある。少し位なら放射線を浴びた方が、免疫力が強まって癌になりにくくなるという研究結果が多い。その意味で国は平時と緊急時で二重の基準を示すべきだ。記録ビデオで観ると原発事故の後、病人の避難の仕方が随分乱暴だった。もっと落ち着いて優しく避難させていたら、震災関連死の死者数はずっと減っていただろう。当時原発近くではある程度の放射線を浴びていたが、現在癌の治療ではケタ違いに強い放射線が使われていて沢山の命が救われている。

原発事故の後、放出された放射性物質が広い地域に雨として降り注いだ。その結果近隣地域の土壌が放射能を帯び、国の基準からすればその土壌は高濃度放射性物質と見なされ、特別の許可が無ければ動かせないことになった。その後除染も進んだが汚染土はビニール袋に入れ各地に放置されている。セシウムは半減期が30年であり、まだまだ放射線レベルは下がりきっていない。更に残された問題が貯まり続ける汚染水の問題だ。冷却に使った汚染水は浄化したがトリチウムだけが残っている。トリチウムは水道水にも我々の体内にも入っているわけであり、基準以下なら海に流してもよいと国際的に決められている。東電は、2022年秋にタンクの保管容量が限界を超える見通しで海洋か大気への放出処分を検討している。韓国を含む世界中の原発もトリチウムを含む汚染水を海洋放出しているわけであり、海洋放出は認められるべきだと考える。風評被害は避けられないようなので、それに対する十分な補償を漁民に払うべきだ。汚染水の海洋放出と同時に汚染土を事故のあった原発の前の海の埋め立てに使ったらどうだろう。汚染が海洋に広がらないようにしっかり防波堤をつくっておけばよいのではないか。

あの原発事故に対応している様子を見ると、やはり日本には原発はいらないのではないかと感じてしまう。脱炭素を宣言しているのだから、風力や太陽光発電にしっかり研究開発費を出して世界をリードできるようにしてもらいたい。

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