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2021年9月27日 (月)

通貨発行で日本経済は復活できる(No.448)

歳出が増え、国が財政破綻するのではないかと国民は怯えている。これは国の借金を家計の借金と同一だと錯覚した結果で生じた誤解である。国が通貨発行権を持っていることが忘れられている。国の借金に関する誤解を解くために、多くの人が政府貨幣の発行を提案している。

筆者は額面10万円の政府紙幣を発行して全国民に配る提案をしたい。
①この紙幣の有効期間は1か月とする。
②これを使用できるのは紙幣に名前が書かれている人だけ。
  身元を確認できるものを銀行に持参し、自分名義の口座に入金する形でのみこの紙幣
は使用可能。
③この紙幣を受け取った銀行はこれを日銀に持ち込みその銀行の口座に入金してもらう。
これは政府紙幣なので、財源を気にせずに何回でも発行できる。国の借金ではなく、将来世代へのツケにはならない。1か月後に無効になるので、日銀に資産として残るわけではない。また流通させなければならないというわけではない。

様々な人が政府貨幣を発行するよう提案している。
丹羽春樹 「カネがなければ刷りなさい」1998年『諸君』1998年5月号
榊原英資 「政府紙幣の発行で過剰債務を一掃せよ」『中央公論』第117年代7号(2002年7月号)
ノーベル賞を受賞した経済学者ジョセフ・スティグリッツ氏による政府貨幣発行の提言2002年5月9日の日本経済新聞の朝刊に掲載
2009年「政府紙幣・無利子国債発行を検討する議員連盟」が菅義偉氏、安倍晋三氏などによって設立された。管義偉氏が2009年2月1日フジテレビの報道2001で政府紙幣を発行し国民一人当たり20万円を配る案を示した。

ところで江戸時代発行された貨幣はすべて政府貨幣である。江戸時代初期は金銀を使って貨幣をつくれば十分だったが、やがて経済が拡大し、貨幣の量が足りなくなった。1695年萩原重秀は金銀の含有量を減らした貨幣をつくり貨幣の量を増やした。これを改鋳と呼ぶ。これにより幕府は528万両余りの通貨発行益を得たとされている。財政拡大だが、もちろん国の借金など一切発生しない。そのお陰で元禄文化が花咲いたし地震や富士山の大噴火などの災害対策もできた。しかしその後新井白石の超緊縮財政により、国民生活が圧迫された。その後家斉が再び改鋳で貨幣の量を増やし化政文化が花開いた。このように通貨発行により幕府は歳入を増やし、それが国民に渡り経済を発展させ国民生活を向上させた。すべてが政府貨幣だったわけで、現在のシステムのように国が借金をしなければ財政を拡大できず緊縮財政が続いているのとは比べものにならないほど、経済発展の方法が明瞭になっているわけだ。米の値段を見ても江戸時代260年間、米の値段は安定しており、貨幣発行により激しいインフレなどにはなっていない。

明治の時代に入っても最初は太政官札、次は明治通宝が発行され、いずれも政府紙幣であり、これらの発行益は歳入として計上されている。もちろん、現在でも国は通貨発行が可能だが、奇妙なことにこの通貨発行益を歳入にしないため、国の借金が増えているような錯覚をする。いつか財政破綻すると言われ、無知な国民は恐怖に怯えている。国は通貨発行権を持っているのだから財政破綻はあり得ないと国民に知らせるべきである。新しい内閣には是非それを国民に教えて頂きたい。

 

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